死の恐怖を感じながら、充満する黒煙に飛び込んだ。8日夜のグループホーム「ベルハウス東山手」の火災で、救出活動をした近くの中学校の教諭や消防隊員は9日、「助けなくては」と必死に現場に飛び込んだ状況を振り返った。
「火事です。東山手のベルハウスが燃えています」。海星中の野口等教諭(38)は、部活動を終えて下校中の教え子から出火を知らされ、午後7時40分ごろ119番した。現場に駆け付けると、パニック状態の女性職員が「助けてください」「消防車を呼んでください」と叫んでいた。
2階部分にあたる玄関から進むと煙が充満し、せきや涙が止まらない。自力で歩けない男性高齢者を抱えた女性職員を手伝い、外のベンチに座らせた。
再び飛び込むと、2階の部屋から「ゴトン」という何かが倒れるような音。火が天井に向かって勢いよく上がるのが見え、近くに誰かが倒れているのが分かった。
通り掛かったタクシー運転手らが、倒れていた人を外まで運んでくれた。教諭が屋内にいたのはわずか4分間だったが、長く感じ「自分も死ぬかもしれない」と恐怖を覚えた。
通報で駆け付けた消防隊員は午後7時50分ごろ、建物内の捜索を開始。1階から入った隊員は空気呼吸器を背負い、ライトで照らしながら進むも黒煙が予想以上に広がり、ほぼ何も見えない。車いすの女性を発見し、手探りで状況を把握、外に運び出したが既に心肺停止状態だった。
建物内の人数や居場所の情報は交錯した。1階で5人、2階で1人を発見し、開始から約40分後に最後の1人となった3階の女性を運び出した。指揮官は「熱気の中、入所者以外に隊員も心配になった」と振り返った。
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