![]() | 奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝 (新潮文庫) |
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新潮社 |
ガラスの仮面のアニメを見て、それで、奇跡の人の映画を見て、ここにたどり着きました。
とても薄い本なのですぐ読めます。
子ども時代のヘレンのところはとても面白いです。
言葉は心の声なんだなあ…と感じます。そして、文章の表現で、あたかも見えて聞こえてるような表現があります。そして、ヘレンが感じたことの表現というのは、本当にみて聞いたものなんだろうと。物理的に見えるわけではないし、音も聞き取れるわけではないけれど、体で感じること、振動や空気感、手で触った感触、本や学習で身に付けた知識、すべての経験から判断した結果、それが見たり聞いたりした体験になるんだと思います。でも、それには、多くの人の協力もあったことがわかります。
そして、普通の人よりもいろんなものを感じて生きていることがとても素晴らしいと思います。
特に自然とのふれあいが素晴らしい。
風が体をふきぬけることや、水の流れ、木々のざわめき、生き物の躍動、一つ一つの何気ない運動自体がなんか奇跡のような気がしてきます。こんな美しいものを人間は壊してきたわけですが。
都会の喧騒にも触れています。やはり、自然の中にいるときとまったく違って、ストレスを感じるようです。
貧困、格差社会についてものべています。
ヘレンの奇跡は、努力のたまものなんだけど、家がそれなりに裕福だったからこその結果ともいえるような気がしました。
旧約聖書の一説なんかが所々に出てきてそれもまたおもしろいところです。