印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

明治35年発行の樂善堂領収證をいただく

2024年10月05日 | 店舗経営 接客
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて125年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 先月、近くの老舗お茶屋さん、網代園さんの社長さんからfacebook のmessengerで
「楽善堂さんは、 明治時代、八日町にいらっしゃいましたか? 渥美さんという方の、領収書が出てきました。」とメールをいただきました。明治35年に初代の楽善堂(私の曾おじいさん)が網代園さんに発行した領収證でした。関東大震災(幸い、八王子は火事だけは免れた)、昭和20年の空襲による火災もありながら、よく大切に保管なさって来られたと感動しました。そして初代楽善堂の筆跡も初めて見て、これにも感動しました。

 しかし、筆文字の草書体が部分的に判読できない、『五體字類』(ごたいじるい)で文字を予想しながら調べたら解読できました。三円の内金があって、残金は一円九十銭、合計額は四円九十銭 です。九十銭は「玖拾銭」と草書体で書いたようです。

 私のおじいさん(二代目)は私が四歳の時に他界しましたが、結婚するまでは「渥美」姓、戸籍上は平澤に婿に入り「平澤」となりました。初代の本名は「渥美鋭之助」でしたが、この領収證から、雅号「素六」を使っていることもわかりました。版木職人としての誇りがあって、普段から雅号を使っていたと思われます。当時は印鑑の需要はさほどなく、版木(はんぎ、お寺、神社のお札、印刷の木版の原板となるもの)を彫る職人でした。この領収證に印刷された、武陽八王子の住所、樂善堂の屋号は初代が木版で彫って、当時の印刷屋さんに預けて木版印刷で刷ったと思われます。

 領収證をよく見ると、小さな角印が朱肉で押捺されています。印文は「楽善堂章」です。せっかくなので、これと同じものを復刻したくなりました。明治時代に初代が使っていた印章(はんこ)を令和になって四代目の私が使うのも意義のあることであり、初代も喜んでくれることと思います。

老舗茶舗、網代園さん(明治24年創業)のホームページです。
お茶の網代園 様




▲オリジナルの領収證をいただきました。和紙のしっかりした紙質、122年前のものとは思えません。





八王子 印鑑 楽善堂のホームページ http://rakuzendo.com

楽善堂の印鑑リフォーム専用ページhttp://inkan-reform.com

英語版のページ、外国人のお客様用ページ http://www.name-stamp.tokyo/

楽善堂、gooのトップペhttp://blog.goo.ne.jp/rakuzendo


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