「美」を愛する人へのメッセージ

岩国市を中心に「いろ・色・パステル画」展を開催しています。また、「美」という大きなテーマに向かって発信していきます。

「身近な存在・動物」・・「チャレンジ・エンジョイパステル」展から

2011-05-16 16:10:49 | 「パステル画」講座

「子犬とがん具」というタイトルで描かれたこのパステル画は、なんともいえない世界を創りあげています。

 

とても「あたたかな空間」とともに、かわいがっているペットに対する、作者の優しい「まなざし」が感じられます。

 

たぶん、この方は「ペット」を飼っているのだと思いますが、その様子が手に取るように見る人の目に伝わります。

 

「ネコ」の視点で描かれたこの作品からは、人に共通する姿が目に浮かんできます。

 

こういうところを作者は見たのでしょうか。それとも自分で想像して描いたのでしょうか。

 

ただ言えるのは、作者が「ペット」の立場になってこうしたパステル画を描いているように見えるところです。

 

「絵本の世界」を思わせるこの作品は、「子ネコとねずみ」というタイトルですが、実際にこういうところを見たわけでなく、自分で想像して描いたのではないでしょうか。

 

それにしても、「ペット」が擬人化され、思わずその世界へ入りたくなるような作品になっています。

 

「ペット」を飼われる方は、こうした作品を見ると欲しくなるのではないでしょうか。

 

「自由」を手に入れた2頭の馬が、うれしさを前面に出して駆けている場面が描かれていますが、とてもすがすがしい作品になっています。

 

「青」と「白」をとても上手に使いこなし、空間に「清涼感」と「躍動感」を表現しています。

 

「波の白」と「白馬の白」が絶妙に組み合わされ、それらが大きなうねりとなってこの絵を構成しています。

 

ですから、見る人には違和感なく見ることができ、「白馬」の抱いている「自由」に対する「喜び」が素直に伝わってくるようになっています。

一見、どうしてこういう動物を描くのだろうと思われるかたがあるかもしれませんが、作者にとっては「カラス」はとても興味のわく対象ではなかったかと思われます。

 

「カラス」の持つ「異様な世界」と、その「色」にどことなく愛着を感じたのかも知れません。

「ふくろう」が木の葉に隠れるようにして、こちらを見ていますが、なんとも愛らしくその存在は「人」に共通するものがあります。

 

どこか「おどおどした」その姿に、作者の共感が集中していったような作品になっています。

 

「サーカス」のポスターか何かを見て描かれたのでしょうか、「百獣の王ライオン」と「ピエロ」の組み合わせはどことなく「ユーモラス」な関係を創りあげていますが、同時に我々が日常持っている「プライド」をあざ笑っているかのように見えます。

 

こうした「動物」をテーマにした作品を見てみると、とても身近な存在であると言うことで、作者の思いが見る人によく理解でるように思います。

 

このように描く題材は、作者との「コミュニケーション」ができるものほど、絵としては訴えるものが大きいと言えるのではないでしょか。

 

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「収穫の喜び」・・チャレンジ・エンジョイ展から

2011-05-15 07:15:34 | 「パステル画」講座

何の世界でも「達成した喜び」と言うものは、計り知れないものがあります。

 

「絵画」の世界でも同じで、「出来上がった」という瞬間は誰もが大きな喜びを感じるにのではないでしょうか。

 

その「達成感」に良く似た感じのものが、「植物」の場合「結実」というものに置き換えられるように思えます。

 

「花」という「視覚」の世界だけで終わったものが、「収穫」から「「味覚」の世界へと広がりができ、大きな喜びの源泉と同時に「豊潤な世界を味わうもの」へと変化して行きます。

 

今日、取り上げる「テーマ」はそういう「実」というものを描いている作品を集めてみましたが、「花」とは違った趣が感じられるはずです。

 

この方の作品から見えてくるのは、「ひと粒の実」がとても大きな存在として作者の目にうつり、それを「赤」で表現していますが、それは単なる「印象」を越えた「成長の成熟期」への「驚き」と「祝福」のようなものまで感じてしまいます。

 

また、私の目には「つる状」にのびる茎や葉が「命の流れ」のように見え、「生命への賛歌」のようなものさえ感じてしまいます。

 

この作品を見ていると、「太陽」と「地球」から受けた「恩恵」で実る「果実」の姿が手に取るようによく理解でき、「自然」が創る「命」の喜びのようなものが感じられます。

 

