乳房 (文春文庫)池波 正太郎文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
実は鬼平犯科帳の番外編だったんです。
「まるで不作の生大根をかじっているようだ」と捨て台詞をはかれて男に捨てられたお松という女の人がその男を殺しちゃうんだけど・・・それが人生の転機になります。
人は環境や人とのつながりで良くも悪くもなるんですね。
鬼平とお松さんは、本当にただすれ違うだけの感じなんだけど、話はその2つの流れが重なり合うのです。そこんところがおもしろいですね。人間と人間の結びつきって、案外遠そうで近かったり、近そうで遠かったり、ただ単にそれぞれが、相手を認識しているかどうかですもんね。知らず知らずに・・・なんて事もあるわけです。
悪いことをして、それが人生の転機になる・・・これも人生ですね。
時々思うんです。
昔悪い人が更生していい人になると、美談になるけど、もともといい人が悪いことに手を染めちゃうと、すごくひどい言われ方をします。-1+1=0で、1-1=0で同じなのに、-1+1=2になって、1-1=-2になっちゃう気がするんだけど・・・若いうちに悪いことをやったもん勝ちってことなのかな?
でも、そうですね。年を重ねて、その人生を評価するのがあたりまえか。-1→1=+2と、1→-1=-2になるわけで、というより、-1+2=1で、1-2=-1ってことですかね。
その時点の到達点を評価と、そこまでのプロセスを評価するからそうなるんですね。
自分で納得!