英国的読書生活

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出来ちゃった小説

2009-05-14 | イギリス

トニー パーソンズ「三人姉妹」

「人生の初めの半分は親にめちゃめちゃにされるけど、あとの半分は子供のせいでめちゃめちゃにされるもんなの」
これまでの「情けないダメ男」路線からがらっと視点を変えて、今回は女性、それも三姉妹を主人公にしたお話です。この姉妹、幼い時に女優である母親が家出をするという辛い体験を持っています。キャリア志向の強い長女、唯一結婚して専業主婦している次女、医者の卵としてがんばる三女。それぞれのバラバラな生き方を持つ彼女達ですが、ある自然現象、つまり「妊娠」によって翻弄されつつもしっかりとした「母」となっていく・・・・・・。妊娠ですから、それぞれ相手の男性たちがいるわけですが、まあ今回もどうしようもない男が目白押しです。
それにしても、これまでの作品に比べちょっとモヤモヤ感が多いのは何故?「ビューティフル・ボーイ」の息子のような「救い」がこのお話には欠けているような。彼女達を捨てた母親との距離間も最後まで埋まらず物足りなさとゴチャゴチャ感の強い読後感でした。
前にも書いたけど、トニー パーソンズの奥さんは日本人。「犬のおまわりさん」が作中で歌われます。


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