ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

椎名誠『あるく魚とわらう風』2001・集英社文庫-シーナさんの映画『白い馬』上映奮闘記

2024年10月06日 | シーナさんを読む

 2021年10月のブログです

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 本棚の上のほうにシーナさんの『あるく魚とわらう風』(2001・集英社文庫)を発見、読む。

 シーナさんの1995年から1996年にかけての日記で、集英社の『青春と読書』に「よれざれ旅日記」という題で連載されたもの。

 これがまあすごく忙しい本で、当時のシーナさんの超多忙ぶりにはびっくりさせられる。

 ちょうどシーナさんの映画『白い馬』が完成して、全国上映をしていた時期。

 新潟での上映会の時には、じーじも観にいって、シーナさんが映画の後にぼそぼそと挨拶をするのを聞いていたことを懐かしく思い出す。

 今から25年前、シーナさん52歳、じーじ42歳。若かったなあ!

 この頃、シーナさんは小説の執筆や文学賞の選考委員としても多忙で、その合間にあやしい探検隊としてのキャンプなどもこなしており、すごい!の一言につきる。

 登場人物も有名な作家さんたちが大勢出てきて楽しいが、中には意外な人、例えば、作家の北方謙三さんや檀太郎さん、脚本家の倉本聰さんなども出てきて、その交遊が楽しい。

 シーナさんファンでなくても、一作家の若き日の奮闘ぶりが楽しく読める貴重な一冊ではなかろうか。      (2021.10 記)

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 2022年9月の追記です

 『白い馬』の新潟での上映会の時は、じーじも県民会館まで観にいって、シーナさんを生で見てしまったんだよなぁ、と思い出す。

 シーナさんは新潟にはちょくちょく来られているし、東川にも行っているようだが、じーじはおっかけではないので(?)、どうもすれ違いだ。

 そういえば、村上春樹さんも生で見たことはないなぁ。

 そういうファンがいてもいいのかな、とも思うが…。      (2022.9 記)

  

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椎名誠『にっぽん・海風魚旅 怪し火さすらい編』2003・講談社文庫-シーナさんのフォトエッセイです

2024年10月01日 | シーナさんを読む

 2021年9月のブログです

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 本棚を眺めていたら、読んで!読んで!と訴えられているような気がして、つい読んでしまいました。

 シーナさんの『にっぽん・海風魚旅 怪し火さすらい編』(2003・講談社文庫)。

 かなり久しぶりです。

 週刊現代に「海を見にいく」と題して連載されたシーナさんのフォトエッセイをまとめたもの。

 本の帯には、旨いモノ、そして原色の子供に出会った、とありますが、日本各地の子どもたちの生き生きとした表情がとても魅力的で、じーじはこれを見ているだけで、じわーんとしてきました。

 旅をした場所は、土佐、能登、西表、瀬戸内、五島列島、北陸、甑島、そして、野付半島、などなど。

 シーナさんがあとがきで、海を見にいく、じゃなくて、海を食いにいく、だった、と書いていますが、おいしいものをたくさん食べ、当然、おいしいビールもたくさん呑み、そして、きれいな景色とすてきな人々の写真をたくさん撮っています。

 もっとも、シーナさんのこと、今の日本の不必要な海岸工事や投げっぱなしの産業廃棄物、さらには、過剰な管理や注意書きには苦言を呈します。

 しかし、それ以上に、地方の人々の素朴さや子どもたちの礼儀正しさに感動をします。

 まだまだ地方にはきれいな景色や素朴な人情が残っているのだなと改めて感心させられます。

 そういう良さを旅では発見できるのかもしれないと思うことができます。

 また旅に出たくなってきました。

 本書は続編も出ていますので、そちらも楽しみです。       (2021.9 記)

  

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椎名誠『さらばあやしい探検隊-台湾ニワトリ島乱入』2019・角川文庫-「あやたん」ファイナル!

