~聴覚障害6級~

話せる。歌える。
聞こえているけど聞き取りにくい。
感音性難聴者が適当に呟きます。

字幕と聴力補助システム

2009年12月24日 | 映画
ココの記事で書いた通り、
先日、ある邦画を観て来ました。

日本の映画の日本語字幕上映です。

映画主催の営業部の方のご厚意をお受けしたかったので、
少し遠出となりましたが、教えてくれた映画館へ出向きました。

手帳掲示で1000円で観れる上、
字幕があることで、ストーリーの流れや美しい台詞も理解でき、
本当に感動しました。


この映画館には、聴覚補助システムと言うものがあるとのことだったので、
当日、貸し出しして頂きました。

字幕上映の上に、聴力補助。
欲張りですね、私。


聴力補助システムの説明は、
「耳の聞こえにくいお客様、難聴のお客様にお貸し出ししている専用受信機です。」
とのことでした。

貸し出し時に、係員の受信機の説明があり、
ノートに名前と電話番号を記入しました。

あまり借りる人はいないようで、
私の前に借りた人の日付けは、半月以上前でした。


もっとクリアに聴こえてくると想像していましたが、
時折、受信が悪くなって音が小さくなったり、
ボリュームを最大にするとノイズが入ったりで、
これなら、私の愛用している集音器の方が優秀だな、
と言う感想です。

でも、なにごともトライして経験を積むには、
とても良い機会でした。


映画主催の営業部の方に教えて頂いたこの邦画の字幕上映は、
年が明けて別の映画館で上映されるとのことなので、
そのご厚意をお受けするために、また観て来る予定です。





聴力補助の専用受信機。

下が受信機で、上が見た通りヘッドホン。
この2つを繋げて、受信機を首からかけて受信部分をスクリーンへ向けます。

しかし、スクリーンと言うか、スピーカーあたりに向けた方が、
音が良く受信されるため、
首からかけずに常にスピーカーに向けていました。

しかし、時折、不安定な受信でした。

ブランケットと一緒にお借りしました。

また大好きな映画を観れることがとても楽しみです。


あら、今日の記事はとても前向き。
いい傾向です。

カミングアウトのタイミング

2009年12月20日 | 対人関係
難聴であることをカミングアウトするのは、
簡単なようでとても気合がいるものです。

状況によっては申告しない方が良い場合もあるし、
申告しても、あまりいい状態にならない場合もあり、
また、申告のタイミングも掴みにくいものです。


先日、この記事の最後の方で書いた、
憧れの人が経営するバーへ来訪しました。

ほんのちょっぴりおしゃれもして出掛けました。
その日のために、美顔エステとアカスリエステ、
顔剃りエステと美容院にも行ったし、3キロ程のダイエットも成功しました。
理想体形には、まだまだ程遠いですが。


バーではお客さんは他にもいますから、
憧れの人と話しができるチャンスがあるかどうかは、その時の運です。

運よく、憧れの人が、私と友達の側に来てくれ、話しかけてくれました。

友達は、15才程年下の女性で、現役新聞記者。
著名人の取材や、カメラマンもしていましたから、
人の話しやいい表情を引き出すプロです。

彼女の高度な話術で、そんなに饒舌ではない憧れの人が、
いい表情を見せてくれ、素直にありのままに、
様々なことを語ってくれました。

語ってくれている内容がほとんどわからないもどかしさがあるものの、
時折、私からも質問したりして、それにもきちんと答えてくれたりで、
幸せなひとときを過ごせたのですが、
難聴を申告するタイミングがつかないまま、
憧れの人は他のお客さんのところへ行ってしました。

