新訳 思い出のマーニー (角川文庫) | |
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KADOKAWA/角川書店 |
映画が面白かったので読んでみました。
映画の舞台が日本だったので、洋風な屋敷と外国人と、日本人の登場人物の重なり具合が微妙に違和感があって、「かずひこ!」とか言われちゃうと、日本にする意味は何かあったのか不思議な気がするし。まあ、「かずひこ」という名前で古い人なんだろうというのもわかるわけだけど。
小説はそういった違和感は当然ないので、その分流れもスムーズ。というか、明確にマーニーとの交流の前半と、お屋敷に引っ越してきた人たちとの交流、マーニーのなぞ解きの後半に分かれていて、この流れもよくて、後半では、マーニーが記憶や記録の中の人物になっていて、前半の生き生きとしたマーニーが静止した動かないものになってしまったさみしさ、そしてそこからアンナが動き出し、マーニーの記憶もみんなの中で動き出すような、最後はなんというか静かな感動とでもいうのでしょうか。とても優しい気持ちで本を読み終えました。
後半に出てくる家族が良かったです。
そして最後、マーニーは昔の人でなく、今あったような感じで言うのよ・・・ってところが、とてもうれしくなるのです。
そして、映画では設定上(?)語られなかった、アンナの名前の意味が素敵です。