英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

リトル・ガールは甘くない

2008-11-28 | イギリス

エリザベス・ボウエン「リトル・ガールズ」

尾崎豊の作品に「OH MY LITTLE GIRL」という名曲があります。この曲、いざカラオケで歌おうとチャレンジすると、相当手強いことに気付きます。感情の込め方もそうですが、特にLITTLEの発音が・・・・・。
初顔合わせのボウエンですが、どうだったのでしょうか・・・。
出会いの印象は良かったんですよ。造本の仕様もかちっとして好みだし、表紙のデザインも抑制が効いていて良い感じでした。
付き合い始めも良かったんですよ。何やら洞窟の底で繰り広げられる男女2人の悪企み。ミステリアスな使用人の存在にも期待が高まります。そして新聞の尋ね人欄を使った「人探し」・・・。ハロッズ百貨店での打合せも・・・、身が乗り出してしまいます。
その後・・・、どうも気持が離れてしまったんですよ。努力はしたんですよ。特に海岸でのバースデーピクニックの場面は日を改めて再読したりして・・・・。
結局、彼女達は何がしたかったのか・・、が正直分からなかった。とにかく文章が難しくって・・・・、ただでさえ「おしゃべり」の多い老女3人組、いったいだれがしゃべっているのかが、判読し辛い表現なのです。(長椅子にすわっているものが・・・長椅子の持ち主が・・・なんて書かれてもね・・・)
オースティンの流れをくむということですが、私には困難なる体験でした。



今年も三瓶北の原に

2008-11-07 | 日常
ワンパターンかな?と反省しつつも、今年も行きました。三瓶山に先週日曜日に。

行きの途中、頓原にある一福の本店で昼ごはん。

11時半に店につきましたが、既に20分待ちの状態。
出雲そばは、繊細なのどごしの良さというより、ちょっとワイルドな食べ応えが魅力です。


北の原は人影もまばら。

大きな栗の木下で松ぼっくり合戦です。



今回のお泊りケビンです。

かなり迷った末、今回、焚火台を購入しました。
スノーピークはさすがに高い(かつ重い)ので手が出ず、ロゴスにしちゃいました。
薪をナタで割り、細い木切れを沢山つくって・・・
硬く棒状にした新聞紙を輪っかにして、その上に木切れを積み上げて・・・
ボーイスカートだった頃の記憶をたどりながら着火すると・・・
よかった!成功です。
ワインを片手にミニキャンプファイヤーだ。
あらためて気付いたのですが、焚火の火って意外と明るくないのですね。
ボンヤリと家族の顔を照らす火を眺めていると、不思議な気分になっていきます。

ふと、気付くと焚火にあたっているのは私1人に・・・・。
ケビンを覗いてみると、妻と娘は折り紙を折って遊んでいます。
「こら、せっかく焚火をしているのに、外で遊ぼうよ!」
「だって、つまらないもん」と、娘・・・。
こうして孤独な三瓶の夜は更けていったのでした。







居眠り読書

2008-11-06 | イギリス

P・G・ウッドハウス「ジーヴスと封建精神」

毎日の帰宅途中の電車の中、唯一心安らぐ読書時間です。でも、この時期ウッドハウスの本を読んでいると・・・・、いつのまにか気持ちよくなって、まぶたが重たくなってきちゃいます。次の日、挟んだしおりの場所から読み始めても、お話がさっぱり繋がらないこともしばしばです。だから2ページ程度復習してから前に進む。この繰り返しです。居眠り読書もたまにはいいのでは。笑いながら眠っているかもしれませんが・・・・。
今回の舞台はダリア叔母さんの広大なカントリーハウスです。三ッ星シェフ、アナトールの究極のメニュも健在です。この作品が発表されたのは1954年。バーティたちのハチャメチャでお気楽な生活も時代と共に幻影となっていくような・・・。心なしか全体のエッジが丸くなったと感じるのは気のせいでしょうか。カズオ・イシグロの「日の名残り」に似た感傷をいだいてしまいます。そういえば、執事、従僕専用のクラブにジーヴスが通うくだりなんかもそれを後押ししているのかもしれませんね。
個人的には後半登場し、バーティの背骨の危機と婚約の危機を回避してくれることになる、絶世の美人作家がちょっと気になりました。バーティをして「目の保養になった」と言わしめたこの女性のことをもっと知りたいものです。