NHKは時々良く推敲された素晴らしい番組、ドキュメンタリーを放送しますが、これもその一つとして備忘録的に記しておきます。2001年の米国9.11事件、特に世界貿易センタービルへのテロ及び倒壊事件を切掛けにして、世界中の人達の運命を変えた事情をドキュメントした作品でした。
I. 理不尽な一方的暴力(テロ)にどう向き合うか
作品の大きなテーマは「突然テロの犠牲者になる」という「理不尽な一方的暴力」にどう向き合うか?という難しいテーマです。番組では大きく「感情による対応」と「理性による対応」の例を紹介します。
理不尽な一方的暴力に「感情」で対応すると「暴力的復讐」になります。米国は国家として911を首謀したアル・カーイダと連携したとするアフガニスタンのタリバン政権、大量破壊兵器を隠匿するイラクを武力攻撃しました。これらは戦争利得者(warmonger)達には用意周到だった可能性さえ取りざたされていますが、米国民を「テロとの戦争」に駆り立てた点では正に「感情による対応」の結果でした。もう一つの例が米国内でのアラブ系住民への迫害で、実際に「正義のため」と信じてアラブ系米国人を銃で複数名殺害したマーク・ストローマンの例が紹介されます。
911では世界貿易センタービルに勤務していた14名の日本人も犠牲になったのですが、テロで息子を失った日本人の2人の父親の対応が「理性による対応」の例として紹介されます。一人は事件を明らかにするため、米国政府の数百ページに及ぶ911事件の正式報告書の日本語訳を数年かけて書籍として出版する人。もう一人はテロの首謀者とされるウサマ・ビンラディンに手紙を書き、アフガニスタンに出向いて地元の人達と交流する人が紹介されます。アフガニスタンでは米軍の一方的な攻撃で手足を失ったり重症を負った人達に出会います。特に重症を負った少年との交流が紹介されますが、その少年は米国の理不尽な一方的暴力(テロ)に復讐で報いたい、と感情による対応を誓います。
II. どちらの対応にも正答はない
「理性による対応」で探していた答えが得られたか?というと得られません。それは模索に終わります。「感情による対応」は一時的カタルシスを得るように見えますが、現実としては新たな「理不尽な一方的暴力」を産みだし、憎悪の連鎖が広がる結果を突きつけられます。つまり理性の対応に答えはなく、感情の対応は「誤りの答え」しか出ないという事です。
アフガニスタンで復讐を誓った少年の10数年後現在の正確なその後は不明ながら、米軍がアフガン撤退時に米兵にテロ攻撃を行って死亡したタリバン兵が少年と同じ姓名だったと紹介されます。アラブ系米国人を無差別的に殺害攻撃し、死刑が確定したストローマンは、彼の銃撃で片目の視力を失った被害者からの助命嘆願運動を聞かされます。死を前にしたストローマンは自分が一方的に攻撃した相手に涙ながらに「自分が間違っていた事、相手の行動は次のストローマンを産みださないために貴重な行動である事」をビデオ通話で語り掛けます。ストローマンに攻撃された被害者は「彼が死刑になってもテロに対する感情的な対応で新たな悲劇が生まれる社会自体は何も変わらない」と助命運動の動機を語ります。
III. テロへの正しい対応
テロリストを警察活動によって追い詰め、逮捕して裁判で全ての背後関係などを明らかにして裁きを受けさせる事は正しい対応と思います。テロを起こすに至った背景や経緯を明らかにし、社会として対応する事も新たなテロを防ぐ上で重要でしょう。理不尽な一方的暴力を受けた個人は、感情で対応する事は誤った答えしか出ず、理性で対応しても望む答えは出ないという苦しい立場です。だからといって「国家」としてテロリストが属した国家と戦争による報復を行う事も正しい結果は産まないでしょう。番組としてウクライナ戦争や昨年10月のハマスの攻撃に対するイスラエルの対応はどうなの?と問いかけはしないものの、「誤った答えは解るが、正しい答えは出ない」という結論を短い時間で描いた点は一見の価値がある優れたドキュメンタリーだったと思います。
日本全面占領下で朝鮮戦争前夜だった1949年の三鷹事件、松川事件、下山事件など鉄道を使った3大謀略事件で、事件発生直後に早々と当時の吉田茂首相や警察やマスコミなどが日本共産党員や国労組合員の犯行だと断定し大勢を逮捕。もちろん有罪の証拠証言で裁判でも死刑など判決が出る。レッド・パージの嵐が吹き荒れるが、20年ほど後に冤罪であることが判明するが後の祭り。たぶんアメリカ軍諜報部の犯行で、これらの3大謀略事件(白色テロ)の目的は、今も終わらない朝鮮戦争開戦の準備だったことは明らか。
半世紀の時間差があるが、9・11とピッタリ同じ仕組み「戦争開戦の周到な準備」行為なのです。原因が分かれば、少しも不思議は無かった。日本を含む欧米先進国メディア総ぐるみのトランプバッシングも歴史的米朝首脳会談開催(朝鮮戦争終結)の妨害だとすればピッタリ辻褄が合う。
もっとも有名なアメリカ諜報組織による、白色テロと言えば、1963年のJFK暗殺で関係者が全員死に絶える2039年まで76年間封印されている。あと15年後なので、何とかボケずに長生きして見届ける心算です。奈良県西大寺駅前「消えた弾丸」安倍殺しでは喉ぼとけの下が致命傷になった弾丸の射入孔だと執刀医福島英賢教授が説明しているが、JFK暗殺でも運び込まれたダラス市のパークランド記念病院の医師は同じ証言をしていた
「えっ? テロって反政府勢力がやるものじゃないのてすか?」と聞き返されました。
その方はかつてCIAとか西側も政府転覆などの破壊工作していた事も御存知なのですが。
どうも911事件当時に未成年だった方は、その後のアルカイダなどを相手の非対称戦争を報道で見てきているので、
「テロ」がテロリスト(非合法組織)や反政府勢力による行動てあると認識していたようです。
いや…張作霖爆殺事件からトンキン湾事件まで、政府というか体制というか、そういう側が起こした破壊工作は山ほどあると想うんですが。
それを判ってる人が、「テロとは政府側がやるものではない」と(無意識に)刷り込まれているのって、なかなか凄い話な気がするのてすけれど。
しかし先日元刑事警察官であった方の講演を聞き、親しく話す機会があったのですが、「警察が事件化を決めなければ、日本全国に1800名位しかいない検察官だけで日本全体の事件は扱えない。逆に言うと警察が<事件にしない>と決めればどんな非合法も事件にならない。」と明確に述べていました。政府の非合法など初めから事件化しないに決まってます。