風の生まれる場所

海藍のような言ノ葉の世界

空や雲や海や星や月や風との語らいを
言葉へ置き換えていけたら・・・

haru haru (day by day)

2009年10月17日 09時36分22秒 | エッセイ、随筆、小説






今日は、今夜は特別な時間、無礼講でいこう。
だって、今まで、ひとりぼっちで、頑張ってきたのだもの。

相手はそれを職業とするプロばかりの中で、右も左もわからないのは私ひとりだけ。
そうした構成である交通事故処理という厄介な試練の、
どこだかわからない自分の立ち位置、不安定感、浴びる罵声、差別的な発言、屈辱や人格への攻撃、
それに加え、心細さ、痛みとの格闘、幾度となく経験する医療放棄との遭遇、
見えない障害という新たなテーマとの出合い、私の現実を受容できない家族との確執、主に母との軋轢、
説明書のない自分という存在の取り扱い方法、過去の自分との決別、ただし思い出は含まず。

との、もろもろの理由を楯にして、今夜は飲みます。
遊ぶ、くだをまく、暴れる、泣く、騒ぐ、ごねる、語りまくる。
でも、私はもともと酒が飲めない性質なので、一滴だけアルコールを忍ばせたなんちゃってカクテルで
飲んだ風”を楽しむことにします。

明日になれば日常の、ベッドの上で大人しく横になって、
毛布に包まれて、窓からすこしだけ覗く空を眺める生活に戻りますので。
だから今夜だけは見なかった、なかったことにしてください。
お願いします。

そういえば今思い出したから書き留めることにする。
私、寝たきりになるか、いずれ近い将来に自殺をする運命になるでしょう、と言われたんだった。
加害者側の損保会社顧問弁護士に。

あの日は雨が激しく降って、夜がはじまる時間帯、カフェのBGMと合わさって聞き取れなかったんだ。
で、何ですか?と尋ねた。
体調が悪かったので、壁にもたれかっかった状態でしか椅子に座れないので、
失礼しますって私は誠意ある態度をしたつもりだった。
でも、あなたはよくて寝たきりか自殺をする運命にあるのですよ、と言い直されたとき、
人間の悲しさを見たような気分になったんだ。
こんな状態の私を目前にしてでも、死を意味する言葉を言える人種がいるんだって驚かされたんだ。
人間の残酷さってたぶんこういうことなんじゃないかとも考えさせられたりして。

彼らが希望した状態、寝たきりになるか自殺を・・・・・
あれから2年半が経過した現在においても、残念ながら私は生き抜いている。
いまのところ、自殺も考えてはいない。
生き抜くことこそが彼らへの打撃に結びつくなら、静かに、強かに、生き抜いてやるとある夜、
雨の洗礼を受け、私は決心したんだった。

だから今夜は無礼講でもいい。
1日、1日を、ただひたすら、生き抜いて今日が、今夜があるのだもの。