高等裁判所前
★ 川崎・音声データ不開示裁判、2審(高裁)勝利
川崎市教委の控訴を完全棄却 2024・4・24(報告:近藤)
★ 出発は1999年成立の《国旗・国歌法》
《国旗・国歌法》の成立によって、「一部の自治体」=東京都では教育現場で「強制の動き」が表れ川崎市教委もこれに追随し、この教科書不採択時の会議の音声データさえ非公開とした。このように根本的には《日章旗・君が代》の強制が背景にある。
本日の高裁判決によって、今後、市側が上告するかどうかは別として、開示請求が確定すれば、《日章旗・君が代》強制の議論がより明らかになるであろう。
★ 教科書選定に関わる音声データの不開示決定の取消しを
川崎市教育委員会に求めている裁判の経過
★ 開示請求(2017年~2020年)
①2名の市民が「2017年教科書採択を決めた教育委員会議(公開)」と「2014年~2016年の教科用図書選定審議会(非公開)」の音声データの開示を請求。
②教育委員会は「委員の自由かっ達な議論の妨げになる」として開示を拒否。
③「納得できない」として市民は審査委員会での審査を請求。
④「情報公開・個人情報保護審査会」は「開示するべき」(教育委員会議)、「一部は開示するべき」(教科用図書選定審議会)と答申。
⑤教育委員会は審議会の答申を無視。非公開で審議して拒否裁決。
★ 横浜地裁(2020年~2023年)
①市民は教育委員会を相手に横浜地裁に提訴。(2020年9月)
②横浜地裁は14回の裁判を経て、市民勝利の判決を下す。(2023年10月4日)
「音声データの不開示処分は川崎市情報公開条例に違反、不開示処分を取消す」として、市教委の主張をことごとく退け、市民側の完全勝利判決。
★ 東京高裁(2023年~2024年)
①市教委は判決に従わず、東京高裁に控訴。(2023年10月)
②控訴理由書の提出と同時に市教委は証人尋問を行うため2名の証人を採用するよう申し出る。証人尋問の目的は「音声データが開示されると、委員が悪用される不安を感じるおそれがあり、忌揮のない意見を差し控えるおそれがある」ことを立証すると説明。控訴理由書での不開示処分を正しいとする主張は、ほぼ横浜地裁で述べていたものと同じような内容。(2023年12月)
③弁護団は控訴答弁書を提出して市教委の主張に反論。(2024年2月)
④証人尋問を行うために必要な書面(尋問事項・証人尋問を受ける本人の陳述書)の提出がないまま時間が経過。
⑤市教委は準備書面(1)を提出。この中で「控訴人においては、証人ら作成の陳述書をできる限り早急に提出する予定であるので、各証人を採用の上で取り調べられたい」と記載。(3月1日)
⑥弁護団は反論書を提出。(3月4日)
⑦東京高裁は市教委の申し出た証人を採用せず、1回審理を行なっただけで結審。判決言渡しを4月24日と指定。市側代理人は「我々としては急ぎ書面を提出する(要旨)」と発言。(3月6日)
⑧市教委、準備書面(2)を提出。AI技術の発達で音声データが悪用されるおそれがあり、意図的に編集及び歪曲された情報がSNS等を通じて流布される社会状況にある等と主張。尋問事項を提示したが、証人申請者本人の陳述書は未提出のまま。(3月29日)
⑨弁護団は反論書を提出。(4月5日)
⑩判決言渡し。(4月24日)
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