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【知財戦略】知的財産推進計画2020 ~ニュー・ノーマル~

2020年05月28日 08時45分23秒 | 実務関係(特・実・意)
おはようございます!
今日も心地よい風そよぐ@湘南地方です。

さて、掲題の件、知財戦略本部から昨日案がリリースされました。

知財業界に身を置くものとして、…一応、概要だけ頑張って読んでみました。
が、「ぼわ~っとしていてよくわからん」が本音。

知財戦略2019のキーワード「脱平均」「融合」「共感」については、まあそれなりにのみ込みやすいコンセプトだったなぁ、と思うけど。
今年のは、なんていうんだろ、つかみどころがない印象。

まあ、取りまとめ時期になって突如として顕れたウイルス騒動を盛り込まないわけにもいかず、
鋭意討議を重ねた結果としての案だとは思うんですけど。。

「ニュー・ノーマル」と知財戦略、って、うーん、
今現場で場当たり的にやっているものと、大局観を示すべきものとがなかなか頭の中でかみ合わないなぁ、と。
既存の戦略に従って個々の対応を実行できているのならば、(多少の修正は伴うにしても)戦略としては現状で良しなのだろうし、
新たな戦略構築が必要ならば、何をもって「ニュー・ノーマル」と定義づけ、どのようにこれに対処していくのかを決めるには
それこそ拙速に過ぎると思う。

いや、繰り返しになるんですけど、この期に及んでコロナを無視した戦略立案はナンセンスなのはわかるんですけどね。

「戦略」って、客体を掴み切らないとグダグダになってしまうと思うんですよね。
今後の情勢が流動的な現時点では、“暫定的な方針”程度とするのが妥当な気がする。

実際「総論」で示されている項目って、こういう感じ。
・クールジャパン関連分野が甚大な被害を受けている→緊急経済対策等によりその存続を確保する
・日本経済の再活性化のためにクールジャパンの取組は重要→幅広い分野において必要な措置を検討する
・新型コロナが及ぼす短期的・中長期的な影響を十分に調査分析し、日本のプロモーション戦略を工夫する必要
 →医療体制や公的保険制度などの社会制度等について、クールジャパンの文脈でアピールすることも重要

…どうでしょう?「戦略」なのかしらん。

なんだか批判的なスタンスになってしまっていて本意ではないのだけど、
戦略としての重要な「背骨」は、
・日本の高品質なコンテンツを産業の柱として維持成長させるため、人的/金銭的資源を戦略的に投入する、又は投入される仕組みを作る
・コンテンツとしての価値とその保護にギャップがある分野について、制度整備と啓蒙を行い、避けられる流出と劣化を防止する
・「クール・ジャパン」と称している高品質なコンテンツが、今後も再生産されていくための環境の保持を行う

といったことではないのかな、と思っている。
それは、プレコロナだろうがポストコロナだろうが変わらない。

戦略の立て直しというよりは、「既存の戦略実行に支障が生じている場面に対する手当」が重要なのではなかな、と思う。

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