5教総広第598号の2
令和6年4月 日
東京・教育の自由裁判をすすめる会 様
東京都教育庁総務部広報統計課長
坂 井 良 充
◎「外務省の国際人権に関する見解を受け入れ、東京都の『君が代不起立処分』の事案を取り上げた国連自由権規約委員会の勧告を尊重するよう、重ねて求めます」(※リンク)に対する回答について
貴会から令和6年3月26日付けで提出された標記要請等について、別紙のとおり回答します。
【お問合せ先】
東京都教育庁総務部広報統計課広聴担当
電話03-5320-6733(直通)
別 紙
1 項番1について
1. 前回要請項目1「東京都教育委員会の条約遵守義務」について、貴委員会の回答に対する外務省の見解は次の通りです。対応者は、井上陽子外務省総合外交政策局人権人道課課長補佐です。
(1)地方公共団体の条約遵守義務について
外務省のポジションは、前任者の回答から一切変わっておりません。東京都教育委員会には規約締約国の地方公共団体として条約遵守義務があります。
「自由権規約が定める義務については、東京都教育委員会を含め、日本国内において、遵守される必要があります。」(2021年12月9日 宮川光國総合外交政策局人権人道課主査)<下線は引用者>
(2)今年の当会の要請項目1に対する都教委の以下の回答について、外務省の見解は、
「都教育委員会は、締約国の地方公共団体として、国際人権規約について答える立場にありません。」(2024年2月16日 総務部教育政策課)
上記の都教委の回答は、外務省の立場とは異なるものです。
(3)都教委に対して適切な指導をお願いしたところ、
外務省から都教委に直接何かを伝えるルートはありませんが、貴団体からの要請に対する回答として、外務省のポジションは今も変わっていないことを、私の名前で伝えていただいて構いません。
ということで、人権条約に関する専門職である外務省人権人道課の見解を、以上の通り3点お伝えします。貴委員会に条約遵守義務があることは国際社会において公知の事実です。国際人権に関する貴委員会の誤った理解を速やかに改めて、国際規範を遵守して下さい。
(回答)
都教育委員会は、締約国の地方公共団体として、国際人権規約について答える立場にありません。(所管 総務部教育政策課)
2 項番2について
2. 前回要請項目2「関係法令等に基づき人権教育を推進しています」の「関係法令」に「自由権規約は含まれますか」、に対する回答は「答える立場にありません」でした。
この立場とは、総務部教育政策課の立場ですか、東京都教育委員会の立場ですか。
また、貴委員会が「推進」している「人権教育」が基づいているという「関係法令」とは、どのような法令か例示して下さい。それらに基づくことを決めた部署はどこですか教えて下さい。
(回答)
都教育委員会は、締約国の地方公共団体として、国際人権規約について答える立場にありません。なお、都教育委員会は関係法令に基づき人権教育を推進しています。(所管 総務部教育政策課)
3 項番3について
3. 前回要請項目3に対する回答は、「そのすべての内容を把握することは困難です」でした。
しかし要請項目3は、全都の学校のすべての「人権教育」の実施状況を聞いたのではありません。質問の趣旨は、貴庁内で2023年度行われた人権教育ないし研修は、どの部局が、何のテーマで、誰を対象に、何回行ったか、日時と共に示していただきたいということでした。
改めて、把握している範囲で、具体的にお答え下さい。
(回答)
「人権教育」は学校教育、社会教育の様々な場面で行われており、教育庁として 2023 年度に行った「人権教育」について、その全ての内容を把握することは困難です。(所管 総務部教育政策課)
4 項番4について
4. 前回要請項目5に対して、「指摘のあった『勧告』は、都教育委員会に宛てられたものではないので、これについて見解を述べる立場にありません」という回答でした。
ではお尋ねしますが、『勧告』パラグラフ38に記載されている事例すなわち「学校の式典で国旗に向かって起立し、国歌を歌うということに従わないという教師の消極的で暴力的でない行為の結果、一部の者が最長6か月の職務停止の処分を受けた」という事例は、実際に東京都で発生した事例であることをお認めになりますか。ちなみに「君が代不起立」で6ヶ月停職処分は、全国で東京都しかありません。
自らの行政行為が国際社会で取り上げられ勧告を受けたことを自らの問題としてしっかり受けとめ、締約国の一地方行政機関として責任ある対応をとることを求めます。
(回答)
指摘のあった「勧告」は、東京都教育委員会に宛てられたものではないため、これについて見解を述べる立場にはありません。(所管 指導部指導企画課、人事部職員課)
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