2024年07月13日 | シーナさんを読む

 2019年のブログです

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 シーナさんの『さらばあやしい探検隊-台湾ニワトリ島乱入』(2019・角川文庫)を読みました。

 「あやたん」ファイナル!ということで、歴史のある「あやしい探検隊」もこれがファイナル、さみしいです(グスン)。

 最初の『わしらはあやしい探検隊』(角川文庫)は1882年発行ですから、37年前。

 それから延々と続いていて、いずれもハチャメチャの探検ものですが、とても面白い読み物に間違いありません。

 じーじの予想では、おそらく、岳シリーズやじいじいシリーズとともに、新宿赤マントやナマコシリーズと並んでシーナさんの代表作になるのではないかと思います。

 日本が高度成長期に入って、自然破壊が進む中で、「あやたん」はなんとか継続し、おやじ軍団の面白さを存分に発揮してくれて、読者を楽しませてくれました。

 ハチャメチャの中にも日本の正しいおやじの姿があったように思います(?)。

 それが読めなくなるのはさみしいです(グスグス)。

 しかし、まだ、「あやしい雑魚釣り隊」が残っています。

 こちらの活躍、ハチャメチャぶりを楽しみにしていきたいと思います。

 まだまだ頑張れ!シーナさん!     (2019. 10 記)

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 2021年秋の追記です

 2年ぶりに再読しました。じーじにしては異例の早さ。専門書もこれくらい早く再読できるといいのですが…(グスン)。

 前回、書き忘れましたが、単行本は2016年の発行。2015年の台湾での探検(?)を本にしています。

 今から6年前、シーナさん71歳の時です。

 しかし、シーナさんは地元の小学生との野球大会でヒットを打ったりと大活躍、すごいじいじいです。

 今後の活躍も楽しみです。     (2021.9 記)

 

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椎名誠『おれたちを齧(かじ)るな-わしらは怪しい雑魚釣り隊』2022・小学館文庫

2024年07月09日 | シーナさんを読む

 2022年7月のブログです

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 シーナさんの『おれたちを齧(かじ)るな-わしらは怪しい雑魚釣り隊』(2022・小学館文庫)を読む。

 この本も夏休みにゆっくり読もうと楽しみにしていた本。

 旭川の本屋さんで購入。

 大人気シリーズ第7弾、とあって、文庫本はだいたい読んでいるつもりだったが、もうそんなに出ているんだ、と改めてびっくりする。

 本の帯に、ブリだってボラだって出世するのに、どうしておれたちはいつまでも賢くならないのだろうか…、とあるが、シーナさんとその仲間たちの釣りとキャンプとお酒の旅はいつ読んでもおかしい。

 みんな社会人としてはなかなかの仕事をしている人たちばかりだが、シーナさんと遊ぶ時には子どものように無邪気になるところが面白い。

 たとえば、海仁さん。

 シーナさんが昔、初めて小笠原に旅行をした時に、編集者として同行した若者。

 酒を呑まず、笑わせるのに苦労するという真面目で博学な編集者だが、その後、怪しい雑魚釣り隊に加入、エースとして活躍する。

 ところが、大物を釣りあげると興奮をして怪我を頻発するという癖があることが判明、そういう次第を綴るシーナさんの筆が優しい。

 そして、ドレイのみなさん。

 今の世にドレイ(?)が存在するというところに、この集団の特異さと面白さがある。

 下手をするとユーモアを解さない人たちに非難されかねない前近代的制度だが、このドレイのみなさんたちへのシーナさんのさり気ない優しさがまたいい。

 毎回、同じようなできごとが続くが、しかし、変化も確かにあり、ここら辺がこのシリーズの魅力なのかもしれない。

 どこを読んでも決して飽きない面白さがあるというのは、やはりシーナさんの才能なのだろうと思う。

 電車の中で読むには少し危険な本だが、ずっと続いていってほしいと思う。      (2022.7 記)

 

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椎名誠『単細胞にも意地がある-ナマコのからえばり』2018・集英社文庫-ナマコくん、さらば!

2024年05月30日 | シーナさんを読む

 2018年のブログです     

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 シーナさんの『単細胞にも意地がある-ナマコのからえばり』(2018・集英社文庫)を読みました。

 なんと、悲しいことに、シリーズ完結巻、とあります(シクシク)。

 とうとうナマコシリーズも終わってしまうのですね(またまた、シクシク)。

 しかし、シーナさんも73歳、そろそろ仕事を厳選していくのかな?とも思います。

 もっとも、後世の人は、シーナさんの代表作として、『岳物語』とともに、新宿赤マントシリーズやナマコのからえばりシリーズを挙げるようになるのかもしれないな、とじーじなどはひそかに思っているのですが…。

