芝生について下の有名なジョークがある。
アメリカ人の富豪が、イギリスの貴族の屋敷に滞在した。 富豪は屋敷の芝生の見事なことに感嘆して、 そこの庭師にこのような芝生を 作るのに必要な秘訣を尋ねた。 「簡単です。水はやりすぎないこと、雑草は定期的に抜くこと」 「たったそれだけ?他にやることはないのかね?」 「ええ。それだけを300年続けるとこの芝生ができます」 |
良く出来た話ではあるが、私はこの話は信じていない。というのも、芝生をうまく育てるための必須条件がこの話には抜けているからだ。
我が家には猫の額ほどの芝生を敷いている。もう20年近く芝生を手入れしているが、最近になって、やっとそのこつがわかった話をする。
植えたての頃は芝生は良く育った。水をやり、肥料を撒き、刈り込む。これだけで青々とした芝生がぐんぐん成長したものだ。ところが、3年、5年と経つうちに芝生に勢いが無くなり、代わって雑草がはびこる様になってくる。モノの本によると芝生は肥料に強いので大目の肥料を撒き伸ばして刈り込むことで雑草を防ぐ、とありそれを実践するが芝生は年々雑草に押されていった。
サッチという芝生の枯れた層が呼吸を妨げると言う話もあり、それをレーキでかきとったりスパイクで穴を開けたりもしたがあまり効果は無かった。そのうち、海外出張で家を3年ほど空けたこともあり芝生はかなりひどいことになって行った。所々ハゲちょろけになり、雑草ははびこり、これは、もう一度張りなおすしかないかな、位までになった。
そこで去年、ふと思いついたのが目土である。植えたての頃は何回か目土を撒いていたが、ここ数年はそれを怠っていたことを思い出し、早速かなりの量の川砂を入手して芝生に撒いた。去年の3月の事である。しかし、弱った芝生にはその効果はすぐには現れない。結局、昨年中はそれほど目立った効果は無く、撒いた砂はしばらくの間、靴底について玄関口を砂だらけにして奥方のご機嫌を損ねたものだ。
ところが、年が明け今年の5月頃から芝生の調子が妙に宜しい事に気がついた。芝生に勢いがあるのだ。6月に入りそれはますます顕著になってきた。まるで植えたての頃のようにぐんぐん密生して伸びるのである。これは明らかに昨年まいた目土の効果だろう。
目土をすることにより、芝の発根点を上げて活性化する、サッチを被土により分解する等の効果があると言われているが、なるほどである。抜群の効果があることが判ったので、今年も目土を入れた。
ということで、最初のジョークには目土の事が書いていないが、目土無しに芝生は青々とはなら無いので覚えておいてください。