とても明るい色彩で描かれ、おいしそうな「果実」が太陽光線にあたり、こちらまで元気が出るような作品になっています。

同じ「実」を題材にしていても、この方の場合表現しているのは「ぬくもりのある空間」ではないかと思います。

 

「結実した実」は、実は「自然のあたたかい恩恵」によりできているわけで、それが「光と影」を使うことにより、自然がくれる「ぬくもりの世界」を私たちに教えているように見えます。

 

とても穏やかな作品になっているこの作品から、どこか「体温」のようなものまで感じることができます。

 

「晩秋」の季節でしょうか。どことなく寒さが見にこたえてくる季節を感じる作品となっています。

 

「四季」の中で、「晩秋」という季節はある意味では「試練」への備えの段階で、これから来る「冬」への心の準備が必要になってくる季節です。

 

そこには「人」の心に、ある種の「覚悟」と「潔さ」が必要になる段階となりなります。

 

そうしたことがこの作品には、とてもよく表されており「身が引き締まる」ような感覚さえ起きてきます。

 

この作品は、「収穫の喜び」と言うようなことさえ考えさせるものがあり、われわれの毎日の生活の中で、「収穫への感謝」という側面さえ感じることができるものになっています。

 

このように「描く」ことは「単に上手に描く」のではなく、その作者の目を通して我々に何を伝えることができるかが大事なポイントになります。

 

また、絵を見る人にどれほど作者の思いが伝わるかも大きなウェイトをしめます。

 

「この絵はいいなー。」と思う時は必ずそこに「絵との対話」が成り立っています。「収穫」というとてもわかりやすい題材から、私たちは絵の世界へ一歩近づけるのではないかと思っています。

 

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「花という題材」・・チャレンジ・パステル展より

2011-05-14 07:13:40 | 「パステル画」講座

「花」は我々の生活の中で大きな役割を果たしていますが、絵の世界でも題材としてその魅力を我々に表現しています。

 

「ガーデニング」や「生け花」という世界では、「花」は人の生活に溶け込んでいます。

そうした「花」をパステル画で描いている人の作品を紹介したいと思います。

 

このパステル画は日本人の最も愛する「桜」だと思うのですが、その存在が作者のとってはとても身近なような存在としてうつります。

 

私は、はじめて「舞子さん」を描いた時気づいたのですが、あの化粧の仕方は実はこの「桜」が原点になっているのではないかと言うことです。

 

顔につける「おしろい」も「頬紅」も顔全体が「桜」で覆われ、着ている服はその季節を表現する色合いで飾られています。

 

そうした「花」を使った伝統品が多く残り、我々の心に「花」の存在がいかに深いものであるか教えてくれます。

この作品を見ていると「すがすがしい気持ち」になる人が多いのではないでしょうか。「白」と「青」で描かれたこの作品から、どこか「クール」な世界を連想します。

 

現在、「クール」という言葉が流行していますが、「知的」とか「かっこいい」という意味で使われます。

 

どこか「日本画」の世界を思わすこの作品は、「花」という題材に飽き足らず、そこからイメージできる自分の世界を創ろうとしていることがわかります。

 

非常に繊細な方の作品ではないかと思われるのですが、これからの作品がどう展開するかとても楽しみです。

色とりどりの「花」を見るのはとても楽しく、我々の気持ちを心地よいものに変えてくれます。

「花」を描く場合も、そうしたねらいがあり「いろいろな色の花」があると、絵がとても豊かなものになってきます。

 

「いろいろな自然の色や形」が私たちに「絵を描かせる」という現象が起きてくるのもわかるような気がします。

こうした作品は、見ているだけで楽しくなり、作者の気持ちがじかに伝わってくるようです。

 

「花」という題材が発する「色や形」がいつの間に我々の目にとまり、お互いに「意志伝達」しながら作品が出来上がってくる過程がわかるようで、とても参考になります。

 

「人」が何かを感じ取り、それを他の人に伝えるためには「技術」でなく、その「伝える要素」が濃い作品ほど我々の心を動かすものとなるのではないでしょうか。

 

「いい作品だな」と思う時、必ずそこには作者の「思い」が凝縮していることを、忘れてはいけないと思います。

 

そこが「写真」の世界とは違うところで、人の手によって創られた「芸術空間」につながる大きな要因だと思っています。

 

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「チャレンジ・エンジョイパステル画」展始まる!

