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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「祈りの会」より:声明文が採択されました

2008年11月26日 | 日の丸・君が代関連ニュース
聖公会平和ネットワークの皆さま
「祈りの会」にご賛同くださいました皆さま

 主の平和!

 11月24日に行われました日本聖公会東京教区第107(定期)教区会において、議案「『日の丸・君が代』強制の即時中止を求める声明文を採択し、教会に伝えて祈る件」が可決され、声明文が採択されました。
 感謝とともに、とりいそぎご報告いたします。

<添付ファイルは以下の二つです>
 ★採択された声明文(正式なものは後日東京教区から出されると思います)
 ★「第44回大韓聖公会ソウル教区教区会代議員一同」から出された宣言文

 ・日本聖公会東京教区人権委員会
   「日の丸・君が代」強制問題に取りくむ会
 ・聖公会平和ネットワーク


・「どうか、あなたの民を正しく裁き、善と悪を判断することができるように、この僕に聞き分ける心をお与えください。」(列王記上、3:9)
・「あなたは自分のために長寿を求めず、富を求めず、また敵の命も求めることなく、訴えを正しく聞き分ける知恵を求めた。見よ、わたしはあなたの言葉に従って、今あなたに知恵に満ちた賢明な心を与える。」(列王記上、3:11-12)
・「ヘロデのところへ帰るな」(マタイ2:12)


 1999年「国旗及び国歌に関する法律」(以後、「国旗・国歌法」、8月9日成立)の法案審議中、日本政府の内閣総理大臣は「政府としては,今回の法制化に当たり,国旗の掲揚等に関し義務づけを行うことは考えておらず,したがって,国民の生活に何らの影響や変化が生ずることとはならないと考えている。」(1999年6月29日 衆議院本会議 内閣総理大臣)と明確に答弁し続けました。
 しかし、その4年後の2003年10月23日、東京都教育委員会は「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」(以後、「10.23通達」)を出し、公立学校の入学式・卒業式等において「日の丸・君が代」の強制を公然と行うようになりました。これにより、『日本国憲法』(以後、『憲法』)に保障された「思想及び良心の自由」、「信教の自由」を求め、強制に反対する教員は次々と処分を受けるようになり、その数は今日までにすでに410件に達しています。処分を受けた教員の中には多くのキリスト者が含まれています。

 日本聖公会は、法制化以前からすでに、教育現場はじめ日常生活の中で「日の丸・君が代」強制問題が起こることを危惧し、「日の丸・君が代」の法制化及び強制に対する憂慮を表明してきました。1999年7月1日付で日本聖公会各教会、伝道所、礼拝堂に出された「日の丸・君が代法制化に反対する署名運動についてのお願い」には次のように述べられています;「『日の丸・君が代』の法制化は基本的人権に関する思想・信条の自由への侵害であり、また全く時代錯誤的な軍国化と結合するものだと言わざるを得ません」。

 以上の通り、過去10年間の日本の政治・教育・社会を振り返ってみると、1999年の「国旗・国歌法」法制化の時に日本聖公会が抱いていた危惧がただの危惧でなかったことは明らかです。すでに、学校教育の場において「日の丸・君が代」の強制はもちろん、公然と処分まで行われています。私たちは、この状況に鑑み、次の項目を自ら確認をし、再度、政府および地方行政に伝える必要があると思います。


― 声明文 ―

一、公務員は『憲法』によって「思想及び良心の自由」、「信教の自由」を保障されていると同時に、『憲法』を遵守しなければなりません。「日の丸・君が代」強制の出発点となった東京都教育委員会の「10.23通達」は、如何なる理由においても『憲法』によって保障されている公務員(教員)の思想、良心および信教の自由を制限することはできません。処分の直接的な根拠とされている「職務命令」が公務員の「思想及び良心の自由」、「信教の自由」に反するものであればなおさらです。2006年9月21日、人権尊重と民主主義の観点からこの問題を取り扱った「国歌斉唱義務不存在確認等請求訴訟」(東京地裁、難波裁判長)において、「10・23通達」が違憲・違法であり、「職務命令」は違法であるという判決が下されました。私たちは、東京高裁に控訴中のこの裁判に注目し、公正な裁判と判決を求めます。

一、私たちは、「日の丸・君が代」強制は戦後の日本における新国家主義(右傾化)の一つであり、また『憲法』違反であり、戦争から学んだ歴史の否定に等しいものであると捉えます。今行われている政府および地方行政による「日の丸・君が代」強制の即時中止を求めます。

一、私たちは、イエス・キリストの平和への望みに基づく信仰によって、戦争する国から戦争をしない国に生まれ変わったこの国を愛します。私たちの国への「愛」は、国家権力による「愛国心教育」によって作られたものではありません。私たちが愛するのは、平和と民主主義によってこの国に住む日本人および外国人に自由が保障されている国であり、アジアの人々、さらには世界の人々からも尊敬される戦争をしない国、主権在民の国、民主主義が保障される国、人権が尊重される国、思想、良心、信教の自由が守られる国である「日本」です。このような意味から、私たちは国家権力による「愛国心教育」を拒否すると同時に、日本を愛するがゆえに「日の丸・君が代」強制の即時中止を強く求めます。

一、私たちは、「日の丸・君が代」の強制を拒否したがために処分を受けたすべての教育関係者、特に日本聖公会の信徒、岸田静枝さんと井黒豊さん、また「日の丸・君が代」の強制によって苦しんでいるすべての人々を覚え、「日の丸・君が代」の強制がなくなるまで、イエス・キリストの愛に基づく「正義と平和」を求めともに祈り続けます。


2008年11月24日
日本聖公会東京教区第107(定期)教区会

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