ジョアン ハリス「紳士たちの遊戯」
数年前に「ショコラ」で成功を収めたジョアン ハリスが、初めてミステリーに挑戦したのがこの作品。
「ショコラ」は、カーニバルの風とともに、フランスの片田舎の村に現れた風変わりな母子と、古い因習にしがみついて生きる教会関係者や村人との様々な確執、そして一粒のチョコや一杯のホットチョコレートが作り出す癒しの世界を描き出し、ビター&マイルドなファンタジーに仕上がっていましたが・・・・、さて・・・・。
舞台は英国の名門私立グラマースクール、セント・オズワルド校。権威と伝統と格式に守られたその学校に憧れ、同化し、傷ついた(少年)は復讐を決意し、15年後教員として同校に赴任することに。一方セント・オズワルド校の教師人の中でも、(本人曰く)決してスーツ族でなく、ツイード・ジャケット族の代表格で未だ持ってマントを愛用しているストレートリー。彼が愛する生徒達、教室、談話室の心地よいバランスがある日から微妙に狂うことに・・・。それは最初些細なこと、出席簿が無くなったり、マグカップが無くなったり・だったのですが。それがやがて地域を巻き込む大事件になろうとは・・・。
よそ者と古い体質側の対立という構造は「ショコラ」といっしょです。でもここには甘いチョコレートは存在しません。正直読み始めは、犯人が復讐を決意するにいたる理由が釈然としないことと、行動が陰湿でちょっと「外したかな?」と思ってしまうのですが、後半なかなかの「どんでん返し」(私は一瞬騙されたことが理解できませんでした)が用意されていて楽しめました。
後半、犯罪の舞台としてガイ・フォークス・デイというお祭りが出てきます。ガイ・フォークスとは、1605年に宗教政策への不満から、国会議事堂地下に隠した火薬で時の国王ジェームズ1世を暗殺しようとした陰謀の主犯格です。その彼が捕まったのが11月5日。以来この日を記念したお祭りが英国では続いています。大きな焚き火(日本でいう「どんと焼き」に近いもの)と花火がメインのお祭りです。1606年に首を吊られ、すぐには殺してもらえず、内臓を抉られ、それを火にくべられ、ようやく首を刎ねられ、なおかつ八つ裂きにされて市中を引き回されたガイ・フォークス。この故事にちなんで、お祭りでは、子供たちがガイ・フォークス人形を街中引きずり回し、最後に火で燃やしてしまうパフォーマンスを演じるそうです。やっぱりイギリス人の根源は残酷なんですね。
数年前に「ショコラ」で成功を収めたジョアン ハリスが、初めてミステリーに挑戦したのがこの作品。
「ショコラ」は、カーニバルの風とともに、フランスの片田舎の村に現れた風変わりな母子と、古い因習にしがみついて生きる教会関係者や村人との様々な確執、そして一粒のチョコや一杯のホットチョコレートが作り出す癒しの世界を描き出し、ビター&マイルドなファンタジーに仕上がっていましたが・・・・、さて・・・・。
舞台は英国の名門私立グラマースクール、セント・オズワルド校。権威と伝統と格式に守られたその学校に憧れ、同化し、傷ついた(少年)は復讐を決意し、15年後教員として同校に赴任することに。一方セント・オズワルド校の教師人の中でも、(本人曰く)決してスーツ族でなく、ツイード・ジャケット族の代表格で未だ持ってマントを愛用しているストレートリー。彼が愛する生徒達、教室、談話室の心地よいバランスがある日から微妙に狂うことに・・・。それは最初些細なこと、出席簿が無くなったり、マグカップが無くなったり・だったのですが。それがやがて地域を巻き込む大事件になろうとは・・・。
よそ者と古い体質側の対立という構造は「ショコラ」といっしょです。でもここには甘いチョコレートは存在しません。正直読み始めは、犯人が復讐を決意するにいたる理由が釈然としないことと、行動が陰湿でちょっと「外したかな?」と思ってしまうのですが、後半なかなかの「どんでん返し」(私は一瞬騙されたことが理解できませんでした)が用意されていて楽しめました。
後半、犯罪の舞台としてガイ・フォークス・デイというお祭りが出てきます。ガイ・フォークスとは、1605年に宗教政策への不満から、国会議事堂地下に隠した火薬で時の国王ジェームズ1世を暗殺しようとした陰謀の主犯格です。その彼が捕まったのが11月5日。以来この日を記念したお祭りが英国では続いています。大きな焚き火(日本でいう「どんと焼き」に近いもの)と花火がメインのお祭りです。1606年に首を吊られ、すぐには殺してもらえず、内臓を抉られ、それを火にくべられ、ようやく首を刎ねられ、なおかつ八つ裂きにされて市中を引き回されたガイ・フォークス。この故事にちなんで、お祭りでは、子供たちがガイ・フォークス人形を街中引きずり回し、最後に火で燃やしてしまうパフォーマンスを演じるそうです。やっぱりイギリス人の根源は残酷なんですね。