しこたまらいふ

大谷翔平と大滝詠一の生まれた岩手県奥州市で、スローライフを実践中♪ 田舎暮しや食べ物の話題。

うめる 【方言】

2024-11-19 | 岩手県奥州市の方言
「うめる」は、(うすめる)の略で、

「じゃっ!なんたらしょっぺみそ汁だな。お湯っこでうめだほいいぞ」
(えー、ずいぶんしょっぱいみそ汁だな。お湯で薄めるほうがいいですよ)

「なんぼあっつったって、温泉どごうめる人はねんだ」
(いくら熱くても温泉を水で薄めてはだめですよ)



語源からそれほど離れているわけではありませんが、文脈の中で使われると意味不明ですよね。
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たんがぐ たがぐ【方言】

2024-11-18 | 岩手県奥州市の方言
この表現は、東北地方で広く使われるもので、(持ち上げる、運ぶ)という意味です。大きなものや重いものを運搬するときに使います。軽いものや小さいものには、あまり使いません。(小さいものには、「持ってきてけろ」を使います。「消しゴム持ってきてけろ」)


「ちょっとよ、この台っこたんがいで助ろや」
(ちょっと、この台を運ぶの手伝って)

「薪積むがら、小屋っこさたんがいでけろ」
(薪を積むので小山で持ってきてください)

語源は、古語の(担ぐ・たがく) ... 肩にのせる。かつぐ。でしょう。

ちなみに「たんがぐ、たがぐ」の「が」は、鼻濁音です。。。ネイティブ以外は発音が難しいです。


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こでられねー 【方言】

2024-11-16 | 岩手県奥州市の方言
ある夜のこと、40年来の酒飲み友達夫婦と4人で江刺の料亭へ。
いろいろ食べて、料理の中盤に出てきたのがこの蟹さん。
香箱ガニです。脚の下には、たっぷりの身と内子。プチプチ外子とむっちり内子の対比が楽しい逸品です。


そこに合わせるのは、
白岳仙 純米大吟醸 黒鉄 のぬる燗
ふんわり華やかな香りが蟹の風味を引き立たせて鼻腔をくすぐります。


前置きが長くなりましたが、そんな時使う言葉が
「こでらんねー」(堪えられない  たまらない)です。
ものすごくたまらない時には、「何もかにもこでらんねー」を使います。

カニを食べるときにもいうと紛らわしいです(^_^;)
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ちょどして 【方言】

2024-11-15 | 岩手県奥州市の方言
「ちょどして」は、広く東北地方で使われる言葉で、(おとなしくしている)という意味です。

「なんたらはやはやずわらすだな。いってでちょどしてねんだもの」
(ずいぶん落ち着きのない子供だね。ぜんぜん静かにしていないもの)

「なんだで。そいずちょしてわがねじゃ。ちょどしてろ」
(こらー、それをいじってはだめだよ。静かにしていなさい)



語源は、判然としませんが、
「鎮とする」(しずめる、おさえる、おちつける)
が近いような気がします。その辺からできた言葉かもしれません。

「はやはやずーわらし」だの「ちょどしてねーがぎ」とかは、今だと何とか障害なんて名前を付けられそうですね。
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はだる 【方言】

2024-11-13 | 岩手県奥州市の方言



「はだる」は、(ねだる)(せがむ)時に使う言葉です。

「孫にじぇんこはだられだ(^^;」
(孫にお小遣いをねだられました)

「いっつもうめのブログさ載せるもんだがら、わげものにはだられだおや」
(いつもおいしいものをブログに載せるものだから、若い人においしいものをせがまれました)

語源は、古語の
[動ラ五(四)]請求する。強く求める。また、取り立てる。徴収する。
だそうです。

なんだりかんだりはだっては、みぐせぞ
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なじょ なんじょ 【方言】

2024-11-12 | 岩手県奥州市の方言



この言葉は、「なに」「どうして」「どんな風に」等の疑問を表す表現です。東日本では同様の言葉がいろんな地域で使われているようです。

「なじょしてやんのや?」(どうやってするのですか?)
「なんじょなっぺや」(どうなるんだろうね)
「なじょにもならねーべ」(どうにもならないよね)

同様に「なじょにもかじょにも」という言葉があります。これはちょっとあきれた感じで(全然どうにもならない)という意味です。
「そんなごどかだったって、なじょにもかじょにもなんねべ」
(そんなことを言っても、どうにもこうにもなりません)

語源は、何如(いかん)をそのまま読んだんでしょうね。

そういえばむかし漢文の授業で、四面楚歌を習ったときに「虞や虞や汝を如何せん 」とでてきましたね。その言葉が転じたものが「なじょ」のように思えます。

そういえば、美空ひばりさんの歌にも「娘はなじょして泣いた」とか出てきたような気がする。
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いってで いってにして 【方言】

