「君が代」採用拒否撤回裁判、第１回最高裁宣伝・要請行動

　◆ 採用拒否撤回裁判、第１回最高裁宣伝・要請行動

　本日３０日、嘱託採用拒否撤回裁判・「君が代」強制解雇裁判、第１回最高裁宣伝・署名・要請行動が行われました。

　◆　採用拒否撤回裁判、最高裁第１小法廷裁判長に要請　「君が代」斉唱時に起立しなかったことを理由とする嘱託採用拒否の撤回を求めた裁判で、本年１月高裁は、一部勝訴の地裁判決を取り消し、都側主張をそのまま認める不当判決を出しました。上告し、今月初最高裁第１小法廷に係属が決定。
　２月に不当判決となった「解雇裁判」の原告団もすでに上告しており、一緒に要請に参加しました。
　◆　最高裁は大法廷で口頭弁論を開け！
　ピアノ裁判最高裁判決の壁を突破して「１０・２３通達」の違憲・違法確認を勝ち取るために、最高裁大法廷で口頭弁論を開かせ、実質的な審理を行うことが大切で、以下の要請文を手渡し要請しました。

　★ 学校に自由と人権を！★
　最高裁は司法の良心を示せ！

　東京都では、２００３年にいわゆる「１０・２３通達」が出され「君が代」の斉唱が強制されるようになって以来、今年４月の入学式までに延べ４３０人の教員が処分されるという異常な事態が続いています。
　国旗・国歌法の制定時に強制ではないとされたにもかかわらず、公立校ではそれが強制されているのです。
　「日の丸･君が代」が過去において果たした侵略的な役割は今なお歴史的課題としてあると考える教員、強制という形で最終的には子どもたちの主体性を奪い国家や社会に対して無批判な人間を作っていくことにつながると考える教員、付和雷同でなく自分の意見を侍ち主張することと他者の考えの多様性や違いを認め合うことの大切さを生徒に言ってきた教員、こうした教員の多くにとって自らの意思に反して起立し国歌を歌うことは自分自身を裏切り生徒をも裏切ることになるため、職務命令に従って起立し「君が代」を斉唱することはできず処分されてきました。
　そして処分された者で退職を迎えた者は、嘱託員の採用を拒否されました。

　明らかに憲法の保障する「思想・良心の自由」を否定し、教育基本法の規定する「教育への不当な介入の禁止」を逸脱した東京都教育委員会の施政を、東京地裁も高裁も不当なことに違憲・違法とは判断しませんでした。
　その理由として「起立斉唱は一般的には思想・良心と結びつくことではなく、儀礼的行為に過ぎない」とか「自由を認めていたら秩序が保てない」といったことをあげています。これは憲法の精神を踏みにじり、行政に追随するだけの姿勢を露骨に示すものです。
　かろうじて地裁は、不起立を理由に嘱託の採用を拒否したことは裁量権濫用として都教委の違法性を認めましたが、それすらも高裁は取り消してしまいました。
　このような違憲・違法を認めない司法の姿勢は、「ピアノ伴奏拒否裁判」における２００７年の最高裁第３小法廷の判決を引きずっているからです。
　私たちは、高裁の判決に納得できず上告しましたが、このままでは同様の判決になることは十分予想されます。したがって根本から違憲・違法性を審理するよう、本日私たちは次の３項目を最高裁に要請しました。
　１，公正かつ慎重な審理のため、大法廷で口頭弁論を行うこと
　２，日本国憲法・教育基本法・国際人権規約にもとづき、「日の丸・君が代」の強制を違憲・違法と判断すること
　３，「君が代」斉唱時に起立しなかったことだけを理由とする、再雇用職員の採用拒否が違法であると認めること
　現在、東京都の公立校においては、人事考課制度、職員会議での挙手禁止など様々な形で、上意下達のみを強調する管理体制が強化されています。
　そのため、子どもが人間として成長していく段階で関わる教員自身に必要な、人間性・主体性が認められない状況に被われています。
　国旗・国歌の強制もその一環として進められています。
　私たちは、このような東京都教育委員会の管理的・国家主義的教育をなんとしても打ち砕くために、最高裁での勝利判決を目指して闘っています。最後までご支援をよろしくお願いします。
　２０１０年・６月３０日

「日の丸・君が代」強制反対　嘱託採用拒否撤回を求める会

　『今 言論･表現の自由があぶない！』（2010/6/30）
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/15463960.html