2011-05-08 07:51:10 | 「パステル画」講座

岩国市中央図書館で「チャレンジ・エンジョイパステル画」展が始まりました。

この展覧会は「岩国市中央図書館」で毎週行われている「パステル画講座」の発表会で、藤井容子さんが指導されています。

会場には、約40点あまりの作品が並び、とてもにぎやかな会場になっています。

会場に出品された作品を見ると、いかに人の目が違いまた関心の対象が違うかが、一目でわかるようになっています。

 

「人」を描いている人、「動物」を描いている人、「風景」を描いている人、「花」を描いている人と様々な対象物があり、絵の題材がとても豊富で、見ていてもとても楽しい気分になります。

中には「イメージ」を大事にするようなものまであり、描かれている範囲も様々です。

 

図書館へ行って本を借りた後、立ち寄ってみると今までとは違った視点で物事が見れる場面に出会うかも知れません。

この展覧会は、5月18日(水)まで行われています。心の中に春風が吹くような、そんな空間があなたを待っています。

 

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「2時間の変化」・・パステル画体験教室

2011-04-26 07:32:52 | 「パステル画」講座

「やまぐちフラワーランド」で行った「パステル画体験教室」での皆さんの変化を画像で見てみたいと思います。

まずこの方を「Aさん」とします。このAさんは40代の方で夫婦でこの講座に来られました。

 

奥さんの方の最初に描いたパステル画ですが、まだパステルの使い方やその効果がわからず「実験」の段階であることがよくわかります。

ところが次に「キャンソン紙」の色を変えて描き始めると、その効果が目に見えて感じることができ、1本の線の色に対する気持ちが変わっていっています。

 

1本の線を何色にしたらいいかかなり考えていて、「表現」としての次のステップを考えはじめています。

 

パステルも単なる道具ですので、それをある程度体で覚える必要があります。

次にこの作品を描いた人を「Bさん」とします。「Bさん」は最初このように「こすったり」「ぼかしたり」してパステル」の感触を確かめていました。

ところが、この方も「キャンソン紙」の色を変えてみて「明度」や「彩度」に気づき、それを最後まで生かすのにはどうしたらいいか工夫していました。

 

また、「ポイント」となる部分を作り、絵全体がバランスあるものにしようと試みているのがわかります。

この作品は「Cさん」の作品で、「Cさん」は30代の人だったと思います。この方もパステルと言うものがどんな効果があるのかいろいろと試しているのがわかります。

やはりこの方も「キャンソン紙」の色を変えてから、その効果に気づき、その画風まで変わっていくのがよくわかります。

 

また、生き生きとした効果を出すにはどうしたらよいか、かなり迷っていたのがわかりました。

この方は「Dさん」で70代の方でしたが、「絵は苦手」と言ってはじめはなかなか前にすすみませんでしたが、描くうちにパステルとその色の魅力に取り付かれ、だんだんと変わっていくのがわかりました。

この作品が最後に描いたこの方の作品ですが、とても自由に伸びやかな表現になっていることがわかります。

 

この4人の方の変化に見られるのは、まず「パステルになれる」ことから始まり、「キャンソン紙の色」を変えることにより「パステル」が持っている「発色の良さ」に気づき、それを生かそうとしているところだと思います。

 

絵を描いている途中に、誰もがあたるこうした「表現や発見」との出会いが「次のステップ」へ大きな弾みになるのだと思います。

 

また、それが「創作の喜び」として次の制作への「あしがかり」になるわけですから、とても大事な行程の一つだと思います。

 

たかだか2時間の間に、これだけの変化が見られるわけですから、今後時間を描ければ誰でもその人なりの表現ができるということになります。

 

ただ、そうした「表現」や「発見」との出会いは、自分で創らないとないわけで、そこが大きな「ポイント」になるのではないでしょうか。

 

「絵が描けない」という人は、そうした「ポイント」を見過ごしているか、違うことにより流されてしまっている結果、何も生まれて来ないという状態に陥るのではないかと思っています。

 

ふだん何気なく見ている「花」でも「きれいだな」と思う瞬間があります。その瞬間を絵画に表現すると、ふつうでは描けないものが描けるようになるから不思議です。

 

「感性」とは理屈ではありません。その世界へ自己を投入することで、今まで見えなかったものが見えてくる世界だと、つくづく思う「体験教室」ではなかったかと感じています。

 

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