2024-11-10 | 岩手県奥州市の方言



「いってで」は、(いったい)とか(ぜんぜん)という意味です。この言葉の後には、疑問とか否定的な言葉が続きます。

「いってでよー、あいずはっぱわげわがってねんだっけでー」
(まったく、彼はさっぱり訳がわかってないんですよ)

「じぇんこ払ったのに、いってで物わださねずのは、何如なもんなんだべな」
(お金を払ったのに、全然物を渡さないってのは、どういうことなんでしょうね)

「いってにして」は、(一体全体)というほどの意味で、これも疑問や否定文が続きます。

「いってにして、なしてそんなごどすんのや?」
(一体全体、どうしてそんなことをするんですか?)

どちらも語源は、(いったい?)(一体全体?)だと思います。
ネットで調べてみるとほかの地方では使われていないようなので、「げね」と同様に岩手県南特有の方言なのかもしれません。
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食べ物の言い方 【方言】

2024-11-07 | 岩手県奥州市の方言



あまり食べ物の表現について書いてこなかったので、取り上げてみます。
むかしの農村では、ほぼ自給自足で同じものを食べていたからか、基本的には方言があまり使われていません。

単純に濁音がついたもの
「わがめ かぎ みがん おぢゃ」等々。たくさんあります。簡単そうでどこに濁点が付くのか実は難しい。鼻濁音もあるし。

次にその土地固有のためか
キノコ類は、ほぼほぼ方言。「わげ ぼり ごんどかぶり むらさぎ ばぐろ」等

それ以外には、

「おごご」漬物。(香の物)「おら浅漬けよりも古漬けおごごの方すぎだもな」

「ぎっつ」(牛乳)「このぎっつなんだがあめだ」

「すす」(お寿司)「寿司ど煤ど獅子の違いわがっか?」


「やおや」(野菜)「やおやもかんねばわがねぞ」

「しょつこ」(焼酎)「あさがらコップっこたんげで、しょつこばり飲んでる」

「はっと」(うどん、すいとん)「ご飯ばりでねぐ、たまにはっともいいもんだな」

後は思い出したら加筆します。
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とぜん 【方言】

2024-11-04 | 岩手県奥州市の方言




「とぜん」「とぜんこ」は、(ひま)(さびしい)などの意味で使います。

「なんだが大谷の野球おわったれば、とぜんこだもな」
(大谷選手の野球が終わったので、暇です。)

「工業団地さ来てら友達転勤になったれば、とぜんこだ」
(工業団地に都会から来ていた友人が転勤したので、さびしい)

語源は、(徒然)(つれづれ)です。そのまま「とぜん」と読んだんですね。古語です。類似の表現は全国的にあるようですから、昔はいろんなところで話されていたのかもしれませんね。

「はやぐ大リーグ日本で開幕しねべが。とぜんこだー」

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くちぱし なげー みじけー 【方言】

2024-11-03 | 岩手県奥州市の方言
なにかおいしいものを食べようとしたときに、「こんにじわー、なにしてましたれー」なんて突然現れる人がにいます。
そんな時に使うのが「くちぱしなげー」(くちばしが長い)です。「なんたら、くちぱしなげーで!」と言います。(いいタイミングで来るよね)というほどの意味です。

それとは反対に、おいしいものがすっかりなくなってから来たりすると「なんたら、くちぱしみじけもな」(あらら、残念だったね)といいます。鳥のクチバシに例えているところが面白いですね。

釣りソイのお刺身。食感が抜群です。くちぱしが長い人だと、いざ食べようとするときにニコニコして現れます(^_^;)


これは、釣り師の友達が釣り上げたとすぐに神経締めをして料理屋に持ってきた魚ですから、市場流通品とは比べようもないほど素晴らしいお刺身です。お金を積んでも食べられません。。。ってことは、私が「くちぱしなげー」のかもしれませんね?

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なんだり なんだりかんだり 【方言】

2024-10-30 | 岩手県奥州市の方言




この言い方は、よく使うのですが、標準語に翻訳するのは難しいですね。

「なんだり」(何たり)が、語源のようで、もともとは原因や経過が不明確な様子を表します。はっきりはわからないけど何か変なことって感じです。

「なんだりかだんねんだで」(つまらないことを言わないで)のように否定的な感じです。
「なんだりやってっとばぢあだんだぞ」(へんなことをすると罰が当たりますよ)

「なんだりかんだり」(なんでもかんでも)こちらも肯定的な時には用いられない言葉で、「なんだりかんだりすんなよー」(いらないことをしないでね)ってなかんじです。まだ悪戯が行われていない時に事前に警告する感じです。

なんだりかんだりわっつぁしてっとは、くられんだぞ!
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まなぐ おどげ 【方言】

2024-10-28 | 岩手県奥州市の方言




体のパーツを取り上げてなかったので、ちょこっと書いてみます。
「まぐめ」(つむじ) これは、巻いているからでしょうね。巻く目かな?


