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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

9・17河原井・根津08・09年事件裁判が行われました

2015年09月18日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 傍聴に駆けつけてくださった皆様

 お忙しい中、傍聴に駆けつけてくださり、ありがとうございます。
 今日の法廷では、2008年事件(河原井さん:八王子東養護学校、根津:南大沢学園養護学校ともに停職6月)について2本の準備書面を提出します。
 1本は、根津の「過去の処分歴」について、処分の対象とされた根津の行為の正当性の主張、もう1本は背中に「oblection hinomaru kimigayo」、胸に小さく「強制反対 日の丸・君が代」とロゴが入ったトレーナーを着用したことを累積加重処分の材料にしてはならないとの主張です。
 ● 2007年事件について。
 都側が「上告理由書」、「上告受理理由書」を提出しました。
 都側の主張を以下に紹介します。

 ● 07年事件都側上告理由書(憲法違反及び特定の手続き違反に関するもの)
 控訴審判決(以下、原判決と言う)の判断が誤りであるとして、都側は上告理由を2点あげた。
 1.原判決が、根津が校門前の生徒が通学する場などにおいて抗議活動を行い、朝日新聞紙上において職務命令違反を呼びかけたことを、処分加重の具体的事情とすることは思想及び良心の自由や表現の自由を保障する日本国憲法の精神に抵触する可能性があり、相当ではないとしたことに対し、
 原判決の判断は日本国憲法19条、21条の解釈・適用を誤るものだ。なぜならば、
 ・根津の思想等そのものが内容となっているわけではないし、停職出勤や紙上での呼びかけを処分の加重要素として考慮しても、根津の思想等そのものを理由に不利益に取り扱うものではない。その場合、思想・良心の侵害にはならない
 また、表現の自由であると判決が判断したことの誤りは、勤務評定書の提出を拒否した公立小学校の校長に対する懲戒免職処分につき、同校長がマスコミを通じて紛争を公然化した事情を重視して裁量権の濫用を否定した判例(1972年)を見れば明らか。
 ・根津の行為を処分加重事由として考慮することが、仮に思想・良心の自由及び表現の自由の制約になるとしても、それは間接的制約でしかない。思想・良心の自由の間接的制約は、その必要性・合理性がある限り許容されることは2012年1月最高裁判決が判示している。
 表現の自由についても、国民全体の共同の利益を擁護するため必要かつ合理的な制約は許容される。児童・生徒の成長は社会公共の利益に属する事項であり、そのために、「学校の起立や秩序を乱す可能性のある行為」を制約しても日本国憲法21条に違反するものではない
 2,本件処分につき、都教委に国家賠償法上の違法があり、過失もあるとする原判決の判断は、理由齟齬、理由不備の違法がある。なぜならば、
 ・懲戒権者には社会観念上著しく不合理でない限り、広範な裁量が認められる。
 ・処分当時、減給以上の懲戒処分を選択することが、懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるものとの見解が一般的であったというような事情はない。また、懲戒権者に課せられた職務上通常尽くすべき注意義務違反や過失があったとは評価できない。
 ・国旗国歌法に関する国会答弁において、「職務命令によることもできる」と答弁している。また、体罰事案においては事案の性質上、背景事情、態様、児童・生徒への影響等が千差万別であることからこれらの事情を考慮して処分の量定を行っているが、不起立行為については事案によって大きな差異はない。したがって、原判決が指摘する事由は都教委の国家賠償法上の違反及び過失を肯定する事由とはならない。
 ・原判決は「自らの思想や信条を捨てるか、教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られる」と言うが、免職の取り扱いを都教委はしていないから、原判決の判断基準はその判断の前提を欠く。
 ● 上告受理申立て理由書(法令違反や判例違反)
 上告理由書と同じ内容。根津が校長の指示に従わない独善的な教員であり、どれほど「学校の起立と秩序を害する」行為をし、処分を受け続けたかを主張した上で、次の5点を申し立てた。
 1.根津についての処分取り消しの誤りについて
 ①停職6月処分を裁量権の逸脱・濫用としたのは、最高裁判決に違背し、裁量権に関する法令の解釈・適用を誤るものだ。
 ②校門前での抗議活動及び紙上での職務命令違反の呼びかけ行為を、処分を加重する具体的な事情として考慮することは日本国憲法の精神に抵触するとの原判決は、日本国憲法の解釈・適用を誤るものだ。
 2.
 ③処分当時は減給以上の処分が裁量権の範囲を超えるとの見解はなかった。したがって、都教委の処分は国家賠償法上の違法・過失があるとの原判決は、国家賠償法上の違法の解釈・適用を誤り、判例に違背する。
 ④原判決は本件停職処分を行ったことに過失があると判断する。しかしながら、本件と同様、都立学校に勤務する教員に対し、都教委が停職1月処分を行ったことにつき東京高裁平成23年(行コ)第279号同4年10月31日判決は、処分を違法として取り消したが、損害賠償請求については都教委に違法・過失がないとして請求を棄却した。したがって、原判決は、判例に違背する。
 ⑤原判決は精神的損害として10万円を認めたが、これは国家賠償上の損害、公務員の勤務関係についての解釈・適用を誤るものだ。原判決が言う「児童生徒の信頼関係の維持に支障が生じた」とすれば、それは不起立行為をしたこどによってであって、停職処分によって授業をすることができなかったことによるものではない。
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