北杜夫さんが亡くなった。
北さんと言えば、どくとるマンボウシリーズ、
どくとるマンボウシリーズと言えば、
なんと言っても「どくとるマンボウ青春記」。
旧制松本高校での寮生活を描いたこの作品、
中学1年生のときに読んだのですが、
あんまり面白いので、夜中にこっそり起きて夢中で読んだ記憶が・・・
笑い声を堪えきれず親に怒られたんだった・・・。
偉大な斉藤茂吉を父に持つ作者のちょっと屈折した可笑しな青春期。
旧制高校生たちのバンカラではちゃめちゃな行動は、ドローンズ・クラブのはるかに上を行ってます。
私が大学に入って、夜な夜な友人の下宿やアパートを回っては大騒ぎしていたのは
この本を追体験したかったのかもしれません。
ちなみに中学校の卒業アルバムに書いてある、3年B組のキャッチコピーはこの本からの拝借したものです。
(すいません)
現在は新潮文庫で出版されてますが、この文春文庫版の表紙が想い出です。
ご冥福をお祈りいたします
P・G・ウッドハウス「ドローンズ・クラブの英傑伝」
文芸春秋社から「ジーヴズの事件簿」が刊行されたのが2005年。今年それが文庫化(2分冊)されたのに続いて未訳のドローンズ・クラブ物を集めたのがこの短編集です。バーティ・ウースターも通ったドローンズ・クラブのヘンテコなメンバーたちのドタバタ劇。あの悪友ビンゴくんも健在です。それとペキネーズ犬が大いに笑わせてくれます。ウッドハウスの作品にはペキネーズ犬が多く登場しますが、調べてみると・・・、ペキネーズはアヘン戦争のときに、紫禁城の中でイギリス軍が発見、数匹をイギリスに持ち帰り、その内1匹をヴィクトリア女王に献上したのがイギリスでのデビューエピソードだそうです。以後しばらくは貴族の愛玩犬として高貴なる方々のお側に仕えていた様です。
イギリス人の犬好きは有名ですが、ハイドパークを散歩するときには気をつけないとフンを踏んじゃいますよ。遠目には綺麗な公園ですが、けっこうフンだらけなのもイギリスらしさかな。
巻末に収録された「マック亭のロマンス」は、一転下町の庶民階級でのお話。下町で大繁盛する食堂のちょっとやさしいエピソードが描かれています。
ちょっと前に発売された物だけれど、しばらくAmazonで睨めっこした結果購入してしまいました。
111 Years of Deutsche Grammophon - The Collectors Edition Vol.2
独グラモフォン社創立111年を記念してのCD・BOXです。
これには56枚CDが入っていて、1巻目と合わせると111枚となる企画です。
CDはそれぞれ発売時のオリジナルデザインで紙製ジャケットに収められています。ちょっとアナログちっくな雰囲気・・・。かつてレコードショップで棚をごそごそやっていた感覚を思い出します。
選ばれたCDもなかなかなのセンスです。単なる寄せ集め名曲アルバム集になることなく、中世音楽から現代音楽まで、モノラル録音から最新デジタル録音まで、大巨匠から新鋭までとバラエティーに富んでいます。
半分は知らない曲だし、単発では絶対買わないアーティスもたくさんいるのですが、良い出会いが楽しめてます。
スティーヴ・ライヒの「マレット楽器、声とオルガンのための音楽」なんて、よかったよ・・。
寝る前に1枚ずつ聞いて56日・・・。
それにしてもこのセットの価格・・・、Amazon価格で9,900円。
1枚180円を切っている。
いくら円高だ、旧譜のセットだと言ったってこの価格はどうなんでしょうか。
かつてCDが初めて発売された時、レコードショップの奥の特別コーナーに置かれていた独グラモフォン社の輸入盤CDは確か4,000円で売られていた。手が出せないレーベルだった。
CDの売れない時代、黄昏はもうそこまで来ているのかもしれません。
イアン・マキューアン「ソーラー」
主人公マイケル・ビアードは、何とノーベル物理学賞受賞者だ。量子物理学の世界でアインシュタインと並び評されるピアード先生の生活は、さぞかしアカデミックな毎日・・と思いきや、何ともチャライのであります。禿げ、デブ、チビという三重苦を、まったくもってハンディと考えず、有り余る頭脳をもって果敢に女性にアタックする。結果、4度の結婚に失敗し、5人目の奥さんも研究所の部下に寝取られてしまっているという有様・・・。でも、彼は決して反省することはない。ほとばしる食欲と性欲のはざまで、女たらしたる自分の立ち位置を独自の量子物理学理論で忽ちとして昇華し、正当化してしまうのだ。
