レジナルド・ヒル「骨と沈黙」
「午前零時のフーガ」が面白かったので連ヒルです。
この作品は90年の発表。
90年はサッチャーの時代ですね。
泥酔したダルジールが自宅裏の隣家の窓を見ると、そこには金髪女性が裸で・・・、次の瞬間銃声が響き・・・、飛び込んだダルジールが見た現場とは・・・。食い違う供述、はたしてダルジールの目撃したことは証拠となるのか。続いて起こる関係者の逃走・・・。
ダルジール宛に自殺予告の手紙を送り続ける謎の女性。自殺予告だけでは警察は動けない。でも手紙に殺人事件に関する記述があったら話は別。
魅惑的なアジア系女性、チャンが進める聖史劇プロジェクト。チャンは神の配役にダルジールを所望・・・。
署長から捜査の打ち切りを告げられるダルジールであったが、絶妙な勘働きで新たな事実を見つけ出す、しかし容疑者の方が一枚上手か「殺人犯」としてのしっぽは出さない。
複雑なラインが交錯するが、展開はあくまでスピーディーかつスムース。扱われる事件もけっこうエグイものであるが、ヒルが描くとドライかつライトな味わい。
ラストは、パスコーが手紙の真相を掴む。
「そう来たか、あそこが伏線だったのか」