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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「日の丸・君が代」問題等全国ネットの形成へ<その2>(20)

2014年01月21日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 <転送歓迎>(重複ご容赦)・「都教委包囲首都圏ネットワーク」・「新芽ML」の渡部です。
 昨日(1月16日)、大阪で、「君が代」不起立で処分された教員(Uさん)の人事委員会審理が開かれました
 以下に紹介するのは、▲ Uさんの「冒頭陳述書」です。
 大阪における「君が代」斉唱導入の過程や卒業式の様子、またUさんがどうして「不起立」に至ったのかなどについて、きわめて簡潔に述べられています。
 大変感動しましたので皆さんに紹介します。

 このような闘いこそ日本の教育と社会を破綻から救うものだと思います。
 このような闘いこそ安倍暴走内閣に対する具体的な闘いだと思います。
 このような教員こそ真の日本の教員の誇りです。
 是非、多くの人々に転送し、紹介して下さい。

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 冒 頭 陳 述 書  2014年1月16日

 私は1981年に教員となって以来、D高校・Mo高校・Mi高校・A高校の四校で30年以上にわたって理科の教員として勤務してきました。この間、教科の授業に力を注いできたことはもちろんですが、担任として、また、生徒会の顧問として、さまざまな生徒達と共に多くのことを学んできました。
 人権教育などについて学ぶ中で、日本が起こした侵略戦争がアジアの国々の多くの人々を苦しめたこと、国内においても多数の尊い命を犠牲にしてきたことを、生徒達と共に学ぶことができました。
 この過去の歴史を謙虚に振り返り、戦前の軍国主義教育が果たしてきた役割、そして、その中で「日の丸」・「君が代」がどう使われてきたかをを考えると、「日の丸」や「君が代」を学校教育に持ち込むべきではないと考えるようになりました。
 特に、大阪には日本の侵略戦争を契機に日本で暮らすようになった在日の人たちや、多くの民間人が犠牲になった沖縄出身の方たちがたくさん暮らしておられます。
 少数者の意見や弱い立場の人たちの気持ちも大事にしなければならないと教えている私たちが、「日の丸」・「君が代」に抵抗を感じる人たちに「日の丸」・「君が代」を押しつけることがあってはならない、そうも考えて入学式や卒業式に「日の丸」や「君が代」が持ち込まれることに反対を続けてきました。
 私が教員になったころ、卒業式や入学式に「日の丸」や「君が代」はほとんど見られませんでした。多くの教員や保護者がその押しつけに反対していたからです。
 府教委が現場の管理職を脅して「君が代」の導入が始まり、式に先立って君が代が流されるようになりましたが、誰も立つ者はありませんでした。
 反対を押し切って、強引に開式後に「君が代」が流されるようになってからも、教員にも生徒・保護者にも人数の多少はあっても必ず不起立者がありましたし、ましてや声に出して歌うものは圧倒的に少数でした。
 卒業式は、「君が代」がなくても、不起立者がたくさんいても何の問題もなく行われていたのです。
 「日の丸」は、最初は「屋上でいいから」という形でスタートし、その次には「目立たなくてよいから何とか壇上に」と言われ、そして今や「正面の壁面にでかでかと」主人公である卒業生を圧倒するような形で掲げられている学校も増えてきているようです。
 登壇する来賓などが、主役である卒業生に尻を向けて壇上の「日の丸」に深々と礼をする姿は、戦前にタイムスリップしたのかと思うばかりです。
 また、卒業式などでは、開式の礼の後、いったん着席してから次の次第に進むのが通例でしたが、最近では、開式で起立した後、着席をさせずに「国歌斉唱」へと進み、起立斉唱をしたくない者は立っている人の中で、積極的に「座る」という目立つ行動を強いられる形にされています。
 このように、入学式・卒業式における「君が代」の起立斉唱は、慣習的な儀礼的所作などではなく、府教委が強引に卒業式・入学式に「君が代」を持ち込み、そして、力ずくで列席者に起立斉唱を強いてきた、その結果として現在の列席者の大半が起立している状態が作り出されてきたのです。
 そのことは府教委の皆さん自身が一番よくご存じのはずです。

