がぜん面白くなってきた。
今回の敵は強大だ。
冷徹にて大胆、躊躇がない。
前作を「静」とすれば今作は「動」である。
スケール感も今作が大きい。
前作は一般家庭と市政を取り巻く事件だったが、
今作は軍と国政を取り巻く事件である。
ゆえに謎解きも仕掛けも大がかりになっている。
娯楽性という点では今作が上かもしれない。
が、しかし、その反面前作のような切羽詰まった緊張感はない。
個々の登場人物の悲壮感が薄い。
被害者家族の悲壮感。
政治家の悲壮感。
刑事の悲壮感。
前作はこれらが極限まで追い詰められていた。
観る側も身を削られるような緊張感に苛まれていた。
今作はそれがない。
良くも悪くもリラックスして観れる。
大がかりすぎてどこか遠くで起きた事件のように感じてしまう。
静寂の北欧の舞台にマッチするのは断然前作の方である。
★★★☆~