唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

乳房 (文春文庫)/池波 正太郎

2009年12月09日 | 鬼平犯科帳
乳房 (文春文庫)
池波 正太郎
文藝春秋

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実は鬼平犯科帳の番外編だったんです。
「まるで不作の生大根をかじっているようだ」と捨て台詞をはかれて男に捨てられたお松という女の人がその男を殺しちゃうんだけど・・・それが人生の転機になります。
人は環境や人とのつながりで良くも悪くもなるんですね。

鬼平とお松さんは、本当にただすれ違うだけの感じなんだけど、話はその2つの流れが重なり合うのです。そこんところがおもしろいですね。人間と人間の結びつきって、案外遠そうで近かったり、近そうで遠かったり、ただ単にそれぞれが、相手を認識しているかどうかですもんね。知らず知らずに・・・なんて事もあるわけです。

悪いことをして、それが人生の転機になる・・・これも人生ですね。

時々思うんです。
昔悪い人が更生していい人になると、美談になるけど、もともといい人が悪いことに手を染めちゃうと、すごくひどい言われ方をします。-1+1=0で、1-1=0で同じなのに、-1+1=2になって、1-1=-2になっちゃう気がするんだけど・・・若いうちに悪いことをやったもん勝ちってことなのかな?

でも、そうですね。年を重ねて、その人生を評価するのがあたりまえか。-1→1=+2と、1→-1=-2になるわけで、というより、-1+2=1で、1-2=-1ってことですかね。
その時点の到達点を評価と、そこまでのプロセスを評価するからそうなるんですね。

自分で納得!

鬼平犯科帳 第2シリーズ 第8話 盗賊二筋道

2009年12月09日 | 鬼平犯科帳
鬼平犯科帳 第2シリーズ DVD-BOX

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人情話です。なかなか話はいいんですけど・・・

今回は何となく、あまりにも平蔵さんがいい日と過ぎてものわかりが良くて、ちょっとやりすぎな感じがしました。

そして、狗になった人たちがそろって歩いているところは、すごく違和感を感じて・・・
なんだろう・・・今までにはない感覚ですが・・・

いい盗っ人がいい人すぎるし、みんな平蔵に心酔しているワケですけど、なんとなく、洗脳されているようにも見えて・・・

平蔵のいい人振りがわざとらしい感じがしたんですよね。

ドラマのつくりのせいか、原作のせいかはわからないんだけど・・・
原作を全部読んだときには感じなかったんだけど・・・

ドラマ自体はそれほど出来が悪いとは思わないんだけど、だからといって、すごくいいわけでもないんだよな。どこかに入り込めない何かがあるんです・・・それが何かがわからないんだけど・・・

あの盗っ人のひと、殺されちゃうけど、俺でさえ、そうなる不安を感じたのに、あの中の誰一人それを思わなかったのかとそれが不思議です。あそこで人情話に持っていくよりも、みんなで、何でそれに気付かなかったのかを猛省すべきだと思うし・・・

ああ、そうだ。盗みを手伝おうとするところから、なにか変な感じがしたんだ。
いい盗っ人に対してはやさしいんだけど、その人をだましながら一網打尽にするやり方、同じ盗っ人家業の仲間がそういう罠にかかっていくのを黙って見ていられる足を切られた盗っ人のひと。実はみんなあまりいい人じゃないような気がしちゃったんですよね。

それに、その殺されちゃった盗っ人のひとが、盗みを計画していることを知った時点でくちなわのひとは彼がみんなを売った犯人じゃないことはわかりそうなもんだけど・・・

原作の話をぜんぜん覚えていないんだけど、こんなにいい加減な話だったのかな?

おまささんにもちょっと違和感があったんです。明るい感じは似合わないです。