~聴覚障害6級~

話せる。歌える。
聞こえているけど聞き取りにくい。
感音性難聴者が適当に呟きます。

この夏の新しい挑戦

2011年09月26日 | 雑記
少し大袈裟なタイトルですが、この夏、新しい挑戦をしました。

あるドラマのエキストラです。

好きなタレントが出演しているから、と言う理由で参加しましたが、
この夏の体験は、私にとって、また、一生の宝物貯金ができたと思っています。


とは言うものも、やはり、この世界、言葉が聞き取りにくいのはネックです。


まず、テレビ局の公式サイト内にて、エキストラの募集がかかったらパソコンで応募するのですが、
当選の電話は、携帯電話に非通知でかかってきます。

落選の場合は、何もありません。

当選の電話が取れなかった場合は、落選です。

しかも、当選の電話は撮影日の前日にかかってくることがほとんどで、
電話がかかってくる時間も、早い時で13時頃、遅い時だと23時頃と、
応募していて当選待ちの時は、とにかく電話がかかってくるかどうかで神経がすり減りました。

健聴者でも、かかってきてたのに気付かなくて電話取れなくて落選と言うつぶやきを多数見かけましたから、
難聴者は、電話に気付かないと言うだけでなく、
電話の内容が聞き取れないかもしれない恐怖が始終、脳内を駆使していました。

健聴者でも、電話の内容がよく聞き取れなかったから、
明日の集合場所教えてとか、明日、何の役って言ってたか教えてとか、服装教えてとか、
そういう声も多数耳にしましたから、難聴者がすんなり聞き取れるわけがないです。

電話の内容は、集合場所・何のシーンの撮影か・何の役か・服装・持って来るもの・撮影時間などなので、
通話中はあまり聞き返せないので、電話の内容を録音して、何度も確認したこともありました。

スタッフは寝る時間もないほど多忙で、仕事の合間に大人数に電話をするからか、
早口でどんどん話しを進めて行く感じでした。


一緒に応募する友達が、この電話の段階を、介助してくれたこともありましたし、
別の友達と応募する時、参加しないのも関わらず、この段階を全面的に介助してくれた友達がいました。

この友達には、本当にいくら感謝しても、感謝の気持ちが表せないほど感謝してます。

何か日本語が変ですが…。


つまり、私の名前で応募して、介助してくれる友達の携帯番号で登録するのです。

そうすると、当選の場合は、友達の携帯に電話がかかり、
電話の内容を全部聞き取ってくれ、メールで教えてくれ、
私の名前で応募してあるので、私が撮影現場に参加できることになります。

別の友達は、仕事をしているので、エキストラの電話が取れなくて、
何度か落選になっているそうなので、電話介助をしてくれた友達の偉大さを感じてます。

本当にありがとうございます。


現場に行っても、スタッフの指示が全部、聞き取れていたわけではなく、
大人数全体への指示、マイクを使っての指示は、聞き取りにくく、
一緒に参加している人にいちいち確認しながら、演技らしきことを頑張りました。

エキストラ常連さん達には、全く敵わなかったけれど、
何度か参加したので、何人かのスタッフさんに覚えていただいて、
集合場所へ行くと、真っ先に挨拶してくれるようになれたことが、少し嬉しかったです。


出演者の台詞がこんなんだったとか、出演者が合間にこんなことをしゃべってたとか、
そういうのが一切、聞き取れないもどかしさはありましたが、
ドラマの撮影の現場を知れたこと、好きなタレントと共演(?)できたこと、
私のような障害持ちでも、アラフィフのおばさんでも、まだまだ新しいことが挑戦できると言うこと。

この気持ちこそが、宝物なのかもしれません。


ドラマ自体も、字幕対応でしたし、年末にDVD-BOXになることが決定したので、
それも、是非、日本語字幕対応でお願いしますと、番組公式サイトにお願いしておきました。



ちなみに、エキストラに参加したドラマは、「美男ですね」です。


ライヴ待ちシーン(ファン役)・ライヴ会場外のシーン(ファン役)・
パーティーシーン(業界人役)・ハトバスツアー客役・
アミューズメント施設の客役・ライヴシーン(ファン役)・
PV試写会シーン(お客様役)・空港シーン(ファン役)

8回参加させていただきました。

撮影した場所は、赤坂・六本木・四谷・お台場・横浜アリーナ・成田国際文化会館・成田空港と、
色んな場所へ行き、撮影現場に加わりました。

たった5秒のシーンでも2時間位かけて撮ることが多いので、
あんなに頑張ってもこれだけのシーンなのか、と言うことがほとんどでしたが、
ばっちり映っていたものから、自分にしかわからない程度に映っているものまで、
とりあえず、全部の撮影での自分を見つけられました。

いい記念です。


あまり、聴覚障害には関係ない想い出話しばかりになってしましましたが、
スタッフに難聴の件は申告しませんでした。

申告する必要がなかったし、現場では常に近くに来て指示してくれるので、
そこまで不自由さは感じなかったです。

業界の人達は、声も大きいしよく通るから、聞き取りやすかったからかもしれません。