人生を織物にたとえるならば、人間はその織り手である。
経糸(たていと)は 全体を貫く自分の希望であり、理想である。
緯糸(よこいと)は 経糸を遮(さえぎ)り交叉(こうさ)するところの出来事である。
どんなすがたに緯糸が交叉して来ようとも、
経糸は必ずこれをまとめ上げて 一反の織物に完成するのである。
そしてその緯糸の交叉する状態に応じて 色々の美しい模様を作り上げるのである。
吾々は こう考えるとき自分の前途に横たわる出来事が何であろうとも、
それを悲しむことも憎むことも要らないのである。
すべての出来事は 人生を美しき織物に織りなす素材であるに過ぎないのである。
『 生長の家 』 昭和二十六年七月号 六日の法語 谷 口 雅 春 先 生