 さて、最終巻、いろいろなお話が載っていますが、じーじが一番強く頷いたところ、それはポイントサービスのお話でした。

 シーナさんはいろいろな理由からポイントサービスがお嫌いなようで、マイレージカードもお持ちでないとのこと。

 実はじーじもポイントサービスというのが嫌いで、ほとんどポイントカードを作っていません(マイレージは作る機会がないだけですが…)。

 ですから、買い物をしたり、本を買ったりするたびに、店員さんから、カードはお持ちですか?よければおつくりしましょうか?と聞かれて、お断りをするのが大変です。

 シーナさんもいうように、ポイントという制度がなんだかよくわからないですし、それくらいなら値引きをしてほしいと思うのです。

 シーナさんは、さらに、それくらいなら消費税8パーセントに抵抗しろ、ともおっしゃいます。

 じーじはそんな過激なことはいいませんが、以前からじーじのカウンセリングの代金は、単に計算が面倒なこともあって、消費税抜きでいただいております。

 これは抵抗になるのでしょうか?

 じーじは計算が苦手なだけで、国家に抵抗するなんていう大それた気持ちはこれっぽっちもないのですが…?。

 冗談はこれくらいにして、他にも楽しいお話が満載です。

 シーナさんが訪れたアイスランドのお話を読んでいると、じーじの大好きな北海道の風景や人々を思い出しました。

 シリーズが終わるのはたいへんに悲しいのですが、とても読みごたえのあるいい本です。     (2018.11 記)

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 2020年6月の追記です

 念のため、「ナマコ」とは、シーナさんの名前の、シイ「ナマコ」ト、からの命名です。     (2020.6 記)

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 2020年11月の追記です

 ポイントの氾濫がひどいです。

 最近では、政府主導のマイナポイントや go to なんちゃら。

 ポイントで国民を都合よく誘導できることがわかって、自民党政府はほくほくでしょう。

 ポイントには気をつけましょうね。     (2020.12 記)

 

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椎名誠『おなかがすいた ハラペコだ。』(2019・集英社文庫)-シーナさん・たき火・ハラペコ

2024年04月18日 | シーナさんを読む

 2019年のブログです

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 シーナさんの椎名誠『おなかがすいた ハラペコだ。』(2019・集英社文庫)を読む。

 シーナさんの久しぶりの文庫本新刊、すごくおもしろい。

 本書は雑誌「女性のひろば」に連載をされたエッセイで、食についての文章が並ぶ。

 世界中を旅行して、いろいろな食べ物を食べてきているシーナさんだけに、その文章はすごい。

 シーナさんは辺境の旅が多いので、そこでの食べ物も決して高価なものではないが、新鮮、素朴で、うなずけるものがたくさん出てくる。

 一方で、子どもたちが独立し、愛妻との二人の食事や、その愛妻も旅に出て、一人っきりでの食事も描かれる。

 ここではシーナさんはシーナじいじいになってしまうが(じーじと同じだ)、これはこれで楽しそうだ。

 総じて、シーナさんの場合、高価なものに背中を向け、身近なものの良さを再発見して、伝えてくれるが、こういうところにじーじは共感できる。

 こころの豊かさとは、こういうところにもあるということを、声高でなく、朴訥に語ってくれるいい本だ。    (2019.4 記)

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 2023年春の追記です

 その後、コロナの流行があり、さすがのシーナさんもコロナに罹り、ダウンをするが、それを本にしてしまうところがシーナさんらしい。

 ちなみに、じーじはまだコロナに罹っていない(と思う。検査をまったく受けたことがないのでわからないが…)。

 じーじはコロナの予防接種を受けていない。さらには、なんと、インフルエンザの予防接種も受けたことがない(たんに注射がきらいなだけだけど…)。

 こんなことを書いたとたんにコロナやインフルエンザに罹ることはよくあることなので、あまり書かないが、罹ったらゆっくり休めばいいと思っている。

 こういうじーじのところにはコロナも寄ってこないのかもしれない(そういえば、きれいな女子も寄ってこないなーあ、困ったもんだ)。    (2023.4 記)

 

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椎名誠『三匹のかいじゅう』2013・集英社-三匹の孫かいじゅうとシーナじいじいの物語です

