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第5回全国学習・交流集会 参加団体資料から(6)

2015年08月18日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◎ 千葉(高校)の「日の丸・君が代」をめぐる状況
石井 泉(千葉高教組「日の丸・君が代」対策委員会)

 今年3月、ある千葉県立高校で卒業式数日前に、校長に呼ばれた教職員がいました。校長は、彼に「卒業式で『起立斉唱』して下さい」と。実は、昨年の卒業式で彼を含む3名が国歌斉唱時に不起立し、後日、保護者を名乗る抗議電話から校長が事実確認する騒ぎがありました。結局、管理職は確認できず現認してないということで事情聴取や処分はありませんでした。しかし、今年は事前に「職務命令」めいた指示を校長から伝えられたのでした。彼は、分会や高教組本部・「日の丸・君が代」対策委員会と相談し、今年も不起立しました。式後、校長はそのことについて何も聞いてこず、現在に至っています。
 このように、千葉では少数の不起立者(県立市立147高校中20名くらい?)が存在し続けます。しかし、新たな通知を出すなどの東京や大阪・神奈川のような強い処分攻撃は起きていません。最後の処分は2003年(文書訓告)です。
 業績評価制度の賃金反映もいつ強行されてもおかしくない状況ですが、未だ実施されていません。高教組は業績評価反対職場決議の県教委提出行動を毎年実施し、組合員による「目標申告書」の未提出や「苦情申出」行動も続けています。
 ただ、2013年から、森田健作知事の指示で、高校の「道徳」授業(1年生LHRでの10時間授業を含み総合や行事などで合計35時間)が導入されました。県教委の『道徳教育推進のための基本的指針』では「郷土と国を愛する心」が強調され、読み物教材が配布されました。「日の丸・君が代」に関する具体的内容はありませんが、警戒が必要です。また、2014年から高校への主幹教諭の配置も強行され、教職員への管理攻撃は強まっています。
 昨年以降、東京・神奈川の後を追うような高校日本史の実教教科書攻撃が大きな問題となっています。2013年県教委の『11・20通知』(実教日本史教科書の国旗国歌法のページをあげ丁寧に指導するよう強調)で実教を選定させない圧力が一気に現場に強まりました。
 2014年の選定作業では教科会の実教選定結果を覆す校長も少なくありませんでした。それでも選定した12校に対し、県教委は『8・4事務連絡』(選定理由の追加提出や①国旗国歌法の注釈②太平洋戦争犠牲者数③南京大虐殺犠牲者数の3点についての指導案提出・ヒアリング実施)で嫌がらせ攻撃を強めました。結局、前年度に45校使用していた実教教科書が2015年度には10校に激減しました
 しかし、高教組が該当校対策委員会を開催し、県教委と交渉・折衝(2014,11/25、2015,3/26、5/25)を繰り返し、「教科書と教育を考える千葉県民の会」設立や記者会見などを行い抗議行動を強めたからこそ10校の採択を勝ち取ったと言えます。
 今年も県教委は、4/24付けで10校に国旗国歌記述等の取り扱い時期を示した年間指導計画提出、当該授業の管理職による授業参観の報告書提出を求めてきました。今年も各学校の選定が終了しましたが、実教選定校はもちろんあります。今後も不当な排除攻撃を許さない闘いが続きます。
 千葉高教組は、今も定期大会スローガンに「『日の丸・君が代』の強制を許さない」があり、「日の丸・君が代」対策委員会も活動中です。対策委員会発行の「ひのきみ通信」も195号になりました。今後も、同じ志の全国の教組や裁判闘争の仲間・市民運動グループ・学者・政治家と連帯を強め闘い続けます。
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