イーヴリン・ウォー「大転落」
原題は「Decline and Fall」(1928)。
オックスフォード、某カレッジの学寮である晩乱痴気騒ぎ(旧制高校で行われたストームの類でしょうか)に巻き込まれてしまったポール・ペニフェザーくんは、猥褻行為を働いた廉で放校処分を受ける破目に。後見人からの遺産の支払いも止められてしまい、お気楽な教職斡旋所の紹介でウェールズにあるパブリックスクールで教鞭をとることとなります。
前途洋洋のコースから経済的、社会的に転落させられたポールくんの人生、その後も個性的な取り巻きに出会いながら転がり続けます。不幸に直面するポールくんですが、どうも彼は達観しているんですね。悲嘆に暮れたり誰かを責めたりなんて決してしないのです。ましてやそれをバネに新たな展開を図る意思もありません。川の流れに身を任せるままのポールくんです。
読んでいて思わず笑いが・・・というユーモアではありませんが、時のイギリスの教育制度、階級制度を揶揄する文章は、スルメのような味わいがあります。
作者イーヴリン・ウォーはハムステッド生まれ。文芸春秋社刊『P・G・ウッドハウス選集・ ジーヴズの事件簿』に彼のウッドハウスを擁護するエッセイが収録されています。
原題は「Decline and Fall」(1928)。
オックスフォード、某カレッジの学寮である晩乱痴気騒ぎ(旧制高校で行われたストームの類でしょうか)に巻き込まれてしまったポール・ペニフェザーくんは、猥褻行為を働いた廉で放校処分を受ける破目に。後見人からの遺産の支払いも止められてしまい、お気楽な教職斡旋所の紹介でウェールズにあるパブリックスクールで教鞭をとることとなります。
前途洋洋のコースから経済的、社会的に転落させられたポールくんの人生、その後も個性的な取り巻きに出会いながら転がり続けます。不幸に直面するポールくんですが、どうも彼は達観しているんですね。悲嘆に暮れたり誰かを責めたりなんて決してしないのです。ましてやそれをバネに新たな展開を図る意思もありません。川の流れに身を任せるままのポールくんです。
読んでいて思わず笑いが・・・というユーモアではありませんが、時のイギリスの教育制度、階級制度を揶揄する文章は、スルメのような味わいがあります。
作者イーヴリン・ウォーはハムステッド生まれ。文芸春秋社刊『P・G・ウッドハウス選集・ ジーヴズの事件簿』に彼のウッドハウスを擁護するエッセイが収録されています。
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