三井不動産は29日、東京・新宿の新宿三井ビルディング(55階建て、高さ210メートル)の屋上に、計1800トンのおもりを使った日本初の制震装置を設置すると発表した。
振り子式のおもりが地震の揺れと逆方向に振れることで、東日本大震災級の地震が起きても、横揺れを約6割抑えられるという。
ゼネコン大手の鹿島が持つ制御技術を応用する。1個300トンのおもりをワイヤでぶら下げた装置6基を屋上に設置する。総工費は約50億円で8月半ばに着工、2015年4月に完成する予定。
新宿三井ビルは11年3月の東日本大震災の際に、約10分間の地震が収まった後、最大約2メートルの揺れが約2分間続いたとされる。
巨大なおもりを使って高層ビルの揺れを制御する技術は、台風など暴風時の制振に活用されてきたが、地震に応用するのは初めてという。