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毎日新聞社説 君が代起立 条例までは不必要だ

2011年06月03日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ≪毎日新聞社説(2011年6月2日)≫
 ☆ 君が代起立 条例までは不必要だ


 大阪府の橋下徹知事が代表を務める首長政党「大阪維新の会」が、府内の公立学校の教職員に、行事の際に君が代を起立して斉唱するよう義務づける条例案を府議会に提出し、2日に審議が始まる。維新の会は単独で過半数を占めており、可決すれば全国の都道府県で初となる。
 橋下知事は教員の処分基準を定める条例案を9月府議会に提出する方針で、不起立を繰り返す教員には免職処分まで盛り込む考えを示している。「公務員が国歌斉唱時に起立するのは当たり前」「国旗・国歌を否定するなら公務員を辞めればよい」というのが知事の主張だ。
 4月の統一地方選挙で、維新の会は「大阪都構想」を掲げ、府議会で戦後初の単独過半数を得た。橋下知事の改革路線に有権者が期待した結果だろう。ただし、君が代条例は維新の会のマニフェストにはなく、選挙の争点にもなっていなかった
 府議会の公明、自民、民主「条例で定めるべき問題ではない」と反対している。教育界でも「重い処分で従わせるより、粘り強い指導を」という意見が強く、府教育長府議会で「条例による義務づけは必要ないと考えている」と答弁した。
 全国の教育現場ではかつて、君が代の斉唱や起立の強制に反対する風潮が強かったが、99年の国旗・国歌法制定以降、教員に「君が代斉唱時の起立」を義務づけ、従わない教員を処分する動きが進む。府教委も09年から処分に踏み切り、不起立を貫く教員は激減している。
 教職員の意識改革に力を入れる橋下知事は思想・良心ではなく、組織マネジメントの問題だ」として、公務員の服務規律強化という側面を強調する。もちろん、入学式や卒業式などの式典は厳粛、円滑に執り行われるべきなのは当然だ。
 しかし、君が代斉唱時の不起立を巡る30日の最高裁判決は、学校長による起立斉唱命令は「合憲」と判断しながらも「起立斉唱行為は、敬意表明の要素を含み、思想・良心の自由に対する間接的な制約となる面がある」と述べている。思想・良心にかかわる問題をはらむ以上、行政処分の域を踏み越えて、あえて条例まで定めて抑え込むのは行き過ぎではないか。
 維新の会は2日の委員会審議を経て3日の本会議で可決を目指すという。このような条例を短期間の審議だけで成立させようというのはあまりにも性急だ。
 最高裁判決の補足意見で千葉勝美裁判官は「国旗及び国歌が強制的にではなく、自発的な敬愛の対象となるような環境を整えることが何よりも重要だ」と指摘した。こうした意見を尊重し、望ましい教育現場のあり方を丁寧に論議してほしい。
 『毎日新聞』(2011年6月2日【社説】)
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20110602ddm005070172000c.html

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