パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

村瀬判決へ厳しい眼差し

2006年06月12日 | 板橋高校卒業式
比較的小さなメディアでは、板橋高校藤田裁判村瀬判決の問題点が、率直に語られています。正式の「判決文」はまだ公開されていませんが、法廷で聞いた判決の第一印象は、歯切れの悪い品格のない判決だったことが共通しています。

『週刊新社会』2006年6月6日号


  「君が代」不起立呼びかけ
 えっ!!罰金20万円
 板橋高校藤田裁判で不当判決


 04年3月の都立板橋高校の卒業式で、開式前に保護者に週刊誌のコピーを配布して「君が代」不起立を呼びかけた藤田勝久さんに東京地裁(村瀬均裁判長)は威力業務妨害罪で、5月30日、罰金20万円の有罪判決を出した。弁護団は、別項のような抗議声明を出し、直ちに東京高裁に控訴した。

 判決は03年10月23日の都教委の「日の丸・君が代」強制の通達に教育の危機を感じた藤田さんの行動に対して、都教委、一部都議、公安警察一体となっての制裁・言論封殺に加担するものとなった。
 弁護団は、当該行為は開式前であることや教頭の制止行為はなかったと同僚や保護者の証言で論証してきたが、判決は、教頭の証言を唯一採用し威力業務妨害の事実認定。行政の意図する厳粛な進行を妨げるものを排斥するという、教育的見地や言論の自由の根拠を省みることなく有罪とした。
 判決を受けた藤田さんは「求刑8ヵ月に対して罰金20万円は、懲役にできなかったという意味で、無罪にも匹敵するものだ。極めて政治的な判決だ」と語った。
 弁護団は、判決後の報告集会で、「裁判所は人権、言論の自由を守るという崇高な使命を放棄した」などと、憤りをもって報告した。

 藤田先生を応援する会は、卒業式翌日の『産経新聞』握造記事、都教委の強権をふりかざした学校への介入、都議会委員会での仕組まれた質疑、公安警察の学校への介入と起訴、権力の異常な対応を糾弾、ともに闘いつづける声明を発表した。


『YOU SEE』(2006年 6月6日 No.191)
<<不当判決>>
 都立板橋高校事件に有罪判決(東京地裁・村瀬裁判長)5月30日
表現の自由に対する重大な弾圧 --求刑8ヶ月に対し20万円罰金だが--


<これは政治的判断が優先された判決だ!>

 5月30日、東京地裁で板橋高校事件の判決があった。予想を裏切り、罰金20万円の有罪判決であった。この為、被告の藤田さんの側は即日控訴した。
 この事件は、2004年3月、都立板橋高校卒業式での卒業式で、式開始の前に、来賓で呼ばれていた同校元教員の藤田さんが、保護者の方々に「サンデー毎日」の記事のビラを配布し、都教委の異常な卒業式の状況を訴えたことに始まる。この時、式を5分遅らせ、管理職の制止を振り切った等の言いがかりをつけ、都教委が「威力業務妨害」で告発したものだ。
 そもそも5分遅れた程度で刑事告発されることが異常であるが、この5分の遅れも当日テレビカメラが入ったことが原因で、藤田さんが遅延の原因ではない。
<一方的な証拠採用の不当な判決だ>
 この日の判決は、被告側の証拠・証言を採用せず、検事側の証拠のみを採用すると言う一方的なものであった。判決はもっぱら「ICレコーダー」を証拠として採用し、それに依拠して論理を組み立てたものであった。ところが、この「ICレコーダー」と言うのは、当日都教委の指導主事が密かに会場に持ち込み録音したもので、録音の内容に明らかな捏造が認められた。録音の中に全く違う学校の式の状況らしきものが入り込んでいる可能性が高く、証拠としては信憑性に欠けることは裁判官も含めて明確となっていたはずだ。しかし、被告弁護団は、この「ICレコーダー」の捏造を最後まで立証するまでに至らなかった。このことが裁判長をして、不当判決の根拠を与える余地を残すこととなったのである。
 不当な根拠のもう一つのは、管理職の証言を採用したことであった。本紙186号で紹介したように、板橋高校校長は、公判の証人尋問で「検察で言ったことは真実ではない」と証言しているのである。この判決で採用した教頭証言も同じように信憑性のない証言と言わざるをえない。これをこの村瀬裁判長は採用したのであった。従って、この判決はきわめて政治的な判断の下で行なわれたと言うべきである。
<現場への影響の大きい判決内容>
 この日読み上げられた判決内容は更に不当であった。判決は「儀式的行事は厳粛な雰囲気が要請される」と式の厳粛性を容認している。その上で「校長は式を円滑に行う職責がある」として、「施策に反対する賛同をよびかけ、全員起立を求める方針に反することは許されない」としているのである。そして、その為には「言論の自由も、他人の業務を妨害することは許されない」と、表現の自由が制約される、とした。そして、「呼びかけは威力に該当するものであり、公益侵害は軽微ではない」と、式で呼びかけるなどの声を出す行為が威力業務妨害にあたるとしたのである。しかし、「妨害を受けた時間は短時間なので懲役刑は相当ではない」と罰金刑にしたのだという。
 また、被告側が主張した『公訴権濫用』は全面否定したのである。さらに、5分の遅延のうち、判決で認めたのはわずか2分であった。


