弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【非公式グッズ】「個人で楽しむ範囲」はどこまでだろう…?

2017年07月04日 08時43分21秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
湿気を帯びた空気の膨張感が鬱陶しい湘南地方です。

さて、今日はこんな記事

(IT media NEWS より引用)
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ファンが作ったグッズ販売に警鐘 コブクロ事務所、「個人で楽しむ範囲」超えた活動に注意

フォークデュオ「コブクロ」のファンが制作・販売していた非公式のコブクログッズについて、販売をやめるよう注意したと、コブクロの所属事務所が発表した。これまで「個人で楽しむ範囲」のグッズ制作は許容してきたが、最近は、ツアーロゴなどを無断で利用し、複数人に配布・販売するなど「常識を逸した」制作活動が目に付くとし、「このままでは、個人でのグッズ制作を全面的に禁止せざるを得ない」とし、自制するようファンに呼び掛けている。

(中略)

コブクロに限らず、アーティストのファンによるグッズ制作は盛り上がっているようだ。最近は、スマートフォンアプリからTシャツを簡単に制作できるサービスなどもあり、自作グッズ作りのハードルがどんどん低くなっている。音楽業界ではCD販売が低迷し、ライブやグッズの売り上げに頼る構図が鮮明になる中、「ファンが作ったグッズ」をどこまで許容するかは、アーティスト側にとって頭の痛い問題になりそうだ。
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(引用終わり)

グッズって、売れるんだよなー、と思う。
ライブでもツアーTシャツを着て、公式サイリウムを振り、推しタオルを振り回す
(「誰の?」とか突っ込みはスルーします(笑))
それぞれ結構良い値段なわけで。ほぼ“お布施”に近い。
買えば買うほど徳を積んでいる錯覚に陥る、のかも。
というより、周りが皆持っている中“丸腰”でイベントに参加することには、なかなか勇気がいるものだと思う。

一方で、ファンも“濃く”なってくると、公式グッズで飽き足らなくなってくるのだろうか。
ファン制作のグッズのクオリティの向上は、それはそれで半端ない。
中には公式グッズよりも顧客吸引力が高いものもある。
なまじ良いものを作っているもんだから、「何で悪いんだ」と思ってしまうのだろうか。
買い手にとっては、公式にはない「レアもの」という風に見えるのだろう。
売買が成立する素地は十分にある。


正直、普通の人には適法と違法の境界線が非常に見えにくい実情があると思う。
法律に照らすと違法だけど黙認されているもの、手が回らず放置されているものが巷には溢れているから。

ちょっと別の話になってしまうけど、
SNSがこれだけ普及し、画像加工アプリの使い勝手も向上していると、
拾い物の画像から結構しっかりした壁紙などを一個人で作れてしまう。
そしてFBページなどのコミュニティだと、お互いファン同士「お友達」ということで
気軽にやりとりしてしまう。

しかし、「お友達」どうしのやりとりはもはや「個人で楽しむ範囲」ではないし、
著作権(複製権)侵害に有償/無償は関係ない。

ただ、
「このままでは、個人でのグッズ制作を全面的に禁止せざるを得ない」
➡これは可能なのかなぁ??
著作権法上は権利制限規定があるし、パブリシティ権はそもそも「氏名・肖像から生じる経済的利益ないし価値を排他的に支配する権利」なので、
個人でグッズ制作をすることがこれを侵害しているとは言いにくい。
「禁止」というより「お願い」ベースの方が平和な気がするなぁ。

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