弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

事務所開設12年目!
本ブログがKindle本に!「アマゾン 三色眼鏡」で検索!!

本物を選んでもらう…ことの難しさ。

2016年02月23日 08時27分17秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
スッキリしない空模様な湘南地方です。

今日は、こんな記事


(河北新報ONLINE NEWS より引用)
<大館曲げわっぱ>品質劣る偽物 通販かく乱

秋田杉を使った秋田県大館市の伝統工芸品「大館曲げわっぱ」の偽物が、
インターネットの通販市場で大量に出回っている。偽物は人気のある弁当箱が大半。
中国製とみられ、品質は本物よりも劣る。大館曲げわっぱ協同組合(大館市)は、
信用に関わるとして地域団体商標を取得したり独自に作製したシールを商品に
貼ったりして偽物と差別化を図るが、根本的な対策は難しいのが実情だ。

(引用終わり)


記事の最後の方に
「いい物を作り続け、お客に本物を選んでもらうしかない」という大舘工芸社社長のコメントがある。
もう少し、ハッキリ言った方が良いんじゃないかな。

“本物の「大舘曲げわっぱ」は手間ひまとノウハウが詰まっているから、
 どうやったって2~3,000円なんかじゃ売れませんよ” と。

「なんちゃって品」で良い、という人は、もともとお客さんではないのだ。
いや、というより、「なんちゃって品」の方がニーズに応えた
“そこそこの品質、そこそこの値段”なのならば、それはそれである種の企業努力といえなくもない。

もちろん、ウソやフリーライドは厳しく監視されるべき。
数限られた伝統工芸士の技は尊重されるべきだし
地域にとってもその地域性を打ち出すコンテンツの一つとして保護は図っていくべき。

本物に対してはしっかりお金を払いたい、という需要者層は一定数存在している。

根底にあるのは、
“本物ならある程度値が張ることは理解しているけど…でも、ぼったくられないか不安”
という気持ち。
だから、例えば生産組合が
“このサイズの製品、この時期の製品ならいくら程度が目安”
といったような適正対価の指針が出ていれば、
本物を買いたい人が躊躇する可能性は減るのでは?
そもそも、2~3,000円のものを買う人は、本物を買おうと思っていない。

最終的には「適正対価」をマーケットに浸透させることこそが、
確かな信用形成に繋がっていくのではないかと。

その上で、現時点で「お客様」じゃない人に“本物の価値”をアピールするのは、
また別の話。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 振り返り、そして前を向く。 | トップ | インドネシアだけではない…使... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

知財記事コメント」カテゴリの最新記事