人工光合成を作り出すという部下のアイディアを盗用することで足を踏み入れたソーラービジネスは、夢の事業となるはずであったが、様々な利権を刺激することとなり・・・・。愛人と愛人が鉢合わせとなるという人類共通の悲劇の場で彼がとった行動とは・・・。
3.11後の脱原発の動き、ノーベル賞の季節、光より速い物質の発見?によるアインシュタイン理論への?、日本語版の刊行はまさにタイムリー。
エゴとエゴがぶつかりあう環境活動家のツアーの実態、その極寒の中、立小便を敢行したピアード先生を襲った悲劇、ヒースローエキスプレス車中で繰り広げられるスナック菓子をめぐる攻防・・・、笑える箇所は沢山あります。でも、ピアード先生の頭の中は物理学者ですからけっこう難解な部分も。読後感は、「土曜日」「贖罪」には及ばないな。
酒どころ西条で開かれる酒まつりに、日曜日初めて行って来た。
JR西条駅前から気合の入った人ばっかり・・・・
酒蔵通りに入ると相当な混雑です。
なんせ町中が「酒を飲め飲め!」という祭りですから、酒蔵以外でも
通りの両側は居酒屋状態です。
すこし歩くと、イタ飯屋さんが美味しそうなハムをテントを出して売っています。
その横にはワインも・・・ くださいな!白ワインとハムね!
日本酒以外、ワインもビールも何でもありありです。
次にもぐりこんだのが、
賀茂泉の蔵。
ここでの酒まつりの名物は竹酒。
器となる竹を購入し、竹に取り付けられた蛇口から酒を注いでもらいます。
おつまみには焼き味噌を購入。
どさくさに紛れて竹酒のおかわりも。
次の蔵は・・・
賀茂鶴での有料試飲。
大吟醸各種をいただきます。
もっともっと飲みたいけど、
一滴たりとも飲めない家内と娘が退屈しはじめたので
このへんでお仕舞いにしました。
JR西条駅では
酔っ払いが線路に降りちゃって上下線とも一時ストップ。
「あいつのせいだ!」
なんて皆で指差して大声も上がりますが、
みんなどこか楽しそう。
JR職員も半分諦め顔で酔っ払いを丁重に保護・・・
次の駅では気分が悪くなったのか、オバサンがベンチに横たわってゲポゲポゲポ・・・
いいのか悪いのか分からない、でもこんな祭りもいいかも。
2日間で25万人の出足だったそうだ。
招待券を頂いたので土曜の夜に家族で行ってきました、「ディズニー・オン・アイス」。
それにしても「ディズニー・オン・アイス」って言い辛いですね。「ディズニー・オン・ライス」って間違えちゃ娘に笑われています。
ショーは飲食自由、撮影自由(ただし個人として・・)という緩やかなレギュレーション。
オープニング
映画ファンタジアで有名な「魔法使いの弟子」
ほうきが一列に並んで回転します
プリンセスたちが王子様たちと踊るプログラム
氷上に炎の輪が・・・・
ショー以上に驚いたのが
会場で売られるディズニーグッズの量・・・・。
ある程度予想してはいましたが、
ロービーや、アリーナは販売ワゴンが所狭しと並び、
客席にはやたらニコニコしたバイトさんがポップコーンやカキ氷、綿菓子を売りにくる・・・
値段は・・・ポップコーンが・・1500円!、プログラムが2500円、プリンセス人形が・・・・・
これはまさに大量破壊兵器か
魔法をかけられたほうきみたいに押し寄せてくる印象・・・
気づくと、娘の目がグッズを買ってもらっている子たちにロックオンしている。
「家にあるのといっしょだね」
「いや、あれはもっていない」
「帰りに材料買って家でポップコーンしようか」
「いや、たべたくない」
「記念撮影してあげようか、そこに立ってみて」
「いや、とらなくていい」
だんだん気まずくなるマイファミリー・・・
終演後、そそくさと会場を出た私たち。
外へ出たらもう安心・・・、げっ、外の道でもミッキー風船や色んな販売台が行く手をふさいでいるでは・・・
お父さんはミッキー帝国に負けなかったよ!