昨日のこと。
自宅までの距離800m。
踏切の前。
運転中に便意を催した。
ガタゴトと揺れれながら線路を横切る。
まだまだぜんぜん余裕だ。
家はすぐそこ。
あと30分かかったとしてもへっちゃらだ。
しかし、過去にこんなことがあった。
◆
2年前、筑後川に架かる橋の手前でのこと。
橋を渡れば商店街が続く。
どこで用を足しても楽勝だと高をくくっていた。
ところが、橋を渡りきる前に突如、限界がきた。
橋の中ほどで早くも渡りきる自信が揺らぐ。
無理かもしれない。
渡りきったとしてもすぐには店はない。
駄目かもしれない。
苦悶しながらもなんとか橋を渡りきる。
ドラモリやマックスバリュまではもたない。
もっと手前になにかないと。
救いの手はあった。
橋を渡ってすぐのところにローソンがあった。
危機一髪で難を逃れた。
◆
世の中、ああゆうことが起こりえるのだ。
踏切を渡ると突如限界がくる、なんてことがないとも限らない。
しかし、私に秘策がある。
万が一そういうことが起きても100m先には実家があるのだ。
そこからいつもの空想が始まる。
◆
突如、腹部に限界のシグナルが鳴る。
想定内の異変。
フン、とばかりに余裕の笑みを漏らす。
10秒後には実家の駐車場。
車を降りて足早に玄関へ向かう。
呼び鈴を鳴らす。
すぐに出てこなくともまだ余力はある。
何度も呼び鈴を鳴らす。
出てこない。
留守。
そういえば車がなかった。
アホな。
もう自宅に帰る余力はないぞ。
即決。
腹をくくる。
ジタバタしてもしょうがない。
実家の庭の隅で用を足す。
数日後、野暮用で父親に会う。
一通り要件を済ました後に、父親がハッと思い出したようにいう。
「この前、うちの庭に誰か太かウンコばしとったぞ。嫌がらせやろか」
◆
などと空想しているうちに自宅に到着した。
今日は楽勝だった。
留守電をチェックして、猫と目を合わせて、雑誌を手に取り、マイトイレに入る。