たんぽぽ舎です。【TMM:No3801】
◆ 教皇フランシスコの平和と核廃絶のメッセージに連帯
11月22日ニューヨークの日本領事館に公開書簡を提出
ローマ教皇の長崎と広島訪問に合わせて、11月22日に添付の公開書簡をニューヨーク市の日本総領事館の山本剛資領事(科学技術担当官)、野崎隆領事(Security Division)、村上ひとみ副領事に手渡しましたのでご報告します。
公開書簡は東京の外務省へ送られるとのことです。
公開書簡を拡散していただけますと嬉しいです。
領事館との会談に出席したのは私の他に、カトリック・ワーカーでキングス・ベイ・プラウシャー7のメンバーのマーサ・ヘネシー氏(ドロシー・デイ氏の孫)とカルメン・トロッタ氏です。
彼らは第二次世界大戦でアメリカが日本にしたことを謝罪し、核兵器の非人道性は子どもたちにとって脅威でしかないと訴え、日本の憲法9条を維持することの重要性を強調しました。
また、被爆者の高齢化が進み、平均年齢が82歳を越えているので、一刻も早くアメリカの核の傘から脱却し、核兵器禁止条約に署名・批准してほしいと私達は強く訴えました。
ちなみに、マーサ・ヘネシー氏の祖母にあたる故ドロシー・デイ氏は、カトリック労働者運動の共同創始者で、原爆投下を決定したトルーマン大統領と投下を賛美した米報道機関を1945年9月に強く批判し、公に原爆投下を非難した最初のアメリカ人の一人です。
以下、【公開書簡】
私たちは、今日、ローマ教皇フランシスコ聖下の意義ある訪日への興奮と連帯感の中にある日本の皆様の前にやって参りました。
教皇フランシスコは真っ先に核兵器禁止条約を推進し、全ての国々に対し署名するよう働きかけました。そして、バチカンは同条約の署名と批准を一番最初に行いました。
世界にとって非常に危険なのは、核保有国が、日本をはじめとする同盟国の支援の下で、核兵器禁止条約をボイコットしていることです。
核保有国は市民との議論や承諾を得ることなく、新たな核の軍備拡張競争を違法に開始しました。
私たちにとって重要な核軍縮に関するその他の国際条約や合意も崩壊しつつあります。50年以上も前に核保有国の核の放棄を「早期に」開始することに合意した核兵器不拡散条約(NPT)の2020年再検討会議では、残念なことに核保有国の協力は得られそうもありません。
1945年8月以来、広島と長崎の原爆投下のおかげで日本との戦争に勝てたのだと、米国の一般庶民は教えられてきました。
権力者たちは、核兵器の脅威によって安全保障が実現していると断言し続けています。この嘘が、米国及び世界の核拡散を支えています。
その結果、現代の核兵器は、1945年の原爆とは比較にならない桁違いの破壊力を持つに至りました。
この生命の緊急事態を、命がけで非暴力の市民的不服従を通して訴えているのが、キングス・ベイ・プラウシャー・セブンのメンバーです。
彼らは、全世界を何度も破壊する威力があり、非人道的である核兵器が、米海軍潜水艦基地内に隠されていることに一般市民の関心を向けさせました。
勇敢な行動と引き換えに、このカトリック・ワーカーたちは長期の懲役を受けることになりました。
ドロシー・デイ氏は1933年にカトリック労働者運動やその機関紙、貧しい人や社会的に疎外された無力な人々への住居提供活動の共同創始者です。
また、原爆投下を公に非難した最初のアメリカ人の一人でもあり、生涯にわたって非難の立場を貫きました。
教皇フランシスコは米国連邦議会での演説の中で、デイ氏について4回も言及しています。「ドロシー・デイ氏のたゆまない行動が示すように、正義と抑圧される者のための努力を国が怠らなければ、その国は素晴らしい国とみなされるだろう。」
私たちはまだ希望を捨ててはいません。米国内のいくつかの市や州に続いて、ニューヨーク市議会でも、核兵器禁止条約に署名するよう連邦政府に働きかける法案と、核兵器産業への融資からの脱却を求める法案が多数決で可決する予定です。
ニューヨーク市の最も古い銀行の一つであるアマルガメイテッド銀行では、核兵器関連企業への融資や取引を全面的に停止しました。
教皇フランシスコは2017年の会議において、核兵器は「誤った安心感を生み出すだけである」と強調しました。彼は「人類の平和的共存」は「連帯の倫理によって動機付けられなければならない」とし、被爆者の体験と証言を「次世代のための警告として何よりも重視する」と発言しています。
