イングリッシュ・ナショナル・オペラ。2009年6月13日、ロンドン、コリセウム(Coliseum)にて。
Mozart: Cosi fan tutte
Abbas Kiarostami: Director
Susan Gritton: Fiordiligi
Fiona Murphy: Dorabella
Lian Bonner: Guglielmo
Thomas Glenn: Ferrando
Sophie Bevan: Despina
Steven Page: Don Alfonso
12日に引き続いて、イングリッシュ・ナショナル・オペラ。評判の出し物、と聞いていたが、客席は8割強の入り(昨日はほぼ満席だった)。
歌手の出来は、昨日に比べて粒ぞろいではあったが、特筆すべきことは何もない。ソプラノのGrittonは努力賞だけれど、もう少し余裕を持って歌えると良かった。劇場なりの歌手だった。また、今日の歌手は皆スタイルが良くて、その点も考慮して昨日と今日の配役は決められているのかと思ってしまった(昨日はピンカートンもシャープレスも恰幅良かった)。オペラは声が命だけれど、目で鑑賞する部分がある限り、見た目も大切だ。
Directorはパルムドール受賞者のKiarostami。イラン人であるが故に入国を許可されず、Mail等で指示を出したとか。バックに巨大スクリーンを置き、周囲の風景として実写映像とコンピュータグラフィックスを併せた映像を用いていた。先日パリのオペラバスティーユで見たマクベスは、Google Mapを似せた映像を用いていた。オペラの演出も時代と共に変わり行くが、コンピュータ映像って少し安っぽく見える、と思うのは私だけだろうか。
コジ・ファン・トゥッテは、偶然隣あわせたDon Alfonso役のSteven Pageの親戚というご婦人によれば「シェークスピアっぽい」話。確かに、話の筋は、ちょっと教訓じみている。それを深刻にならず、笑いというオブラートに包んで聴かせるのがモーツァルト風。
ただ、納得行かないのは「女は皆こうしたもの」って、そもそもGuglielmoとFerrandoがやったことって何?しかも二人も交換したパートナーとその気になっているのじゃない?