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この映画は、結構評価高いですけど、戦争映画で感動したとか、いい映画だというのをきくと、なぜか警戒して、反発してみようとしなくなる自分がいるわけですが・・・最近では、なぜか反戦映画に祭り上げられた男たちの大和なんていう映画もありましたが、そのときは、思ったとおりのくだらなさだったので、よけいかもしれません。・・・あれは、最悪の映画だったなあ・・・って、その話ではありませんね。話を元に戻しまして・・・
目黒シネマで2本立てでやっていたので、なんか、急に勢いでみちゃった方がいいような気がして、観てきました。
時間の関係で硫黄島・・・からみたわけですけれど・・・おかげであの銃弾や爆発の土煙に覆われたあの山の中にどんな人たちがいたのかを認識しながら父親たち・・・をみることができましたし、上陸のシーンや船がいっぱいいるシーンも硫黄島からの手紙では遠くからしか見えないものが、父親たちの星条旗で、その人たちがどんな人だったのかを認識できるという・・・一気に見たせいもあると思いますが、両方の側からの視点で描くというのはうまくいっていたと思います。
日本側の立場から、よくここまでつくりましたね。きちんと日本の側から調べたというか、日本側からの意見をたくさん聞いたのだろうと思います。そういう姿勢が、物語をあまり違和感無くみることができます。日本的にしかもハリウッド仕立てのすごい迫力で再現したところはやっぱりすごいです。
でも、気になることもあります。自分の知識がないせいもあるんですが、あんなに白いご飯をはんごういっぱいに一人の人が食えるのかだとか、回想シーンの家の中がきれい過ぎるとか、話し言葉も現代風でいやだったり・・・その点では軍国主義教育の中で育って、戦場に来た人たちという感じがしないんです。男たちの大和よりは何百倍もいいですけど・・
中村さんは男たちの大和並にくだらなかったですけど・・・役も悪い役だからというのもありますが、何か勘違いしているところが気に入らない。
渡辺さんは、自然すぎる台詞まわしが逆に不自然でした。
他の人もそうなんですけど、自然な演技というよりは、自然な演技をしている人の演技をしているような感じでした。
たまに聞こえる外野の声は日本映画的な不自然さもありました。
散々やられっぱなしな映像が延々と続いて、後半はちょっと退屈しましたが、最期に手紙が ばざばさっと落ちるシーンは泣きました。そうそう、一番違和感があるのはそれを掘り出すのに「慎重に」とかいってる声がわざとらしいし、そういわれている割には荒っぽい作業をしているところです。演出とはいえ、大切な手紙ばら撒くなよってあとで思いました。涙してなんなんですけど・・・
戦場で亡くなった人たちへの敬意が表れている映画ですが、その死を美しく描かずに、なぜこの人たちが死ななければならないの?と思わせてくれるところには共感できます。
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自分的にはこっちのがよかったです。日本人の側からだと、どうしてもあら捜しをしてしまうので・・
しかも、これを見る前に日本の側からの視点も頭に入っていたので、みやすかったのもあります。硫黄島からの手紙での圧倒的にやられたという印象は、この映画でなくなりました。結局、どっちの視点からみても、兵士にとっては、やられていく視点しか無いのだろうと・・・思いました。そう思わせてくれたという点だけでも、なかなかにいい視点を持った映画なのかもしれないなあ・・・と・・・ちょっとだけ思いました。
ただ、外国人は誰が誰やら・・・ヘルメットかぶってるからよけいわからないし・・・
船から山に向かって一斉に攻撃するシーンは本当にすごい映像でした。
あの有名な星条旗を掲げる写真から、一躍英雄に祭り上げられた3人、アメリカ本土と硫黄島の激戦のギャップの中でもがき苦しみます。まつりあげるが今回は好きですね。祀り上げる?
2本立て続けは疲れます。