英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

作品展

2008-10-31 | 日常
娘の幼稚園生活も残すところあとわずか。
先週末は年に一度の作品展がありました。



新しく出来たホールが展示のメイン会場に


木、布、どんぐり、箱、?、何でも使って・・・


一つ一つの作品には先生の丁寧な解説がつけられています
子供たちが色々な発想でチャレンジしているかが分かります


年長になるとだいぶ具象画になってきます


画伯の作品はこれ
工作は布でバッグを作っていました

ホテルのバーは安いのか?

2008-10-23 | イギリス



観逃していた映画「プライドと偏見」をレンタルで鑑賞しました。2時間強の時間の中にドタバタを詰め込むわけですから、冒頭はちょっとバタバタした展開ですが、それだけに文芸作品にありがちな退屈さは感じません。どちらかというと、原作を読んでから観た方が楽しめる映画かもしれません。



この映画版では家柄の違いを強調するためか、随分とベネット家の暮らしを「粗野に」演出しています。使用人もがさつな感じ。でも料理人がサーブするパン?は美味しそうでした。エリザベスを演じるのはキーラ・ナイトレイ。これまでどちらかというと「おきゃん」な役のイメージでしたが、なかなかしっとりと、でも芯のある女性を美しく演じていました。原作よりも口数はかなり少なくなっていますが・・・。面白かったのは、ピングリーくんの髪型。ちょっとバカ殿っぽくないですか?ジェーン・ベネットの天然さとお似合いです。それと、コリンズ氏はMr,ビーンみたいだし、キャサリン夫人はさすがに007で「M」役なだけあって貫禄です。
ロケ地はどれも美しく、見応えがあります。それとジャン=イヴ・ティボーデが奏でるピアノがリリカルで「良い!」です。




最近、やたら批判されてる麻生総理のホテルのBAR通い。「庶民感覚とかけ離れている!」と喧々囂々です。
私は、良いと思いますよ。高級ホテルの高級バーぐらい。だって、彼は総理大臣ですよ。日本国の代表者ですよ。飯塚市のダーシーくんですよ。(実際はもっと階級が上だ・・・) いいじゃないですか。それとホテルのバーてけっこう健全だと思いますよ。誰が行っても同じ待遇が受けられて明朗会計だし、確かに庶民はなかなか常連にはなれませんが、でも行こうと思えばだれでもいける。帝国ホテルのメインバーに足を踏み入れて、追い返されることはまずないですよ。スコッチワンショット2000円以上、サンドウィッチ2000円以上が「高い!」(私は焼酎ロック400円専門ですが)とは思わないですね。
夜な夜な接待と称してオネーチャン系のお店でボッタクラレている社長さん、ホストクラブで一晩数百万円散在しちゃうバカおば様なんていっぱいいるのですからね。
ちなみに私は麻生さんが好きではありません。でも少なくとも涙目で辞任会見する前任者たちよりは「タフ」に見えるのですが・・・・。

読む前に読むか、読んでから読むか・・

2008-10-21 | イギリス

新井潤美「自負と偏見のイギリス文化」

いやー、すっきりしました。自負と偏見を読んでから、ずっと心に引っかかっていたことが、かなり解決できました。
エリザベスが叔父夫婦と広大なダーシーくんの屋敷を見学するくだり・・・・、当時からあったのですね、カントリーハウス観光ってやつが・・・・。執事や女中頭たちもチップをいただくことで楽しみにしていたのでしょうか。
それ以外にも、計算されたパロディで構成された筋書きとか、階級意識が生み出す滑稽なエピソードとか、新井潤美さんの本を読むと、何故か読書に自信がついてくるのが愉快ですね。

ジェーン・オースティンの世界へ導く良き指南書でもありますし、読後の消化不良を爽快にさせるフォロー本としてもお薦めできます。

ご近所もけっこう楽しい

2008-10-20 | 日常
週末は良い天気でした。さわやかな陽気に誘われて、娘の自転車にお付き合いです。


近くを流れる八幡川の河口付近です。
護岸の上は400mの直線です。
娘に付いて走ると、ちょっと汗が出ます。
突き当たりは、「みずどりの浜公園」です。
この川の河口付近は干潮時に干潟ができて、水鳥が多く集まる場所として有名です。


1時間ほど公園で遊んで帰ってきたところです。
潮がかなり引いているのがわかりますか?
かもめが沢山たたずんでいます。
これからもっと沖のほうまで引いていきます。


夜は毎年行っている神社のお祭りに。
子供神楽と花火を楽しみました。



日曜日はお祭りの本番。
娘と妻も法被を着てお神輿を引っ張りに。

昼からは年間パスポートの期限が迫った植物公園に。
このパスポート、1500円払うと、植物公園、動物園、昆虫館が1年間フリーパスとなる優れもの?なのです。普通の入場券は各500円。たぶん8回は利用したよね・・・。



植物園の展望台から
うっすらと西日にかすむ安芸の宮島です。



だいぶ木々も色づき始めて・・・・
娘は相変わらず高いところが大好きで・・・。



今でも地下鉄が好きですか?