2024年04月05日 | シーナさんを読む

 2019年のブログです

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 椎名誠さんの『三匹のかいじゅう』(2013・集英社)を再読しました。

 シーナじいじいの孫物語シリーズの第三作。

 シーナさんの息子さんの岳くん家族が、第三子を日本で出産するためにアメリカから来日、その前後のシーナさんのじいじいぶりが描かれます。

 おもしろいです。とてもおもしろいです。

 じーじにも心当たりがあるようなできごともあって、思わず笑ってしまいます。

 頻繁に笑ってしまい、この本も電車の中で読むのは危ない本だと思いました。

 第三子は無事に生まれ、琉太くんと名づけられます。

 そして、風太くん、海ちゃん、琉太くんの三匹のかいじゅう相手にシーナじいじいの奮闘が始まります。

 しかし、2011年3月11日の東日本大震災があり、その後、原発事故が起こります。

 シーナじいじいは孫たちへの放射能汚染を心配してみんなで沖縄に一時避難、その後、岳くん家族のアメリカへの帰国も考えながらの日々となります。

 楽しいながらも、癌発問題や日本の歪んだ社会事情を背景にして、シーナじいじいは時に怒りながら、孫たちにはとても優しく、楽しく孫育てを行ない、その光景は読んでいてもうれしいものです。

 シーナじいじいの怒りが正当だけに、孫たちへの愛情は際立ち、じーじも正義感の強いじーじになりたいなと思わせられます。

 決して甘いだけではない、いい小説です。

 最後、一番上の風太くんがシーナさんの書いた孫物語第一作『大きな約束』を読むようになるところで物語は終わます。

 続きが楽しみな、上質の小説だと思いました。     (2019.4 記)

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 2021年秋の追記です

 2年ぶりに再読をしました。じーじにしてはかなり早い再読です。

 いい小説ですね。さすがのじーじでもあらすじは覚えていましたが、シーナさんの文章がいいです。

 読んでいて、とても幸せな気分になれる小説です。おいしいビールが呑めそうです。     (2021.9 記)

 

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椎名誠『孫物語』2015・集英社-孫たちと,のんびり,ゆったり,遊ぶことの豊かさ

2023年12月30日 | シーナさんを読む

 2015年のブログです

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 シーナさんの最新作『孫物語』(2015・集英社)を読みました。

 とっても面白かったです。

 シーナさんはじーじよりちょうど10歳年上の71歳。

 じーじは昔から10歳年上の先輩を見習うような感じでシーナさんの小説を読んできました(シーナさんは迷惑だと言いそうですが…)。

 シーナさんのお孫さんは3人,じーじの孫は2人で,孫とのつきあいかたがこれまた参考になります。

 シーナさんのお孫さんシリーズも,『大きな約束』(2009),『続大きな約束』(2009),『三匹のかいじゅう』(2013)と続いて,本書が4作目。

 シーナじいじいが静かに,しかし,大活躍をして,あいかわらず素敵な小説です。

 じーじは2人の孫娘たちが遊びに来ると,遊戯療法の練習(?)のまねごとをさせてもらっていますが,シーナさんは自然体でとてもいい接し方をしていると思います。 

 まさに宣伝コピーどおり,「イクジイ」です。

 じーじも対抗して「イクじーじ」をめざして頑張ろうと思いました。  (2015.4 記)

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 2019年春の追記です

 4年ぶりに再読をしました。

 やっぱり面白かったです。

 孫たちの相手をすることは、シーナさんの場合は、お孫さんたちに三人三様の個性があって、それを大切にされていることがよくわかり、とてもいいです。

 弱い者をきちんと守り、楽しく遊び、そして、尊重をしていく姿が心地よいです。

 じーじの孫たちの場合も、それぞれに個性があって、発見と驚き、感心の連続ですが、とても面白いですし、相手のしがいがあります。

 孫たちが、頼ってくれたり、相手になってくれるうちが花、もうしばらく楽しみながら、つきあっていきたいと思います。  (2019.4 記)

 

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椎名誠『カツ丼わしづかみ食いの法則-ナマコのからえばり』2017・集英社文庫

2023年11月20日 | シーナさんを読む

 2017年のブログです

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 シーナさんの『カツ丼わしづかみ食いの法則-ナマコのからえばり』(2017・集英社文庫)を読みました。