今回の長崎と広島訪問でも、教皇は私達に共に力をあわせるよう訴えています。
核兵器禁止条約は間もなく発効するでしょう。同じ志を持つ友人として、皆様にお願いがあります。
歴史的な教皇の訪日期間中、彼の提言に耳を傾けてください。そして次世代にとって明るい未来が実現するよう、共に行動しましょう。
長崎で被爆した永井隆博士が1946年の『長崎の鐘』に込めた願いが実現するために、私たちは全力を尽くすことをここに約束いたします。
「愛の掟に従って相互に協商せよ。…ねがわくば、この浦上(長崎)をして世界最後の原子野たらしめたまえ。」
誠意と感謝を込めて。 2019年11月22日
[賛同団体]
カトリック・ワーカー・メリーハウス ピース・アクションNY州ブルックリン・フォー・ピース ユース・アーツNYキングス・ベイ・プラウシャー・セブングラニー・ピース・ブリゲード ヒバクシャ・ストーリーズ 核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト パックス・クリスティ・メトロNY リボン・インターナショナル シャットダウン・インディアン・ポイント・ナウ ベテランズ・フォー・ピース NY市034支部
連絡先:「核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト」
august5mp@gmail.com
訳:井上まり(核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト)
※「核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト」は、核問題に憂慮する市民や芸術家、活動家や弁護士によって2012年3月にニューヨーク市マンハッタン区で結成され、核兵器廃絶と脱原発に向けて意識を高めるための社会的な働きかけや、芸術や教育などの平和的な活動に携わっている。 https://mp-nuclear-free.com/
◆ 教皇フランシスコの平和と核廃絶のメッセージに連帯
11月22日ニューヨークの日本領事館に公開書簡を提出
井上まり(核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト)
ローマ教皇の長崎と広島訪問に合わせて、11月22日に添付の公開書簡をニューヨーク市の日本総領事館の山本剛資領事(科学技術担当官)、野崎隆領事(Security Division)、村上ひとみ副領事に手渡しましたのでご報告します。
公開書簡は東京の外務省へ送られるとのことです。
公開書簡を拡散していただけますと嬉しいです。
領事館との会談に出席したのは私の他に、カトリック・ワーカーでキングス・ベイ・プラウシャー7のメンバーのマーサ・ヘネシー氏(ドロシー・デイ氏の孫)とカルメン・トロッタ氏です。
彼らは第二次世界大戦でアメリカが日本にしたことを謝罪し、核兵器の非人道性は子どもたちにとって脅威でしかないと訴え、日本の憲法9条を維持することの重要性を強調しました。
また、被爆者の高齢化が進み、平均年齢が82歳を越えているので、一刻も早くアメリカの核の傘から脱却し、核兵器禁止条約に署名・批准してほしいと私達は強く訴えました。
ちなみに、マーサ・ヘネシー氏の祖母にあたる故ドロシー・デイ氏は、カトリック労働者運動の共同創始者で、原爆投下を決定したトルーマン大統領と投下を賛美した米報道機関を1945年9月に強く批判し、公に原爆投下を非難した最初のアメリカ人の一人です。
以下、【公開書簡】
◎ 米国のカトリック団体ならびに平和団体から日本の方々への公開書簡
―教皇フランシスコの平和と核廃絶のメッセージに連帯して―
―教皇フランシスコの平和と核廃絶のメッセージに連帯して―
私たちは、今日、ローマ教皇フランシスコ聖下の意義ある訪日への興奮と連帯感の中にある日本の皆様の前にやって参りました。
教皇フランシスコは真っ先に核兵器禁止条約を推進し、全ての国々に対し署名するよう働きかけました。そして、バチカンは同条約の署名と批准を一番最初に行いました。
世界にとって非常に危険なのは、核保有国が、日本をはじめとする同盟国の支援の下で、核兵器禁止条約をボイコットしていることです。
核保有国は市民との議論や承諾を得ることなく、新たな核の軍備拡張競争を違法に開始しました。
