クリストファー・プリースト
「双生児」
既に様々な書評が出てきている本書ですが、出来ることなら何の先入観も持たずに読んで欲しい小説です。舞台は第2次世界大戦前半のイギリス。時の首相は挙国一致内閣を率いるチャーチルです。大戦に先立つベルリンオリンピック。そしてそれらを眺める現代も。時代の証言としての手記、手紙、議事録等の第一次資料を読み解く形で進行する物語ですが、途中突然足元がぐらつく眩暈に似た読書体験が味わえます。様々な仕掛けが埋め込まれたこの作品、ジャンルの型に読み手が嵌めることなく自由に読み進めることで様々なラストを作り出せるのかもしれません。
巻末の大森望氏の解説は丁寧で読みこぼした謎を復習することができます。
余計なお世話ですが、ルドルフ・ヘスのエピソードに関しては事前に知っとかれた方がこの作品は楽しめるかと・・・。
ルドルフ・ヘス
ナチス副総統、1941年5月10日停戦講和のため単独スコットランドに飛来、イギリスは申し出を無視、ロンドン塔に幽閉、戦後ニュルンベルク裁判で有罪、終身刑、1987年服役中に自殺
替玉説、暗殺説等ミステリーに満ちた生涯であった
読了後、表紙と裏表紙の絵を見比べると、再び不思議な感覚が味わえます。
ちょっと「日の名残り」も思い出しました。
「双生児」
既に様々な書評が出てきている本書ですが、出来ることなら何の先入観も持たずに読んで欲しい小説です。舞台は第2次世界大戦前半のイギリス。時の首相は挙国一致内閣を率いるチャーチルです。大戦に先立つベルリンオリンピック。そしてそれらを眺める現代も。時代の証言としての手記、手紙、議事録等の第一次資料を読み解く形で進行する物語ですが、途中突然足元がぐらつく眩暈に似た読書体験が味わえます。様々な仕掛けが埋め込まれたこの作品、ジャンルの型に読み手が嵌めることなく自由に読み進めることで様々なラストを作り出せるのかもしれません。
巻末の大森望氏の解説は丁寧で読みこぼした謎を復習することができます。
余計なお世話ですが、ルドルフ・ヘスのエピソードに関しては事前に知っとかれた方がこの作品は楽しめるかと・・・。
ルドルフ・ヘス
ナチス副総統、1941年5月10日停戦講和のため単独スコットランドに飛来、イギリスは申し出を無視、ロンドン塔に幽閉、戦後ニュルンベルク裁判で有罪、終身刑、1987年服役中に自殺
替玉説、暗殺説等ミステリーに満ちた生涯であった
読了後、表紙と裏表紙の絵を見比べると、再び不思議な感覚が味わえます。
ちょっと「日の名残り」も思い出しました。