《河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 都庁前通信》
● 自民都議、今度は足立区立中学の性教育に圧力
ー教育への政治介入が目に余る
3月5日、足立区立中学校の「総合的な学習の時間」での、3年生を対象にした性教育の授業。事前アンケートで「高校生になったらセックスしてもよい」と答えた生徒が44%いたことをふまえ、高校生になると中絶件数が急増する現実や、コンドームは性感染症を防ぐには有効だが避妊率が9割を切ることなどを伝えた。その上で「思いがけない妊娠をしないためには、産み育てられる状況になるまで性交を避けること」と話しまた、正しい避妊の知識についても伝えた。
この授業について、16日の都議会文教委員会で、自民党の古賀俊昭都議が「問題がある。都教委はどう考えるか」と質問。
都教委は「徹底した調査をする。当該校の管理職及び全教職員に指導を進める。全都の中学校長会にも指導をする」と答弁し、調査に乗り出した。(3月24日付朝日新聞及び一般社団法人“人間と性”教育研究協議会「声明」より)。
● 高校生の現実は
全国の公立高校で2015~2016年度の2年間に、「学校が妊娠を把握した生徒数は2098人、このうち、妊娠を理由に自主退学をした生徒数が642人、学校側からの退学の勧めに応じ退学した生徒が32人。32人のうちの18人は『引き続きの通学、休学または転学』を希望していた」(文科省の初調査)(3月31日付東京新聞より)。
● 都教委は現実から学ぶべき
調査結果だとする都教委の見解は、「『性交』『避妊』『人工妊娠中絶』は中学校保健体育の学習指導要領には記されていない。授業は、中学生の発達段階に応じておらず、不適切」。
足立区教委の担当者は、「不適切だとは思っていない」「10代の望まぬ妊娠や出産を防ぎ、貧困の連鎖を断ち切るためにも、授業は地域の実態に即して行われ、生徒と保護者のニーズに合ったものだ」と言い、授業を実施した中学校の校長も「授業は自信を持ってやっている。自分やパートナーを大切にすることを伝える内容で、避妊方法に触れるからといって、性交をしてもいいとは教えていない」と言った(同朝日新聞より)。
事前アンケートに見られる中学3年生の意識や高校生の現実と地域の実態を見て、日々子どもたちと接している教員たちの意見や考えを都教委は尊重し、そこから自分たちが学ぶべきだ。
また、都教委は子どもたちの知識欲や考える力を理解しようと努力すべきだ。からだや性を恥ずかしいものとせずオープンに学ぶことで、子どもたちは性情報に惑わされない思考力・判断力を持つ。
互いの人格・人権を尊重することを学び、やがては、性犯罪や性差別の(少)ない社会に変わっていくことは、北欧等の事例を見れば明白だ。
● 教育への政治介入
古賀都議は2003年、七生養護学校の「こころとからだの学習」に対し、都教委に「毅然とした対処」を要求した3都議の一人。都教委は「授業内容が不適切である」として教材145点を没収すると共に、当時の校長を降格並びに停職1ヶ月の懲戒処分に、教員ら31名を厳重注意処分に処した。
この裁判で、09年東京地裁は「都議らの行為は政治的な信条に基づき、学校の性教育に介入・干渉するもので、教育の自主性をゆがめる危険がある」と判決を言い渡し、13年には都と3都議に賠償を命じる最高裁判決が確定した。
にもかかわらず、今回の件。七生養護学校への介入に対し、同都議及び都教委が何の反省もしなかったことを示す。
第2次安倍政権のもとで、教育に対する政府、政治家、教育委員会による政治的介入が頻繁に起きている。
直近では、名古屋市の中学校が前文部次官・前川氏を講師として招いた授業について、自民党議員が文科省に授業内容を照会し、文科省が名古屋市教育委に授業内容の報告・録音データ提供を執拗に求めていた。
公権力による教育への政治介入が国民の思想統制につながり、戦前日本の軍国主義の基盤になったという深刻な反省が忘れ去られようとしている。
安倍政権下での教育への公権力の介入は、憲法を改正し戦争ができる国へとこの国を変えるという安倍首相の個人的執念と無関係ではない。都教委が行っている、入学式・卒業式での日の丸・君が代の強制に反対する教職員の処罰はこうした危険な流れの始まりだったと言える。
『根津さん河原井さんらの「君が代」解雇をさせない会』(2018/04/12)