 2012年3月、私はA高校で、卒業する学年の学年主任として、卒業式に臨みました。
 学年主任を引き受けるときも、卒業式や入学式で国歌に対して起立斉唱はできないことは断っていましたし、この年まで、毎年の卒業式・入学式でも国歌斉唱の際は不起立を通してきました。
 この年は事前に校長から、今年は条例も制定されて、不起立であれば報告せざるを得ないとは告げられていましたが、自分の信じるところを曲げて立つ気にはなりませんでした。
 また、生徒には強制するものではないといいながら、全教員が立たねばならないと強制され立ってしまうことは、立ちたくない・歌いたくない生徒に対しても起立斉唱を実質的に強制してしまうものになります。
 立ちたくない・歌いたくない者は立たなくてもよい・歌わなくてもよいことをどこかで示したいとも考えました。
 そして、予行の際に「日の丸」・「君が代」については、いろいろな思いや考えを持つ人がいること、私自身は国歌斉唱に際して起立斉唱しないことを伝えました。
 ただ、生徒たちが立たないように扇動したり、ことさら当日目立つように行動したわけではなく、静かに座ることで私の気持ちを伝えたつもりです。
 卒業式は生徒一人一人が、三年間を振り返り、決意を新たにそれぞれの道に踏み出していく、そして、私たち送り出す教員はその背中を押してやる、そんな行事だと思います。
 そう考えて、この年の卒業式は時間はかかるけれど、「以上総代」という形で一人に渡すのではなく、卒業生一人一人に卒業証書を手渡す形の式にすることに決め、それを提案して了承を得ました。そんな中で、来賓として出席していた府会議員が祝辞に代えて私の不起立を非難する発言をし、式場をざわめかしました。
 卒業式が誰のためのものか、何のために行われれるのかをまったく理解していないことを端的に表したものだと思います。
 彼はその直後にブログ上で私の行動を批判しましたが、これに対しては卒業生や保護者から彼を非難する書き込みが殺到しました。
 また、PTAの方からもその後、この府会議員に対して謝罪を求める文書が出されています。
 彼はさらに私のあら探しをするために私のことを監視していたのでしょう。
 ブログで私が卒業証書授与の際に隣の教員と談笑していたとも非難しています。
 私は壇上に上がる一人一人の生徒の3年間を思い起こし、彼らの成長した姿を本当にうれしい思いで眺めていました。
 そして、彼らの卒業後に思いを馳せながら、終始ブツブツとつぶやきながら微笑んでいたのです。
 卒業式とはそういうものではないのでしょうか?

 卒業式に必要なのものは、「日の丸」・「君が代」などではなく、主役である卒業生を祝う気持ちのある者たちが集える場であること、ただ、それだけです。
 卒業式になぜ「日の丸」・「君が代」を持ち込むのかという問いに、管理職や教育委員会は指導要領や条例の文言を示すばかりで、その意味を納得のいくように説明しようとはしません。
 卒業式に国歌や国旗がある国はまれです。卒業式に国旗・国歌があることはけっして当たり前ではないのです。
 グローバル化をいうなら、こういう象徴的なところからあらためてほしいものだと思います。
 国家的な行事でもない卒業式に、「日の丸」・「君が代」を持ち込もうとするのは、個々の考えを捨てて上からの指示に盲目的に従うように卒業生を鋳型にはめて送り出すこと、これが目的だとしか考えられません。
 府教委は卒業式になぜ「日の丸」・「君が代」が必要なのかを、生徒や保護者にわかる言葉で、きちんと説明すべきです。
 卒業式の私の不起立に対し、処分者である府教委は、私の行為を「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行で、その職の信用を著しく失墜するものである」として戒告処分としました。
 しかし、客観的にみても、府民の信用を失墜したのは府会議員の発言の方であり、私ではありません。
 府教委は私を処分する前に、府会議員の言動をとがめ謝罪を要求するべきでした。

 府教委は私の処分を総合的に判断したといい、その詳細を明らかにしませんが、卒業式の不起立の一点で処分をしているとしか考えられません。
 私たち教員は生徒との全人格的なふれあいの中で教育を行います。
 私と卒業生たちとの関係を府教委はどのように把握して、処分を決定したのか。
 あの日のたった一分弱の、しかも多くの生徒に理解を得ている行動だけで処分されたのでは、教員の日々の教育活動はまったく報われません。
 いわゆる「君が代条例」・「職員基本条例」では「卒業式や入学式では教師が国歌に対して起立斉唱せねばならない、そして、繰り返しその命令に従わない教員はやめさせる」ことを明示しています。
 国旗・国歌法の制定に際して、政府は何かを強制したり、義務づけることはないと明言していました。
 これらの条例は明らかにその説明に反するものです。