 とってもおもしろかったです。

 シーナさんはじーじより10歳先輩。

 もう結構なじいじのはずですが(シーナさん、ごめんなさい)、実はまだまだ若く、じーじは正しいじいじのあり方(?)をいつもシーナさんから学んでいる(?)ような気がします。

 そのせいか、本書を読みながら、うんうん、そうだそうだ、などと頷く場面が多々ありました。

 シーナさんのエッセイを読むと、これまでも、そういうことが多くあったのですが、今回は特にいっぱい、うんうん、してしまいましたので、感想文を書いてみます。

 例えば、「世界遺産」という言葉。

 シーナさんは、大騒ぎをする国民やマスコミをよそに、その安易さには疑問を呈します。

 まったくだとじーじも思います。

 昔、白神山地のスーパー林道建設に反対をした人ですから、偽物の観光化には敏感です。

 さらには、「美しい日本」と叫ぶ政治家。

 そういう政治家が自然を破壊し、原発を再稼働するという矛盾を糾弾します(シーナさんはもっと、やわらかい言葉でですけどね)。

 あるいは、大雨の際の電力会社のダムから放流による人為的な洪水の問題。

 電力会社が住民の味方でないことが次々と明らかになってしまうのは、なぜなのでしょう。

 住民にとって一番大切な存在のはずなのですが、巨大化しすぎた弊害なのでしょうか。

 巨大な組織はそれ自体の存続が最終目標になってしまうという社会学の考えの通りなのでしょうか。

 大切なのは電力会社を支えている住民なのですがね。

 はたまた、コンビニでビールを買おうとすると、シーナさんのようなじいじでも年齢確認のボタンを押さなければならない問題。

 これは本当に馬鹿らしいことで、じーじなどはこの夏のひとり旅で、これがいやで、ビールは農協のスーパーで買っていました。

 その他、もろもろ。

 じーじにもうなづける諸問題が目白押しでした。

 シーナさんの文章は、日常の何気ない、うっかりすると見過ごしてしまうような問題に、時に鋭く、疑問を呈します。

 場合によっては、みなさんが疑問を持たないでいることを指摘したりもしますので、ソクラテスさんが周囲から糾弾をされたように、時に危ない目にもあいます。

 しかし、それを恐れずに書き続ける勇気に敬意を表します(それでも、以前よりはだいぶまるくなってきましたが…)。

 いつまでも元気なシーナさんでいてほしいと思います。  (2017 記)

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 2021年秋の追記です

 4年ぶりに再読をしました。あいかわらず、とっても面白く読めました。

 今回、感動したのは、あやしい雑魚釣り隊のドレイ(?)で元Jリーガーの竹田聡一郎さんの解説。

 シーナさんのお孫さんの風太くんが、あやしい雑魚釣り隊に参加した時のエピソードをいい文章で綴ってくれています。 (2021.10 記)

 

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椎名誠『ナマコ』2016・講談社文庫-北海道と新宿と香港を舞台にしたナマコが主役の真面目な小説

2016年07月18日 | シーナさんを読む

 2016年のブログです

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 シー・ナマコ・トさん、ならぬ、シーナ・マコト(椎名誠)さんの小説『ナマコ』(2016・講談社文庫)を読みました。

 けっこう真面目な小説で、とても面白かったです。

 特に、前半、シーナさんが知り合いの居酒屋店主と北海道を旅するシーンは、自然を愛するシーナさんらしく、風景描写と二人の心象風景の描写がとても素敵で、魅了されました。

 じーじが夏休みに毎年、車で訪れる場所がたくさん出てきますが、作家さんが表現をすると、こんなふうに書けるのだ、と改めて、小説家シーナさんの力量に感心させられました。

 風景だけでなく、ナマコをはじめとして、漁業問題や過疎化の問題なども取り上げられており、それらが小説の中に無理なく表現をされていて、いろいろと考えさせられます。

 ナマコをめぐる香港での商談もスパイ小説もどきのハラハラ、ドキドキのお話ですが、それも中国が舞台とあっては、うそっぽくなく、真実味があります。

 ナマコというものをめぐって、ひとつの真面目な小説を書いてしまうシーナさんはやはりすごい作家です。

 今夜もおいしいビールが飲めそうです。    (2016.7 記)

 

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