http://kaikosasenaikai.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/index.html#entry-89177845
● 自民都議、今度は足立区立中学の性教育に圧力
ー教育への政治介入が目に余る
3月5日、足立区立中学校の「総合的な学習の時間」での、3年生を対象にした性教育の授業。事前アンケートで「高校生になったらセックスしてもよい」と答えた生徒が44%いたことをふまえ、高校生になると中絶件数が急増する現実や、コンドームは性感染症を防ぐには有効だが避妊率が9割を切ることなどを伝えた。その上で「思いがけない妊娠をしないためには、産み育てられる状況になるまで性交を避けること」と話しまた、正しい避妊の知識についても伝えた。
この授業について、16日の都議会文教委員会で、自民党の古賀俊昭都議が「問題がある。都教委はどう考えるか」と質問。
都教委は「徹底した調査をする。当該校の管理職及び全教職員に指導を進める。全都の中学校長会にも指導をする」と答弁し、調査に乗り出した。(3月24日付朝日新聞及び一般社団法人“人間と性”教育研究協議会「声明」より)。
● 高校生の現実は
全国の公立高校で2015~2016年度の2年間に、「学校が妊娠を把握した生徒数は2098人、このうち、妊娠を理由に自主退学をした生徒数が642人、学校側からの退学の勧めに応じ退学した生徒が32人。32人のうちの18人は『引き続きの通学、休学または転学』を希望していた」(文科省の初調査)(3月31日付東京新聞より)。
● 都教委は現実から学ぶべき
調査結果だとする都教委の見解は、「『性交』『避妊』『人工妊娠中絶』は中学校保健体育の学習指導要領には記されていない。授業は、中学生の発達段階に応じておらず、不適切」。
足立区教委の担当者は、「不適切だとは思っていない」「10代の望まぬ妊娠や出産を防ぎ、貧困の連鎖を断ち切るためにも、授業は地域の実態に即して行われ、生徒と保護者のニーズに合ったものだ」と言い、授業を実施した中学校の校長も「授業は自信を持ってやっている。自分やパートナーを大切にすることを伝える内容で、避妊方法に触れるからといって、性交をしてもいいとは教えていない」と言った(同朝日新聞より)。
事前アンケートに見られる中学3年生の意識や高校生の現実と地域の実態を見て、日々子どもたちと接している教員たちの意見や考えを都教委は尊重し、そこから自分たちが学ぶべきだ。
また、都教委は子どもたちの知識欲や考える力を理解しようと努力すべきだ。からだや性を恥ずかしいものとせずオープンに学ぶことで、子どもたちは性情報に惑わされない思考力・判断力を持つ。
互いの人格・人権を尊重することを学び、やがては、性犯罪や性差別の(少)ない社会に変わっていくことは、北欧等の事例を見れば明白だ。
● 教育への政治介入
古賀都議は2003年、七生養護学校の「こころとからだの学習」に対し、都教委に「毅然とした対処」を要求した3都議の一人。都教委は「授業内容が不適切である」として教材145点を没収すると共に、当時の校長を降格並びに停職1ヶ月の懲戒処分に、教員ら31名を厳重注意処分に処した。
この裁判で、09年東京地裁は「都議らの行為は政治的な信条に基づき、学校の性教育に介入・干渉するもので、教育の自主性をゆがめる危険がある」と判決を言い渡し、13年には都と3都議に賠償を命じる最高裁判決が確定した。
にもかかわらず、今回の件。七生養護学校への介入に対し、同都議及び都教委が何の反省もしなかったことを示す。
第2次安倍政権のもとで、教育に対する政府、政治家、教育委員会による政治的介入が頻繁に起きている。
直近では、名古屋市の中学校が前文部次官・前川氏を講師として招いた授業について、自民党議員が文科省に授業内容を照会し、文科省が名古屋市教育委に授業内容の報告・録音データ提供を執拗に求めていた。
公権力による教育への政治介入が国民の思想統制につながり、戦前日本の軍国主義の基盤になったという深刻な反省が忘れ去られようとしている。
安倍政権下での教育への公権力の介入は、憲法を改正し戦争ができる国へとこの国を変えるという安倍首相の個人的執念と無関係ではない。都教委が行っている、入学式・卒業式での日の丸・君が代の強制に反対する教職員の処罰はこうした危険な流れの始まりだったと言える。
『根津さん河原井さんらの「君が代」解雇をさせない会』(2018/04/12)
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