オープニングが素晴らしい。
オープニング曲だけでエンディングのような充足感を味わえる。
このまま終わってもいいくらいに満足してしまう。
で、中身はというと前々作『カジノ・ロワイヤル』ほどの研ぎ澄まされた完成度はない。
しかし『慰めの報酬』のようなスカスカの空回り作品ではない。
中身はしっかり詰まっている。
豪華さにおいては『カジノ・ロワイヤル』をも上回っている。
静寂が好きな私には少々小うるさいと言えなくもないが、ラストはがらりと趣が変わる。
古風な決闘シーンは『刑事ジョン・ブック 』を彷彿させる。
こういうノスタルジックな007も悪くはない。
★★★☆
アクション物の良し悪しは適役のキャストで決まる。
ハビエル・バルデム。
この男の怪演は天下一品である。
見るものを総毛立たせるような狂気をはらんでいる。
写真は『ノーカントリー』より。