4時間程、長居させていただいたのですが、
帰る時に、諸事情で憧れの人は外出中で、
結局、難聴のことは言えませんでした。

帰る時にスタッフさんに、難聴を申告しました。

「最初に言ってくれたら良かったのにぃ。」と、笑ってくれましたが、
その最初をどう言えば良いのかが、
私のこれからの課題なのかもしれません。


何年か前に趣味の関係で知り合った片耳難聴の友達に、
今回の件を報告がてら、
申告のタイミングや申告方法をメールで尋ねてみました。

その友達によると、やはり、
申告する場合と、申告しない場合があるとか。

申告する場合は早く言った方がいいとのこと。

その友達の申告の仕方は、
「実は、先に言っておいた方がいいと思って…
 私、生まれつき難聴で言葉も聴きづらい時があって、
 何度も聞き直してしまう時があるから迷惑かけるかもしれないけど、
 ごめんね。」
と、先に宣言してしまうそうです。

私もこれからはこんな感じで申告できるように、
頑張ってみたいと思いました。

補聴器を見せる髪形にするのも、ひとつの手かなとも考えましたが、
友達は「無理しないようにね。」と言ってくれました。

補聴器を見せることへの精神的な部分を、
よくわかってくれてる心強い友達です。


またいつか憧れの人に逢いに行く機会があれば、
申告できるように頑張ってみるつもりです。

「目標ができましたね。」とも言ってくれました。
本当に素敵な友達です。



憧れの人が語ってくれた内容を、あとから現役新聞記者の彼女が、
全てを通訳してくれました。
本当に有り難いことです。

職業柄、本当にわかりやすく説明してくれます。

私が質問しておいて、聞き取れなかったことが、
彼女の通訳で明確になったり、
語ってくれた内容の濃さに感動したり。

私は、ただその場にいて、ただごまかし笑いしていただけだけど、
こうやって、あとからでもその時のことを知ることができたことに、
感謝しています。


それと同時に、タイムリーにこれらの話しが聞き取れていれば、
突っ込んだり馬鹿言ったり、さらに質問したりできるのにな、
と、私には不可能なことを考え、少し悲しく思いました。

できない中で幸せを見つけることは得意だし、
できないことを諦めるのにも慣れたけれど、
やっぱり私は、人として大切な、
人との触れ合いの軸が欠けている気がしてなりません。

申告することで、人とさらに触れ合うことができるかな。

申告しないとわかってもらえない障害。
申告しても、ほんとに聞えてないの?と疑われる障害。

色々としんどいですね。

人の話しを聞かない

2009年12月18日 | 雑記
「えっ?」と聞き返すことが多いらしいある人。

その仲間が、
「お前、通信簿に人の話しを聞かないって書かれたことあるだろ。」
と言われていて、
「あ~、あるある。書かれたことあるっ。」と、
得意げに答えていました。

一同、爆笑。


最近耳鳴りがする人が、その感覚がしんどくてぼーっとしていたら、
「あなた、人の話し聞かないよね。」と友達に言われたとか。


世の中、聞き返したり、ぼーっとしていると、
人の話しを聞かない人と言う解釈になるんだと、
今さらながら思うこの頃です。

なら、私はいつも常に、そう思われているんだろうな。
聞き返すし、常に耳鳴りがしているし、
何の話しで盛り上がっているのかわからずぼーっとしちゃったり、
ごまかし笑いをしていることもあるから。

人が寄って来なくて(人望がなくて)当然と言うか、仕方がない。


聴力に問題のない人は、人の話しを聞かないと言われても、
あははは、って感じでオチに使って笑いに持っていけるけれど、
聴覚障害を持つ身には、「人の話しを聞かない」と言われるのは、
結構しんどく、精神的にこたえる言葉です。

聞かないんじゃなくて、聞き取れていないんだもの。
だから、笑いに持っていけないもの。

この違いは健聴者に、一番理解してもらえない部分だと思います。


「聞こえないなら、ちゃんと聞き返せばいいじゃない。」

たいていの人はそう言ってくれるけれど、
聞き返すことで、その場の空気やノリが乱れるものです。
1対1ならともかく、グループで盛り上がっている時は。

だから、グループでわいわいしている時や会議などで、
聞き返すと言う行為は、そんなに簡単なものではありません。

そういう心理も理解してもらえない部分だと思います。


グループでわいわいして、
あとからその時に盛り上がっていた内容を教えてもらうと、
愕然とすることがあります。

ほとんどの内容は聞き取れていなかったし、
こんな楽しい話しをみんなでしていたのに、
私はその場にいたのにも関わらずごまかし笑いだけして、
気持ちも心も、その場に加われていなかったんだなと。

