英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

東京家族

2013-01-29 | 日常

 

これは小津作品の普遍性を確かめる実験映画だったのかもしれない。

想像していた以上に小津の「東京物語」を丁寧にトレースしている。医者を営む長男の家でのやりとり、長女のパーマ屋、・・・。台詞や場面設定は時に現代とのギャップを大いに感じさせるが、それは計算されてのことであろう。映画はそもそも作り物である。小津が描いたかつての東京も相当な作り物であったはず。
後半の島でのシーンは、ロケ地を知っている者としての期待値が高かっただけに、単に間借りしているだけに見えてしまった。ラスト近くの周吉が形見の時計を紀子に渡す場面、さすがに原節子の艶かしさと必死さを超えることは出来なかったが、それは誰も求めていないこと。島の学校の先生が自転車でこけてしまう・・・、山田監督らしさが少し見えてほっとした。

小津安二郎は「世界の小津」だ。そして、山田洋次監督は「日本の山田」になった。

 

それにしても観に来ている老いたおばさま連中のマナーがねえ・・・

お茶の間でテレビを観ているような感じで、いたるところでおしゃべりしている・・・

それが耳が遠いもんだから、ひそひそ声が大きくなっちゃって・・・。 回転焼きを席の前後で回しているし・・・、トイレが近い人も多いもんだから、後半となると席を中座する人が続いたり・・・。
観客席を今度は映画にしてみると面白いかも。

 

 夜の観覧車を眺める場面で、周吉が映画「第三の男」を語る。彼らが観にいったという広島の東洋座は、八丁堀に約100年近くあった松竹系の映画館でした。この映画館も2008年に閉館しました。

 

 

 

 

 


150周年

2013-01-16 | イギリス



ロンドンの地下鉄が開業150周年だ。
ロンドン交通局のHPに掲載された画像を。
19世紀から20世紀に、
戦前から戦後に、
モッズからパンク、そしてヒップホップ・・・・
一番前は・・・・
????









線路は続くよ・・・・

2013-01-15 | イギリス


ポール・セルー「鉄道大バザール」


アメリカ人作家ポール・セルーが1970年代前半に行ったユーラシア大陸の鉄道旅行(おまけで日本も)を綴った本です。旅の目的はづばり鉄道(汽車という言い方がふさわしいか)に乗ること。途中の国々で作家としての講演などもこなしながらであるが、とにかく鉄路があれば危険だろうが、汚かろうが車中の人となるのである。
旅の始まりはロンドン15時30分発のオリエント急行。今でこそ豪華列車の代名詞とされていますが、セルーが乗車した当時、この列車には食堂車さえ連結されておらず、乗客は途中駅で必死に食料を探しまわるはめに。
イスタンブールからトルコを横断し、イラン、アフガニスタン(当時も紛争地帯で鉄道は断念)、パキスタン、インド、ビルマ、マレーシア、ベトナムと旅は続きます。貧困に喘ぐアジアではあるが、その鉄道はかつての植民地時代の香りを残すもの。セルーの目は時に優しく、時にシニカルに、時に嫌悪を隠しもせず、ゴトゴトと揺られる汽車の旅を伝えてくれます。米軍が撤退し、直後にサイゴンが陥落するベトナムで彼が感じた光景が印象的・・・。
最初のオリエント急行の途中駅、置いてきぼりをくったおじいさんはどうなったのでしょうか?!

こういう本は一気読みせずに、1章1章を日を変えて読むのが良いみたい。

それにしてもこの文庫、上下それぞれ1600円(税別)って高いなあ・・・・。

以前紹介したポール・セルー(セロー)はこちら→


レ・ミゼで泣く

2013-01-08 | イギリス



ロンドンのパレス劇場でレ・ミゼラブルを観てから・・・23年?!!
(その時の顛末はこちら→)
時が流れるのは早いものです。
そのレ・ミゼがミュージカルとして映画になった。
親子3人での鑑賞です。
うーん、さすがに舞台がどうだったかは、ほとんど忘れかけてるなあ・・・・
パレス劇場では天井桟敷だったので、演技者の顔の表情なんて望むべくもなかったのですが、
映画だと細かな気持ちのニュアンスもばっちり。
涙もろくなっているので、多少の涙は覚悟していたのですが、
ラストは頬を伝う涙が止まらないじゃないか。
こんな姿を娘に見られたら父親としての威厳にかかわる・・・・
と、隣を見ると娘も大泣きしています。(彼女は単にみんな死んじゃったのが悲しかったんだって)
すんでのところで涙を見られずに助かりました。

アン・ハサウェイ演じるフォンティーヌも悲しいのですが、
より哀しいのが、やはりエポニーヌ。
彼女が歌う「On My Own」で会場は一気に泣く人続出・・・・
舞台版ではもう少しメイン扱いだったはずだが・・・

エポニーヌ役のサマンサ・パークスは実際に舞台でエボニーヌを演じていました。
そして映画的に良かったのがガブローシュ少年。
ストリートキッズとしてのたくましさと健気さが・・・・。

そして強烈な存在感で作品に厚みを持たせているのがこの二人。

テナルディエ役のサシャ・バロン・コーエンは濃い演技が優れるイギリスのコメディ役者。
左の夫人役ヘレナ・ボナム=カーターは英国王のスピーチでジョージ6世の王妃を演じてましたね。

マリウスを演じる役者、どこかで観たことが・・・
あっ・・思い出した
大聖堂に出ていたジャックだ。

ラッセル・クロウも脇汗臭くがんばってました。




映画ならではのアクティブなカメラワークですので、
お席はやや後方が観やすく、シーンに浸れるかも。


家族揃って再スタート!

2013-01-07 | 日常


年末30日に無事広島残留組の引越が完了しました。


明けて新年、揃っての初詣は大宰府天満宮へ。


牛の頭を撫でて「頭が良くなりますように!」


佐藤栄作首相も通った「お石茶屋」で梅が枝餅で一服・・・
佐藤さんはかつて二日市駅の駅長さんだったのだ

で、ひいたお御籤が・・・・

出たー!!!!
大吉だ!
願事→すべて適う! と書いてある!
あらゆることを本能のままにお願いするぞ!
でも、
よく読むと・・・・
弛まぬ努力と実績が必要です と書いているし・・・
気配りと、誠意だと?
うーん、この世で一番苦手なものだ・・・