私たちにとって重要な核軍縮に関するその他の国際条約や合意も崩壊しつつあります。50年以上も前に核保有国の核の放棄を「早期に」開始することに合意した核兵器不拡散条約(NPT)の2020年再検討会議では、残念なことに核保有国の協力は得られそうもありません。
1945年8月以来、広島と長崎の原爆投下のおかげで日本との戦争に勝てたのだと、米国の一般庶民は教えられてきました。
権力者たちは、核兵器の脅威によって安全保障が実現していると断言し続けています。この嘘が、米国及び世界の核拡散を支えています。
その結果、現代の核兵器は、1945年の原爆とは比較にならない桁違いの破壊力を持つに至りました。
この生命の緊急事態を、命がけで非暴力の市民的不服従を通して訴えているのが、キングス・ベイ・プラウシャー・セブンのメンバーです。
彼らは、全世界を何度も破壊する威力があり、非人道的である核兵器が、米海軍潜水艦基地内に隠されていることに一般市民の関心を向けさせました。
勇敢な行動と引き換えに、このカトリック・ワーカーたちは長期の懲役を受けることになりました。
ドロシー・デイ氏は1933年にカトリック労働者運動やその機関紙、貧しい人や社会的に疎外された無力な人々への住居提供活動の共同創始者です。
また、原爆投下を公に非難した最初のアメリカ人の一人でもあり、生涯にわたって非難の立場を貫きました。
教皇フランシスコは米国連邦議会での演説の中で、デイ氏について4回も言及しています。「ドロシー・デイ氏のたゆまない行動が示すように、正義と抑圧される者のための努力を国が怠らなければ、その国は素晴らしい国とみなされるだろう。」
私たちはまだ希望を捨ててはいません。米国内のいくつかの市や州に続いて、ニューヨーク市議会でも、核兵器禁止条約に署名するよう連邦政府に働きかける法案と、核兵器産業への融資からの脱却を求める法案が多数決で可決する予定です。
ニューヨーク市の最も古い銀行の一つであるアマルガメイテッド銀行では、核兵器関連企業への融資や取引を全面的に停止しました。
教皇フランシスコは2017年の会議において、核兵器は「誤った安心感を生み出すだけである」と強調しました。彼は「人類の平和的共存」は「連帯の倫理によって動機付けられなければならない」とし、被爆者の体験と証言を「次世代のための警告として何よりも重視する」と発言しています。
今回の長崎と広島訪問でも、教皇は私達に共に力をあわせるよう訴えています。
核兵器禁止条約は間もなく発効するでしょう。同じ志を持つ友人として、皆様にお願いがあります。
歴史的な教皇の訪日期間中、彼の提言に耳を傾けてください。そして次世代にとって明るい未来が実現するよう、共に行動しましょう。
長崎で被爆した永井隆博士が1946年の『長崎の鐘』に込めた願いが実現するために、私たちは全力を尽くすことをここに約束いたします。
「愛の掟に従って相互に協商せよ。…ねがわくば、この浦上(長崎)をして世界最後の原子野たらしめたまえ。」
誠意と感謝を込めて。 2019年11月22日
[賛同団体]
カトリック・ワーカー・メリーハウス ピース・アクションNY州ブルックリン・フォー・ピース ユース・アーツNYキングス・ベイ・プラウシャー・セブングラニー・ピース・ブリゲード ヒバクシャ・ストーリーズ 核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト パックス・クリスティ・メトロNY リボン・インターナショナル シャットダウン・インディアン・ポイント・ナウ ベテランズ・フォー・ピース NY市034支部
連絡先:「核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト」
august5mp@gmail.com
訳:井上まり(核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト)
※「核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト」は、核問題に憂慮する市民や芸術家、活動家や弁護士によって2012年3月にニューヨーク市マンハッタン区で結成され、核兵器廃絶と脱原発に向けて意識を高めるための社会的な働きかけや、芸術や教育などの平和的な活動に携わっている。 https://mp-nuclear-free.com/
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