感想が、遅くなりました。
「トラツシュ!」は、久々のミニシアター系の映画。
「みゆき座」は、トーホー系列のそれなりに大きな劇場だし、この映画自体も日本では東宝東和が配給しているから、本当の意味でのミニシアター系とはいえないかもしれません。
でも、内容的には万人受けする映画ではないし、監督・脚本が豪華とはいえ、誰もが知っているかというと微妙な線だし、上映館数も少ないから、やっぱりミニシアター系かなと。
私はこの映画、好きです。
好きだけど、無条件に面白かったよ!と勧められるかというと、むつかしい。
(そこがミニシアター系)
シリアスでドキュメンタリーっぽい造りなのかと思わせながら、シニカルなユーモアが漂っているし、なんか、ファンタジーだし。
ラテンアメリカの貧困と不正に立ち向かう少年たちの感動作、と思って意気込んで観ると、思いっきり肩すかしをくらいます。
冒頭がかなりショッキングだから、わっと映画にひきこまれていきますが、途中で、あれ?なんか変?みたいになって、もちろん、感動的なシーンや台詞もあるんだけど、最後は、これ?みたいな。
ただ、見終わった後、心に何かが引っかかる作品。
私が印象的に感じたのは、不正に加担している警官の日常が垣間見えた場面。
ありふれたダイニング・キッチン。
奥さんが料理を作り、娘はダイニング・テーブルの上で宿題をしているシーン。
どうでもいい場面なのかもしれないけれど、この小さなカットで、この悪徳警官を憎めなくなるのです。
なんか、わからない感想ですね。
すみません。
昨日の夜、お兄ちゃんと「ホビット」を観たのですが、こちらは、まさしく娯楽作品。
マイマックスの効果を活かした迫力満点の戦闘シーンとか、ワクワクドキドキする展開とか、ツボを押さえた作品。
ああ、面白かったね!と、素直に言えます。
スッキリ、さわやか、しみじみしても、心にトゲは残りません。
「トラツシュ!」、「ホビット」って、2日続けて全く違う映画を見たせいで、いろいろ考えることができました。
こういう取り合わせ、たまにはいいかも。