Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

ゴッホ「アルルの跳ね橋」と「プロヴァンスの海と陸」@ヴァルラフ・リヒャルツ美術館

2009-06-20 20:30:00 | ヨーロッパ

「プロヴァンスの海と陸」、ヴェルディ「ラ・トラヴィアータ」中でアルフレッドの父が歌うアリアである。今日、ケルンで、そこの絵を見た。

ゴッホの「アルルの跳ね橋」。

もちろん、アルルに海はないのだが、この絵の美しい、青い空を見ていたら、思わず頭の中が「プロヴァンスの海と陸」になってしまった。この色は、オランダに住んでいたら出せない色だ。プロヴァンスだけが持っている色。

本当に美しい色だ。白と青に、少し緑色が必要かな。そういえば、ゴッホがテオ(弟)に手紙で「白が足りない」と言っていたっけ。

今もまだ足りないなら、住所を教えてくれたら、FedExですぐに送るよ。

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レンブラント「自画像」とストラディヴァリウス@ヴァルラフ・リヒャルツ美術館

2009-06-20 20:00:00 | ヨーロッパ

ケルンのヴァルラフ・リヒャルツ美術館にはレンブラント晩年の自画像がある。中央には勿論レンブラントなのだが、左手に背の高い人の姿を見ることができる。これが誰なのかはいまだに謎らしい。

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この左の人物は、サーベルを腰から下げているようにも見えるし、レンブラントも「ほな、さいなら」とうっすら微笑んでいる(本当に関西弁風なのである、その微笑が)し、なんだか死神みたい、と思った。作成年(1662/63年)から彼の死(1669年)まで数年あるので、違うようにも思うが。

それにしても、この自画像の美しいことといったら。若い頃の作品のような緻密な装飾はないものの、首からかけられたストールが、茶系でまるで美しい木目-ヴァイオリンの木目-のように見えなくもない。

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ただの絵の具とカンバスが、レンブラントの手にかかって絵画という芸術品になった。ただの木と膠が、ストラディヴァリウスの手にかかってヴァイオリンという芸術品になったように。時には同じ素材がゴミになるのに、不思議だ。

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もし、この絵かストラドかどちらか選ばなければいけなかったら、どちらを選ぶだろう(でたでた、非現実的「究極の選択」)。ストラドもいいけれど、近所迷惑になるかなぁ。でも、レンブラントの絵は、見惚れて会社に遅刻するかも。

相変わらず絵の前で、とらたぬ(=取らぬ狸の皮算用)以前のおめでたい空想を繰り広げた、幸せな土曜日の午後。