風の生まれる場所

海藍のような言ノ葉の世界

空や雲や海や星や月や風との語らいを
言葉へ置き換えていけたら・・・

一芸に秀でた人

2008年01月13日 00時36分20秒 | エッセイ、随筆、小説


普通という根拠は曖昧ですが、
治療を行ってきてわかったことのひとつ。
それは一芸に秀でた人は皆
頚椎に問題があるという共通点で、
それが脳の回路に影響や連動をして
普通ではない才能となる。
僕はそう思うのですよ、と
治療でお世話になっている先生の言葉を
なぜか今日思い出していた。


また、頚椎を百パーセント治してしまうと
一芸に秀でたままでは
いさせてはもらえない。
だから、痛みに苦しむことなく、
生活に支障が生じるわけでもなく、
ただし脳回路がそのままで保てる状態に置く。


しめしめ。
私も頚椎が悪いとなれば、
これから一芸に秀でる可能性を秘めていると
身勝手な解釈をして
にんまりしてしまった。
病気を味方につけろと
たくさんの人にいわれて
妙に納得したものだ。
そこにきて、
才能を開花させる
脳回路が備わっているとなれば
楽しみが増える。
それが本当でもそうではなくても
希望が持てるものは何だって有り難く
受け入れた方がいい。


着物を着ると頚椎の痛みが消滅する。
不思議だ。
腰紐が腰椎あたりから胸椎や頚椎を整えるのか
着物の一芸は素晴らしい。
まして、それがはんなりとして美しい布である場合は特に
体の一部として溶けるように
しっとりと肌に吸い付いて
大いなる力に包まれいるみたいに心地よい。


40までには着物を着た仕事をしたいと
漠然と考えてきたからか、
汚れてもいい着物は
箪笥でその出番を待ちわびている。


予感も一芸だろうか、
ひとつ秀でたものを持っていることは幸せだ。
痛みも芸の内だと思った途端、
自分のものになったのか、
すたこらさっさと走り出す
痛みの後ろ姿を見送り、
秀でるという響きに
いつまでも酔いしれていたい。


さて余談だが、
今日は難儀やのぅ~と連発された。
どのようなことかというと、
医師によって入院を即決したり取り消されたり
診断が違ったりすると
患者は何を信じたらよいかわからん、
だから難儀やのぅ~らしい。


結局のところわからないのが本音だろうと思う。
わからないと言えない職業は
私には少し悲しく映る。
正直さも一芸だ。
それが世の中に広がれば、
バラ色とはいかなくても
桃色くらいにはなるのに。
控えめに秀でる。
それを私は今年の目標にしようと思う。