あとから、内容を教えてくれる人の優しさを感じつつ、
大勢の中にいる孤独を改めて感じる時です。

楽しい時間だったけれど、寂しさも感じる時間になってしまいます。

その場で一緒に盛り上がることができれば、
たくさん話したいことがあるんだけどな、と、いつも思います。

タイムリーにみんなとおしゃべりができないもどかしさ。
会話のキャッチボールができない悔しさ。

本当につまらない人間に見えるでしょうね。


今、ちょっとだけ気持ち落ちてます。

憧れの人に逢いに行った時のことを、
ほんのちょっぴり引きずっているからです。

憧れの人に久し振りにお逢いできて、
本当に素敵な時間を過ごしたのですが、
結局、難聴のことを申告するタイミングがわからず、
当然のことながら、会話はうまくできず。

その時のことは、またいずれ書きたいと思います。

映画

2009年12月15日 | 映画
障害手帳を取得してから、
どこの映画館でも手帳を掲示すれば1000円で観れることを知り、
今後は映画鑑賞を趣味のひとつにしたいなぁと思っているところです。

付き添いも1名もしくは2名が1000円で観れる映画館が多く、
家族や友達と一緒に見に行けば、お得ですね。

この半年で手帳を掲示して観た映画は、まだ3本。
まだまだ趣味の領域に達していません。

市内に映画館がなく、
観たいと思う映画はたいてい電車で30分以上かかる場所まで出向かないと、
と言うことも関係しているかもしれません。

今のところ、時間ができたらふら~と行ける感じとは無縁です。


洋画は必ず、日本語字幕版を選んでます。

最近は、字幕だと理解できない若者が増えているとか。
瞬間的な読む能力が衰えている年代なのかもしれません。

インターネットの普及で、速読に強い年代でもあるかと思うのですが、
活字離れの年代でもあるから、人それぞれでしょう。

日本語吹替版じゃないと内容がわからないと言う若者をテレビで見て、
私とは全く逆だけど、理解できない点は同じなのかなと思いました。


聴覚障害者は、例え6級であっても、
洋画を日本語に吹き替えされたら、内容はほとんどわかりません。
時折聞き取れる台詞から推測し、
目から入るものだけで感じ取るものになってしまいます。

字幕版ですと、速読が得意なためか、内容先送り的だけれど、
目から入るものとプラスして、理解度が増すので感動も倍増です。


夏にある邦画を観に行きました。
当時は邦画の日本語字幕のことはよくわからなかったので、
普通に字幕なしのものを鑑賞しました。

目から入るものと、時折聞き取れる台詞で楽しめたものの、
あのシーンのあの台詞がちゃんと聞き取りたかったとか、
理解できない場面もあったのが残念でした。

邦画は楽しめない宿命なのかなと思っていた矢先、
この冬観たいと思っている邦画の公式サイトに質問をしてみました。

「日本語字幕版を上映する劇場はありますか?」と。

その質問に対して、映画関係スタッフが、
日本語字幕版を上映する日本全国の劇場と期間を、
公式サイト内にアップして下さいました。

邦画にもこんなサービスがあることに感動してしまいした。
今まで知らなかったことを悔やむ次第です。

邦画の日本語字幕版。
初めての体験です。
映画関係スタッフへの感謝の気持ちを込めて、この冬、
今月と来月にかけて劇場を梯子して、2回観に行くつもりです。


映画公式サイトに日本語字幕上映情報がアップされてすぐ、
中学生らしき人からの質問がありました。

「日本語字幕ってことは、この映画は英語なんですか?」と。

日本の映画なのに、字幕があること。
きっと彼女にとっては不思議なことなのでしょう。


聞こえない聞き取れないことでできないことはあるけれど、
好きな世界を楽しむことは諦めないでいたいです。
そのためにできることは、
こうして欲しいとお願いすることも必要なのかな、
と、最近思うようになりました。