『レイバーネット』→ リンク 

  嘘を事実と認定した村瀬均裁判長


 都立板橋高校元教員の藤田勝久さんが03年の卒業式開始前にビラをまき、君が代不起立を保護者に呼びかけたことに対して、昨日東京地裁は威力業務妨害罪として20万円の罰金刑(求刑懲役8月)を言い渡しました。このことについては、新聞・テレビの報道でご存じの方も多いかと思います。言論弾圧に司法が加担するなんて、日本はもうファシズムに突入していますね。これで共謀罪ができ、教育基本法や憲法が改悪されたら一体どうなるのでしょうか。

 わたしは裁判の報告会に出席しましたが、その中でこの裁判を担当した東京地裁刑事第9部の村瀬均裁判長についての話が出ました。藤田さんの弁護団の中にはこの村瀬裁判長から司法研修所時代に教えを受けた弁護士がいて「今回の威力業務妨害罪の認定は、かつての村瀬氏の教えからは考えられない」と話していました。裁判の中で威力業務妨害を証明するうえで一番問題になったのは、藤田さんが教頭の制止にもかかわらずビラを配布し続けたという教頭の証言が事実かどうかでした。これには弁護側が完全に反証していて「よもや裁判長がそれを認定するとは信じられなかった」「村瀬裁判長はかつて新宿ホームレス強制撤去事件で、威力業務妨害罪で訴えられた被告に無罪判決を下したことがあり、これから考えても村瀬氏は変わった」という指摘も弁護団からありました。

 これらの話を総合して考えると村瀬均裁判長はいまの裁判所の中ではそうとう誠実で信頼のおける裁判官だったことがわかります。それがなぜ変わってしまったのか。この事件のバックには、当日卒業式に来賓として参加していた土屋たかゆき都議が君が代斉唱時、卒業生に起立を命じたがほとんど誰も従わなかったという事実があります。それを根に持った土屋都議は生徒の不起立の責任を藤田さんに負わせようとして都議会でこれを問題にし、それを受けて都教委と学校が警視庁に被害届けを出したのです。

 村瀬裁判長は、明々白々の教頭の嘘を事実とし、有罪判決を出しました。東京都の圧力を恐れてか、あるいは右傾化する社会状況に抗しきれなくなってか、それは本人でなければわかりませんが、身の安泰のかわりに自分の良心と「言論の自由」を犠牲にしたことだけはたしかだと思います。

 ちなみに、この判決に関する報道をインターネットで検索してみましたが、判決内容の報道のみで背景をほとんど描いていない記事が多いなか、中国新聞と東京新聞の記事が出色でした。
 中国新聞
 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200605300140.html
 東京新聞
 http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060601/mng_____tokuho__000.shtml

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