 また、最高裁は不起立の行為が個人の思想や世界観に基づくものであることを認めているのですから、私の行為は憲法の保障する「思想・良心の自由」あるいは「表現の自由」に属するものとして認められなければなりません。
 さらに、最高裁が不起立に対する処分を一律に行うことや不起立という行為のみで戒告以上の処分を科すことを否定していることにも、これらの条例は反しています。
 私の行為をルール違反だとする人はいるかもしれませんが、一部の派閥の議員によって強引に作られた無法な条例に基づく命令に従えない、そう考えての行動でした。
 条例では国旗掲揚や国歌斉唱は、「日本の国への所属感と国を愛する心を育て、国旗国歌を尊重する態度を培う」となっています。
 私はふるさとである大阪を、そして、日本を愛しています。しかし、卒業式という場で「君が代」を歌うという気持ちにはなれません。
 愛国心は国歌の斉唱を強制するようなことで決して育ちはしません。

 そのような教育は、戦前の日本のように無批判に国の方針を受け入れ、国を破滅に導くのに手を貸す国民を増やすだけであることを、私たちは学んだはずです。
 真の愛国者は、国が国民一人一人の自由をきちんと保障することによって育つのです。
 私が望むことは、私自身が育ってきたように、それぞれが自分の考えに正直に生きていくことのできる普通に自由で普通に平和な社会を取り戻すことです。
 世の中、とりわけ学校には、いろいろな人がいていろいろな考え方が存在することが、精神的な豊かさを生み出します。
 生徒に、様々な立場・考え方の違いを認め合うことの大切さを教えますが、教員に対してそのような寛容さが無い中では、個性を大切にする教育など絵に描いた餅でしかありません。
 生徒は教師のいうことを鵜呑みにするのではなく、教師の様々なはたらきかけを自分たちで吸収し、消化して成長していきます。
 学校は上からの命令に従順に従うロボットの生産工場になってはいけないのです。

 今、大阪の教育は数字を上げることにのみ汲々として萎縮しきっています。
 教育に活力を与え、大阪の伸びやかな教育を取り戻すため、府教委には、戦前の教育の反省にたって作れられた教育委員会制度の根幹を思い起こし、政治の教育への介入から学校を護る活動にたち戻ることを強く願います。
 この度の処分は、まじめに教育を考え真摯に生徒と向き合ってきた私の教育活動をないがしろにする不当なものです。
 人事委員会には、今回の処分の取り消しを強く求めます。

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 来春の卒・入学式を前に、【東京】と【大阪】で来年2月連帯した集会が開かれます。
【東京】
<集会名>「日の丸・君が代」強制反対!教育の国家支配と闘おう!
            2・2 総 決 起 集 会

<日 時>2014年2月2日(日)13時開会
<場 所>東京しごとセンター地下講堂(JR/地下鉄飯田橋駅下車8分) 地下鉄九段下駅5分)
<講 演>高橋哲さん(埼玉大准教授)「憲法『改正』と安倍政権の教育改革のゆくえ」
<基調提起>永井栄俊さん「都教委の教育政策の流れ」
<現場からの報告>
  ・分限処分・懲戒処分対象者の昇給制度・新給与表
  ・田無工業高校の自衛隊朝霞駐屯地宿泊防災訓練問題
  ・生活指導統一基準学力スタンダード
  ・卒・入学式に向けての現場からの報告その他
<集会決議><行動提起>
<主 催>都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネット
  連絡先:090-5415-9194 包囲ネットのブログhttp://houinet.blogspot.jp/
<資料代>500円
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【大阪】
<集会名>止めよう!子どもを戦場に送る国づくり
        許すな!「日の丸・君が代」強制
         教育の国家支配に反対する2・11大阪大集会
                          建国記念の日反対!

<日 時>2014年2月11日(火)13時開場 13時30分開会
                     集会後(16:45~)デモ
<場 所>大阪市立西区民センター
        (地下鉄千日前線「西長堀」駅⑦番出口100m)
        (地下鉄鶴見緑地線「西長堀」駅③番出口100m)
<講演>三宅晶子さん(千葉大教授)「思想・良心の自由と教育の現在」
    ~ドイツ、日本の思想弾圧と戦後「想起の文化」を検証しつつ~
<三宅さんからのメッセージ>
 7月、麻生副首相はナチスの「手口に学んだら」と発言しましたが、12月6日、安倍政権は、ナチスの「全権委任法」的国会状況の中で特定秘密保護法を強行採決し、ゲシュタポ(国家秘密警察)国家への一歩を大きく踏み出しました。2.11.大阪集会では、半年でナチス独裁国家に変えられたドイツと日本の歴史を検証しつつ、現在の危機と課題をみなさんとともに真剣に考えたいと思います。この日々を戦争前夜にさせないために。
<発言など>
  ●「君が代」被処分者からのアピール
  ●全国からの報告
  ●橋下「改革」等に反対する人々からの発言
<主 催>「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク
<資料代など> 700円 手話通訳アリ
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「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
  http://houinet.blogspot.jp/
「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
 http://homepage3.nifty.com/hinokimi/

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