パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 2022年「国連・人権勧告実現を!」デモと集会の報告

2022年12月31日 | 人権
  《被処分者の会通信から》
 ☆ 国連・人権勧告実現を!12.8集会と9.25のデモ
事務局/池田幹子

 12月8日(木)に、第10回国連・人権勧告実現を!集会~「ワタシタチハニンゲンダ!」監督が語る日本の外国人差別の実態~、が参議院議員会館講堂で開催されました。昨年に引き続き、「外国人の人権を認めない日本」の問題をさらに掘り下げる内容でした。国会が異例の土曜日に閉会となる混迷の中でしたが、大変充実した集会で、被処分者の会も賛同団体となり参加しました。

【基調講演】
 映画「ワタシタチハニンゲンダ!」短縮上映のあと高賛侑(コウ・チャニュウ)監督の講演。
 高監督は日本の学校でひどい差別の中、高3の時初めて「朝鮮大学」があることを知った、と語り始めました。
 朝鮮人だと差別されるが、他国ではどうなのかと、中国、アメリカ、旧ソ連を訪ねて驚いた。日本のように差別していることは異常なのだと知った。
 朝鮮高校のみ無償化から排除する教育に対する差別は民族抹殺政策だ。それを司法も追認してしまった。
 多くの人に問題を知ってもらうために、初めて映画「アイたちの学校」制作に踏み切った。予想外の賞を貰ったり、各国で上映されたりした。(現在「プライム・ビデオ」で無料鑑賞が可能。)
 続けて長編第2作となる「ワタシタチハニンゲンダ!」を2年弱の大急ぎで制作。「社会の無関心」と「現場の撮影が難しい」という壁があったが、ウィシュマさん死亡事件を契機に世論が高揚した。
 入管の劣悪な処遇、暴言・暴行、それに対するハンスト、自殺未遂等を取材し、未公開映像も入手できた。
 1910年韓国併合以来の100年を超える差別の歴史から始まり、多くの問題を扱って大変だったが、5月に公開し、反響は広がっている。【1月29日(日)2時から連合会館で上映会。まだ見ていない方はお見逃しなく】

【特別報告】
①「入管法改悪を許さない」小堀百花さん(外国人労働者・難民と共に歩む会)
 学生・市民たちによる入管面会を繰り返して知った入管の現状、入管行政と在留資格の抜本的改善の必要性を報告。

②「クーデターのミャンマー人への人権侵害をめぐって」渡邊さゆりさん(マ
イノリティ宣教センター)
 日本政府は暴力で支配する国軍を支えないで欲しい。在日ミャンマー人の難民認定申請中の人は2944人。人道的支援、人権擁護が必要だと、世論の関心が薄れがちな中での指摘。

③「なぜここまで朝鮮学校の子どもたちを差別するのか」宋恵淑さん(在日本朝鮮人人権協会)
 朝鮮学校の中学生に対して、50代の男が「日本にミサイルを飛ばすような国が、高校無償化なんて言ってんじゃね一よ」と足を踏みつけ言った。日本政府が「拉致問題があったから、高校無償化から外す」と言ったのと同じ。政府自らがヘイトスピーチをするから、市民も同じことをする。国連では朝鮮問題で6度にわたる勧告。委員会に何度も足を運んでいるが、委員から「まだ差別が続いているのか!」と驚かれた。
 (以上、簡略な報告ですが、「国連人権勧告実現を!一すべての人に尊厳と人権を一」のHPで詳しい報告と当日の映像をご覧ください。)

 コロナの影響で集会後のデモが2年以上もできませんでしたが、今年は9月25日に新宿駅頭でミニ集会とデモがありました。10月にジュネーブで開かれる国連規約人権委員会に向けて熱いアピールが行われました。
 11月3日発表の国連規約人権委員会の総括所見は諸課題について日本政府の条約加盟国としての責任をこれまで以上に厳しく問うものでした。

『被処分者の会通信 第141号』(2022年12月20日)


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