「まなぐ」(目) (まなこ)が訛ったもの

「ほったぶ」(頬)頬に「たぶ」は、柔らかいところの意

「おどげ」(顎)古語の(おとがい)

「うっしょこど」(後頭部)後ろ後頭?

「くひた」(首)

「きゃな」(腕)古語の(かいな)

「ずんこ」(おちんちん)

「けっつ」(お尻)

「すぼ」(肛門)「すぼけっつ すぼあな」とも

「ももた」(腿)腿にたぶの略の「た」がついたもの

「ひざかぶ」(膝)膝株か?

「すねがら」(脛)脛柄か?

「あぐど」(踵)かかと

もっとあることはあるんですが内緒です(^_^;)

ちなみに、魚の頭や里いもの親芋等には、頭の意味の「かっしゃ」を使います。語源は(かしら)ですね。「タイのかっしゃ、いもかっしゃ」

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なにかに 【方言】

2024-10-19 | 岩手県奥州市の方言
「なにかに」は、「何も彼にも」の省略された形で、(いろんなこと)(なんでもかんでも)的な言い回しです。方言としては、あまり認識せずに使っています。当然若い人は知りません。大谷選手もたぶん使いません⁉️

「なんたらげねがったなー、なにかにあっからねー」
(なんということでしょう。いろいろあるからね。)

強めの意味に使うときは「なにもかにも」を使います。原意とはちょっと内容が異なっています。
「こねだの前沢牛、なにもかにもうめがったー」
(この前の前沢牛は、すごくおいしかったよ)



蟹がおいしい時にも構文的に使えないことはないのですが、
「こねだの蟹、なにもかにもうめがったー」とするとやはり紛らわしいので、「こねだの蟹、なんのうめがったー」とか「しこたまうんめ蟹だった」を使います(^_^;)

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とどらね とんどらね 【方言】

2024-10-18 | 岩手県奥州市の方言




家の中が散らかし放題とかゴミだらけって時に使います。

「隣のえさ行ってみだれば、なんのいってでとどらねんだっけおん」
(隣の家へ行ってみたら、散らかし放題でしたよ)

また、転じてドラマや小説などのストーリーが複雑でごちゃごちゃの場合にも比喩として使います。

「今度始まった朝ドラなんだけんと、ギャルだのなんだのっていってでとどらねーおな」
(今度始まった朝ドラですが、ギャルとかいろいろで全然ストーリーがごちゃごちゃしてますね)


また、足の踏み場もないことは、
「踏んだでね」といいます。
「なんのゴミやしぎで、ふんだでねぞー。なんだってこだれでなー」
(ひどいゴミ屋敷で、足の踏み場もありません。ほんとに怠けてねー)

「とどらね」「とんどらね」の語源は、「整わない」でしょう。「どどのわね」が訛ったのだと思います。

「まいにじちゃんと掃除するべしな」
(毎日お掃除を欠かさないようにしましょう。)

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せやみ かばねやみ 【方言】

2024-10-05 | 岩手県奥州市の方言
「せやみ、かばねやみ」は、「怠け者」「怠ける」という意味です。

「なんたらはだげ草だらげにしてなー、せやみして」
(なんとまあ、畑を雑草だらけにして、怠けてるなー)
田舎では、庭や畑が草だらけになっているとすんげー非難されます。虫が湧くし、いろんな動物がやってくるからです。

「あのおんちゃん、酒っこばり飲んで、寝びだりだもな。せやみたがりだな。」
(あのおじさんは、お酒ばかり飲んで寝てばかりいるよね。怠け者だな。)
なんとも耳が痛いところです(^_^;

同じ意味の方言で「せっこぎ」というのもあります。これは主に盛岡で聞いたことがあります。南部藩の訛かな?

「せやみ」の語源は、(背病み)だと思います。体が疲れて働けないってことですね。「かばねやみ」は、(体病み)です。同じ意味ですね。

このほか東北地方には、同じ意味で「骨病み」等の方言があります。

ところで、「かばね」で思い出したのが、軍歌?の「海ゆかば」です。この歌の最初の方に「海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍」と出てきます。この場合は、「しかばね」の意味ですが、東北地方では「死かばね」と思い「かばね」を「体」と解したのかもしれませんね。

「海ゆかば」の歌詞は、大伴家持の「 陸奥国に金を出す詔書を賀す歌一首、并せて短歌」(陸奥国で金が出たという詔書を寿いだ歌 )が基になっています。なんだか私の住んでいるところの近くから金が出たということなので、縁を感じて面白いです。
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