今日のお客さん。
40代前半の若夫婦にそのお父さん83歳。
若夫婦はみるからに礼儀正しく誠実なお方。
現在お住いの65坪ほどの住宅の建て替えを望んでおられる。
65坪のうち40坪の部分はお父さんが30年ほど前に建てらている。
この部分へのお父さんの想い入れが深い。
いまだに深い。
人生そのもののように親密に深い。
たしかにそれだけの材料は使われている。
今では入手困難な屋久杉の幅三尺の化粧板に直径36cmの巨大な床柱。
長さ五間の丸桁に8寸角の欅の大黒柱が二本。
そっくり復元するとなると坪単価100万はかかりそうな豪華な造り。
だから、私はいいました。
3か月前に何度もいいました。
新築ではなくリホォームにしましょう、って。
なのに、若夫婦はまだ新築にこだわられている。
たしかに建ち退きの補償金5000万は心強い援軍。
でも、先の見えないこの時代、5000万全額で新築するより、2000万でリフォームして
3000万貯蓄したほうが堅実でしょうに。
とはいえず、極力こちらからは提案せず、話の流れに沿う形で打ち合わせに加わった。
結局のこころ、新築の方向でほぼ固まってしまった。
お父さんはぶつぶついいながらもしぶしぶ承諾した。
ただし、和室廻りの造りはこのままの復元が条件。
外観もいまの形状に近いコテコテの入母屋にすること。
新築を条件に、気乗りしない難題を突き付けられてしまった。
和室廻りの材料は予算次第で解決するが、外観のコテコテの入母屋はいかんともしがたい。
シンプル入母屋ならいいが、
鬼瓦ありーの、
下り棟ありーの、
付け庇ありーの、
の入母屋はね~
いまどき・・・
お城のような・・・
コッテコッテの・・・
ダさっ。
あ~~
やる前から戦意喪失。