2012年(平成24年)1月30日
元東京都立三鷹高等学校 校長 土肥信雄
元東京都立三鷹高等学校 校長 土肥信雄
★ 不当判決を許さない
(1)判決について
生徒・保護者のみなさん、そして全国の支援者のみなさん今までのご支援本当にありがとうございました。
とにかく今回の不当判決は信じられません。日本という国は「嘘」をつくものが勝って、正直者が負ける国なのでしょうか。私は教師として子どもたちに、「嘘」をついてはいけない、正直に生きていれば必ず報われると教えてきました。今回の不当判決は、私が子どもたちに教えたことが間違っていることになり、その責任からもこの不当判決を許すことはできません。憲法第76条には「すべての裁判官はその良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」とあります。嘘をつくものを勝たせ、正直者を負けさせるのが良心なのでしょうか?私は即座に控訴したいと思います。
(2)この裁判に期待したこと
今回このような結果が出ましたが、私は東京都教育委員会を提訴して本当に良かったと思っています。もし提訴しなければ、都教委の言論統制の実態が闇の中に葬り去られるところでした。私は現職中に都教委に対して何度も公開討論を要求したのにもかかわらず、都教委は拒否してきました。裁判の中で都教委の主張を聞けたことは、裁判が公開討論の場になったということで意味があったと思っています。
事実は一つであり、裁判の中では事実に基づいてお互いの主張を展開して、どちらが正しいかを裁判によって判断してもらおうと思っていました。しかし残念なことに都教委はその事実すら歪曲するという、教育に携わる者として許しがたい「嘘」をすべての論争点で主張し続けたのです。お互いの主張を聞けば、都教委が「嘘」をついていることは明らかで、裁判官がそれを見抜けなかったことに大きな怒りを感じます。
その中で特に許せない二点について述べたいと思います。
(3)非常勤教員試験不合格について
私が離任式でもらった卒業証書と卒業生全員からの色紙と、都教委の行った私に対する業績評価の違いが今回の裁判のすべてを表していると思います。教育の主体は生徒であり、その生徒・保護者から高く評価されている私が、なぜオール「C」で790人中790番なのでしょうか。このことは都教委が業績評価における公正評価義務違反を犯しているとしか言いようがありません。
(4)私に対する言論弾圧について
2004年10月の園遊会で、当時東京都の教育委員であった将棋棋士の米長氏が、国旗・国歌問題について天皇から「強制はしないでください」と諌められたにもかかわらず、都立高校に対して強制を強めました。そのことを批判したところ、密告されて都教委から3回も呼び出され、「米長氏の批判をするな」と強く指導されたのです。
しかし都教委は後付けで作成したとしか思われないような文書を証拠提出してまで指導は2回であると主張したのです。3回指導した事実は第三者であるジャーナリストの取材メモに明記されていたのです。東京都の教育を指導している都教委がこのような明らかな嘘を主張することに、正直情けなくなりました。
(5)今後について
前述しましたように、私は即座に控訴します。またこのような不当判決が出ようとも、私は東京都教育委員会に2006年4月13日に出された「職員会議において職員の意向を聞く挙手・採決の禁止」通知の撤回を都教委に要求し続けたいと思います。学校に言論の自由がなくなることは、子どもにとって最悪なことであり、今回の判決は子どもの権利条約第3条「子どもの最善の利益」に違反しているからです。
多くの国民のみなさんが、私と都教委の主張のどちらが正しいかを判断していただくためにも裁判を続けたいと思います。
生徒・保護者そして全国の支援者のみなさん、今後とも多大なるご支援よろしくお願いいたします。
以上
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