2008-10-14 | イギリス

コニー・ウィリス「マーブル・アーチの風」


コニー・ウィリスと言えば、とにかく「読みやすい」が第一の特徴。ぐいぐいと読んでいくスピード感が心地良く、長編にその良さがうまく発揮されているかと思うのですが、この日本オリジナル中短編集はいかがでしょうか。

「白亜紀後期にて」
経営効率化の観点から環境変化が押し寄せる大学の研究現場。かつて、環境の変化で絶滅した恐竜たちをオーバーラップさせたコミカル小説。

「ニュースレター」
クリスマスカードとは別に、自分の近況報告を書き綴り交換する「ニュースレター」。今年は何をテーマに書こうかと頭を痛めていると・・・。突然世の中が・・・良い人ばかりが増えてきて・・・。人間がクリスマスが近づいたからって善人になるわけがない! じゃあ、なぜ?? それは・・・・。

「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」
ホログラムを駆使して依頼者のあらゆる希望に応えるクリスマス・プランナー。古今東西、ああゆる名所、名場面、有名人もデータベース化されていて、もちろん完全オリジナル演出も可能です。クリスマス直前のドタバタ繁忙期に現れた男女2人の企みとは。

「マーブル・アーチの風」
ロンドンの地下鉄を利用した方なら誰でも、あの生暖かい構内の風圧を憶えているでしょう。その風が突然、爆風として自分を襲って来たら・・・・。謎を究明するために地下鉄を乗り継ぎ、駅を調べまくる主人公。それは、大戦中の空襲で落とされた爆弾の影響なのか、それとも・・・。真相は意外にも誰もが抱えるあの問題だったのです。
私も今度ロンドンに行った時に、突然地下鉄に乗りたく無くなるのかもしれません。
マーブル・アーチとは、ハイドパークの外周北東に位置する場所。その名の通り凱旋門のミニチュアのような白い門が建っています。門を中心に複雑な一方通行レーンで車の流れが引きも切りません。ここから東にかけて、オックスフォードストリートに沿ってショッピングストリートが始まります。
2000年のロンドン訪問時に利用したホテルが、シスル・マーブル・アーチ。オックスフォード・ストリートに面する古いビルディングで、一本裏の通りがエントランスになってます。外壁は相当地味ですが、ワンブロック丸々あるホテルなので中は相当広いです。中庭を囲む形で客室があり、直線的な長大な廊下は映画「シャイニング」の廊下を思い出します。

ロンドンの地下鉄を描いたおすすめは→


「インサイダー疑惑」
これが一番面白かった。
ロスの金持ち相手にチャネリングの霊媒者を演じ、多額の金をせしめる女性。そういうインチキスピリチュアル商法のウソを暴き、不正を告発する雑誌を編集する「懐疑論者」の男性。男性には美しい女優が何故かアシスタントとして付いていました。ある日のチャネリングの現場で、女性霊媒者が演じる霊に別の霊が摩り替わり話を始めます。話をしているのは・・・・。演技なのか、本物なのか。懐疑が確信に変わることがあるのか・・・・。


コニー・ウィリスのお薦めは
→これと
→これと
→これ

凍死信託・・・・

2008-10-08 | 日常

あれよあれよと奈落の底へ・・・

気がつけば基準価額が半分に・・・

分散投資の意味もなく・・・

諸行無常の響きあり

盛者必衰の理をあらわす

我々「さらリーマン」に公的資金の注入を!


強いアメリカは何処に?!!


今宵はサイモン&ガーファンクルの「セシリア」で元気になるさ・・・。

イギリスのおっかさん

2008-10-06 | イギリス

ケイト・アトキンソン「博物館の裏庭で」


ペットショップを経営する家族の物語。「わたし」ルビーの受精の場面から始まる冒頭はセンセーショナルですが、未来を感じることができるルビーの語りを中心に、母バンティー、祖母ネル、曾祖母アリスという4代に渡る家族の悲しみ、喜び、空しさ、別れ・・・・・が、生き生きと、かつコミカルに描かれていきます。砲火を浴び炎上墜落する爆撃機からの脱出、突然の訪問者と駆け落ちし異国に向う女性、エリザベス女王の戴冠式の実況中継、家族揃っての楽しい?スコットランド旅行、ワールドカップのファイナル「イングランドVS西ドイツ」のまさに当日に結婚式をあげてしまったカップルの悲劇など・・・・・・イギリス現代史と共にお話はつきません。物語のインデックスとして度々使われるのが、代々手から手へ渡っていった小物たち。置時計、ボタン、銀のロケット、写真などなど。イギリス人はアンティーク好きですが、物としてよりそれが使われていた時代の物語を愛でているのかもしれません。
詳細な訳注により、20世紀イギリス各時代それぞれの世相、流行、そして庶民が普段何を食べているかが楽しめるのもこの小説のもうひとつの魅力です。
私の家族も遡っていけば、それなりの物語がありそうです。

面白かった。