2018年のブログです
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またまた有介ワールドにひたってしまいました。
樋口有介さんの『魔女』(2004・文春文庫)。
久しぶりの再読です。
女性はみんな魔女なのだ!という小説です(?)。
まあ、半分は冗談ですが、半分は真実かもしれません(?)。
女性は本当に怖いですよ。
さて、本書、就職浪人中の青年と青年の元彼女の妹とのお話。
元彼女の死因をめぐって、二人が活躍をします。
彼女の妹というのが、不登校児なのですが、ある理由があってのことで、それがラストで判明します。
元彼女は、付き合っていた人物によって、さまざまな印象を抱かせる複雑な性格で、このあたりは映画の「羅生門」を思い出させるような内容です。
多重性人格と虐待、それも虐待とはまったく無関係のような人物が絡んでいたりしていて、質のいいミステリーが展開します。
青年と元彼女の妹の淡いラブロマンスも素敵で、まさに有介ワールドが堪能できます。
ミステリーの謎解きも面白い小説ですが、じーじにはそれよりも、青年の成長や温かさがこころに染み入りました。
こういう青年時代を送りたかったな、というかすかな反省も伴ないます。
とてもいい青春小説かもしれません。
少しだけエッチな場面(?)もありますので、20歳以上の人に読んでもらいたい青春推理小説です。 (2018.11 記)