こんな私でも、日々成長しているのかもしれません。

パートの仕事

2009年12月10日 | 子ども時代~成人時代
子育てで専業主婦が続いた私は、
趣味関係で遣うお金を自分で捻出したくて、働き始めました。

フルタイムではなくパートですが、私にすれば一大決心です。

ずっとやってみたかった仕事があったので、
その仕事の求人募集を知り、応募し、面接を受けました。
35才の時でした。
結婚して、10年ちょっとぶりの社会復帰です。

面接は、その営業所の所長の女性上司と1対1でした。
距離が近かったためかスムーズに面接ができてしまい、
難聴のことは言えませんでした。

採用され働くことになり、本社で1週間ほど研修を受け、
さらに3週間ほど、女性所長と先輩女性に指導を受けました。

所長は私の難聴に気付くことはなかったのですが、
指導係の先輩が、「あなた、ちょっと耳が遠いよね。」と。
そして、所長に報告したようです。

所長は私を営業所の裏に呼び出し、
「何で面接の時に耳が悪いことを言わなかったの?」と、少々怒り気味。

「耳が悪いことを言えば、採用してもらえないと思ったからです。」
と、正直に答えてしまいました。

「でも、みんなとコミュニケーションがちゃんと取れないと、
 感じ悪いとか誤解を受けるのはあなただよ。
 誤解される前に、ちゃんと耳が悪いことをみんなに言わなきゃ。
 何かあってもあなたの責任だからね。
 それでもいいのなら仕事を続けてください。」
と、このようなことを言われました。

所長の仰ったことは、正に的確でその通りだと思います。
きちんと言わなかった私が悪い。
本来なら面接で言うべきことだったと思っています。

言えば、採用されないだろうし、
言えば、壁を作られるし作ってしまう。

そして、新人の私が、先輩達みんなに簡単に言えるなら、
最初から言ってます。
言いたくても言えなかった心理。

でも、言わなかったら責められる。


所長はとても優秀な人だったけれど、
私は、これらの言葉がずっと胸にこびりついていて、
心を開くことはなかったです。

私が働き始めて1年しないうちに異動して行った時は、正直ホッとしました。

それ以外の仕事の仲間はいい人達に恵まれました。

しかし、昇格もなく、班長や企画長など任されることもなかったです。
会議での発言力がほとんどないので、
長の付くポジションは無理と判断されていただろうし、
ただもくもくと自分の仕事をしっかりやり遂げるのみでした。

精神面で色々と限界を感じ退職したのは、ちょうど5年間勤務を続けた頃。
もう夢を仕事にしないと、再度決めました。


その後、今の仕事に出会うまで、
短期アルバイトをたくさん経験しました。

短期で、大勢の中での仕事だからか、
難聴で困ったことはほぼなかったです。


巨大倉庫で、本やCDの梱包。
クリスマス時期の玩具の仕分け。
洋服メーカー倉庫でピッキングやタグ付け。
食品メーカーでお歳暮伝票整理。
飲料メーカー工場で景品付け。
郵便局で葉書の仕分け。
葬祭場でのパントリーや清掃。
国勢調査員。

私としてはとても楽しいアルバイト生活でした。


今の仕事に出会ったのも、これの経験があったからだと思ってます。

まぁ、そんな大袈裟な仕事ではなく、
誰にでもできる、ほんの小遣い程度のささやかな仕事です。

今の仕事は、4年目に突入。
1人で自由な時間にできるので、ストレスが全くないです。

仕事をくれるお取引先が、私の難聴を考慮し、
メールで伝言をくれることも助かっているひとつです。
私からの仕事の報告も、メールでできるようにして下さっています。

体力気力の限り、またお取引先が仕事を持ってきてくれる限り、
ずっと続けていけるといいなと思っています。
今後も変わらず、よろしくお願いします。